人気ヘア&メイクアップアーティスト、笹本恭平さんと千吉良恵子さんが本誌初対談! 王道メイク、コンサバメイクを追求し続けるお二人のこだわりを聞きしました。

笹本恭平 千吉良恵子

メイク界のLEGEND×NEXT LEGENDが語り合う

私たちが大事にしている新・美人論

コンサバメイクの寵児
笹本恭平さん

ヘア&メイクアップアーティスト

笹本恭平さん

映画や広告の現場を経て、コンサバ誌のファッションページで活躍。枠にとらわれないコンサバ理論から、ビューティ誌でも指名が絶えない。

『コンサバメイク革命』(講談社)

「もうタイトルが最高! 『コンサバをもっと楽しもうよ』という笹本イズムがぎっしり」(千吉良さん)。『コンサバメイク革命』(講談社)

『MAQUIA』 2022年6月号 撮影/菊地泰久〈vale.〉

「さりげない差し色が可愛い! ページを見た瞬間、『好き!』と声に出してしまったほど」(千吉良さん)

初対面の印象は?
Keiko←Kyohei
どこまでもついていきたくなる包容力
「念願の対談だったのでかなり質問攻めにしてしまったのですが、なんでも答えてくださる懐の深さに涙。包容力があってチャーミングなお人柄がメイクにも表れていると実感」

王道メイクの開拓者
千吉良恵子さん

ヘア&メイクアップアーティスト

千吉良恵子さん

求人誌からヘア&メイク事務所に応募し、採用翌日から広告などの現場で活動。その後、藤原美智子さんが率いた事務所で経験を積み、独立。

『MAQUIA』 2022年3月号  撮影/菊地泰久〈vale.〉

「可愛さと強さが同居するメイクは、僕が一番目指したいところ。千吉良さんのメイクは一生憧れ!」(笹本さん)

初対面の印象は?
Keiko→Kyohei
なんでも吸収できる柔軟性がお見事!
「自分の好みに左右されず女性の美の可能性を大きく広げられるのは、たくさんのものを見て学ぶ姿勢があってこそなんだと感動しました。これからのご活躍も楽しみです」

私たちが大事にしている新・美人論 PART2

TALK ABOUT
王道に差をつけるのは少しの違和感
王道なのに新しい、マンネリとは無縁のコンサバメイクを提案する千吉良さん&笹本さん。定番を更新し続けるおふたりの共通点とは?

メイクへの好奇心が王道に新風を吹き込む

笹本 千吉良さんは僕がヘア&メイクを志した頃からの憧れであり、目標となる人。僕にとっての王道=千吉良さんなんです!
千吉良 私も対談を楽しみにしていたんですよ。笹本さんのメイクを見ると、好きなものが私と似てるんだろうなと感じることが多くて。勝手に親近感を持っていました。
笹本 う、嬉しい! 千吉良さんからはずっとインスピレーションを受け続けていて、それがメイクに表れているのかも? 僕、いいなと思うとすぐパクっちゃうので(笑)。
千吉良 それってすごく大事なことですよね。自分の世界を持ってそれだけを追求するのも素敵だけど、読者にメイクを提案する以上、その時代の空気感やトレンドを考慮しなきゃいけない。その柔軟さは笹本さんの武器だと思います。
笹本 もちろん、丸々マネするのではなく、僕らしさを加えて表現しています。その方がメイクの幅が広がるんですよね。
千吉良 私はいつも裏テーマを持ってメイクしてます。雑誌の企画だとたいていお題があるんだけど、それとは別に自分だけのテーマを設定して、両方クリアできたらバンザーイ! みたいな(笑)。
笹本 例えばどんな風に?
千吉良 ピュアなピンクメイクを求められた時、全く違う現場で思いついた肌の作り方を合わせてみたらどうなるか、とか。
笹本 実験の域ですね。
千吉良 そう、実験! いつも、これをこうしたらどうなるんだろう? っていう視点は持ってるかな。王道のコンサバメイクこそ、常にアップデートしないと古くなってしまうから。

誰もがキレイになれるのが究極の王道メイク

千吉良 私が思う王道メイクは、洒落コンサバ。コンサバって言うと「定番」とか「マンネリ」っていう言葉がついて回るけど、私はコンサバこそ一番オシャレで奥が深いと思う。
笹本 僕も同感です。誰もがキレイになれるのがコンサバ。
千吉良 個性的なメイクって意外と簡単というか、やったもの勝ちなところがあるんだけど、コンサバは誤魔化しがきかない。ベーシックだからこそ、細部にこだわらないとアラが出てしまうんですよね。
笹本 まさにそうですよね。ひと言で片付けられがちな「ベージュパレット」も、質感や発色に個性がある。その中で今っぽいものにアップデートし続けることが、コンサバをマンネリにしない最大のカギだと思います。

