ここ数年、急増しているサウナ愛好家=サウナー。でも、まだそのよさを実感できていない人もいるのでは? そこで、美容業界のサウナの達人たちにサウナの魅力や肌と体にもたらす効果、おすすめサウナなど「サ活」について伺いました。

サウナ

美容ライター石橋里奈さんのサ活

石橋里奈さん

美容ライター

石橋里奈さん

数々の女性誌やWEBなどで美容を中心に編集・ライターとして活躍。写真集のプロデュースや化粧品のPRなど幅広く活動。サウナには仕事帰りに寄るほか、出張先でもGoogleマップで宿の近くの施設を検索し、自費で延泊してでも入りに行くほどのサウナー。

サウナの聖地『しきじ』の
水風呂との出会いがサ活の始まり

サウナ

「小さい頃から両親に連れられて銭湯やスーパー銭湯に通っていたので、サウナは身近な存在でした。でも、今のようにハマったのは、実家近くの『サウナしきじ』に行ってから。ここは水風呂に天然の湧き水を使用していて、“飲める水風呂”としても有名なんですけど、これがめちゃめちゃ気持ちよくて! 苦手だった水風呂が一気に好きになりました。帰りの新幹線で“ここは無重力!?”っていうくらい足元がふわふわで、体も軽くなったことがきっかけでサウナにのめり込むようになりました。サウナに行くと自然とデジタルデトックスができるし、ボーッとしているといいアイデアが浮かんできたりするんですよね。なにより、ストレスフリーになれるせいか寝つきもよくなるし、以前に比べて人にやさしくなれている気が。疲れていたり嫌なことがあってもサウナに行くとご機嫌で帰れるので、仕事帰りにフラッと立ち寄っています。もはやサウナは私の生活の一部に

熱や蒸気を利用したスキンケア
&ヘアケアで、サロン級の効果! 

「サウナへは体を洗ってお湯に浸かり、その後に水を飲んでから入ります。こうすると毛穴が開き、汗の出がよくなるんです。入る分数などは特に決めていないのですが、だいたい8~12分ぐらい温まったら水風呂に入り、息が冷たくなったら“ととのい椅子”に、というのを3回ほど繰り返していますね。ストレスが溜まっている時は、7回ぐらい繰り返していることも、笑。せっかく毛穴が開いているので、個包装の酵素洗顔料で毛穴掃除をしたり、サウナ中もシートマスクや保湿ジェル、泡の化粧水などを肌の上にのせてケアしています。そのほか、サロン専売などのディープトリートメントを髪に塗布し、サウナの熱を利用して浸透させたりすることも。こうすると、めっちゃ髪がスルスルに! サウナ後の肌は乾燥しやすいので、上がった後はまずミスト化粧水で保湿。それからボディクリームを塗り、ドライヤーで髪を乾かしている間に追いシートマスクをしたり……、と徹底した保湿ケアを心がけています。こうしたケアのおかげか、昔の写真を見ていた友達から『ちょっと若返った!?』と言われたことも。さらに肌トラブルも減り、嬉しい効果を実感しています」

サウナ

「近場では武蔵小山にある天然温泉の『清水湯』や池袋の『hotel hisoca』によく行きます。遠方のサウナに行きますが、“飲める水風呂”の富山の『スパ・アルプス』も水がよくてお気に入り。阿蘇の地下水を使用している熊本の『湯ラックス』は、阿蘇に合掌したくなるくらい水がよくてすっかりリピーターに。アウフギーサー(熱波士:サウナ室の蒸気をタオルであおぐ人のこと)も面白くて、6時間ぐらい滞在したことも、笑」

サウナ

「ホテルに隣接している銀座の『spa&sauna コリドーの湯』は、昨年オープンしたばかりで新しく、広くて快適。営業時間が11:00〜翌9:00だったので、夜に入り、翌朝にもまた入りました」

サウナ

「友人と新大久保で韓国料理を食べてから、一緒に新宿の女性専用サウナ『ルビーパレス』に行くことも。アカスリやマッサージも楽しんでいます」

サウナ

「サウナが楽しめる池袋の『hotel hisoca』へは、定期的に泊まりに行ってプチ旅行気分を満喫! 部屋の中にサウナがあるので、入りたい放題で楽しめます」

サウナに欠かせないアイテム

サウナに欠かせないアイテム

「ADICALの『レチノモイスト バブルローション”は肌にのせていても垂れてこない炭酸泡の化粧水なので、サウナ中に愛用。『CNP LaboratoryのCNP プロP ミスト』とレカルカの『ブライトリーモイストシャインミスト』は、サウナ後の肌の速攻保湿として重宝しています」

サウナに欠かせないアイテム

「サウナは私にとって新しいコスメを試す絶好のチャンスの場でもあるので、ポーチの中に個包装の洗顔料やミニサイズのスキンケアのほか、シャンプー&トリートメント、シートマスクなどを詰め込んでいます」

MEGLY PR 小木曽早紀さんのサ活

小木曽早紀さん

MEGLY PR

小木曽早紀さん

炭酸の持つ“めぐりの力”に着目をした、炭酸スキンケアブランド『MEGLY』のPRを担当。コロナ禍にスタートしたリモートワーク。仕事後の脳内スイッチの切り替えのためにサウナに通い出し魅力に目覚める。週1のペースでサウナに通っていたが、最近引越した先にはサウナがなく、現在は月1〜2回のペースに。オウンドメディア→MEGLY&CO

サウナは時間を忘れて
自分自身と向き合える最強ツール 

「サウナに行く回数はそれほど多くないのですが、行くと睡眠の質がグンと上がるし、心のデトックスができます。入り方は、まず約5〜10分程度お湯で体を温めます。このとき、炭酸泉を多くチョイスしています。その後、サウナ8〜15分→水風呂1〜2分→外気浴5〜10分。これを1セットとして、3〜4回。

私は帰宅してもオンとオフの切り替えが上手にできないタイプなのですが、サウナに行くとうまくマインドコントロールができるのも魅力のひとつ。サウナの暑さの中では仕事のことを考えようとしても考えきれず、“無”の状態に。この状態で水風呂に入るとその冷たさによって自分の鼓動を意識させられるんですが、こんなふうに自分の鼓動を感じながら雲の流れや水風呂の水紋を見ていると時間の流れがゆっくりになり、自分自身に目を向けられるようになるんです。いわゆる“ととのう”とはちょっと違うのかもしれませんが