違和感と血色感が人の目を惹きつける

千吉良 マキアの読者は王道メイクが得意な人が多いと思うけど、変化が欲しいなら、ほんの少し違和感をプラスしてみて。例えば、目元のベージュにグリーンやブルーのトレンドカラーを重ねてみるとか。
笹本 今季のアイパレットは、ベージュグラデ+ポイントカラーの組み合わせが豊富ですよね。
千吉良 いつもの〇〇さんなんだけど、今日は何か違う……。と思わせることができたらアップデートは成功(笑)。あとは肌の作り方かな。どんなに新しいカラーアイテムを使っても、肌が古いと全てが古く見えてしまうもの。だから、シーズンに合った肌作りは大事ですよね。
笹本 肌の延長としての血色感もすごく重要ですよね。千吉良さんといえばチークですけど、こだわりはありますか?
千吉良 天然の血色になりすます仕込みチークですね。可愛いメイクでもクールなメイクでも、その人になじむ血色はマスト。それだけで、どんな方向性でもハッピー感が宿るんです。
笹本 確かに、血色によるハッピー感はメイクに不可欠。僕もチークやリップは渗み系の血色カラーが好きです。個人的には血色感からその人のキャラクターが見える気がするんです。
千吉良 コンサバってテンプレート化されているようで、モダンとかスウィートとか無限の幅があるんです。その幅を見せる中で、血色から渗むその人らしさはとても大切だと思います。
笹本 コンサバメイクで自分らしさを表現できたら最強ですね。

Kyohei's must

これぞ王道!のブラウンパレット

これぞ王道!のブラウンパレット
「ブラウン系パレットは毎シーズン、何かしらのアップデートがあるから、こまめに新調する派」(笹本さん・以下同)

A「華やかなきらめきが宿る」。ルナソル アイカラーレーション 15 ¥6820/カネボウ化粧品 B「シアーな発色でヌーディな目元に」。ザ アイシャドウ パレット Cashmere Dream ¥6820/アディクション ビューティ

好印象を握る血色リップ

好印象を握る血色リップ
「きちんとした存在感はありつつ、血色の域を超えないベージィな赤みリップも欠かせません。秋冬は少しこっくりした色が気分」

A「唇をふっくらと見せる透け感マット。自然な色みで整った印象に」。シアー マット リップスティック 14 ¥5500(セット価格)/SUQQU B「クリーミーな塗り心地で見たままに発色。このリッチベージュをまとえば、シックな表情が完成」。ルージュ アリュール レクストレ 812 ¥7590/シャネル

Keiko's must

立体感を宿すベース

立体感を宿すベース
「肌が旬じゃないと、どんなメイクをしても古くなってしまうから、今っぽい陰影やツヤ作りにこだわります」(千吉良さん・以下同)

A「発光するようなツヤ肌に」。ビーグレン ヌーディーヴェール SPF36・PA++ 20g ¥5170/ビーグレン B「ピンポイントで美ツヤがはしる」。ボーム エサンシエル スカルプティング ¥6600/シャネル C「さりげない影色でメリハリが高まる」。マットブロンズパウダー 5240 ¥4840/NARS JAPAN

幸福感の要、血色チーク

幸福感の要、血色チーク
「仕込みチークは20年以上ずっと続けているテク。クールでもスウィートでも、内側から渗む血色感は外せません!」

「仕込みにはクリームが◎」。A「ピュアな幸福感を演出するライトピンク」。グロー プレイ ブラッシュ チーキー デビル、B「肌になじみながらナチュラルな血色感でライブリーな肌に」。同 ソー ナチュラル 各¥4180/M・A・C

MAQUIA 11月号
撮影/菊地泰久〈vale.〉(モデル) 岩城裕哉(物) 取材・文/野崎千衣子 構成/若菜遊子(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

最終更新日:

MAQUIA書影

MAQUIA2024年4月22日発売号

集英社の美容雑誌「MAQUIA(マキア)」を無料で試し読みできます。6月号の特集や付録情報をチェックして、早速雑誌を購入しよう!

ネット書店での購入

share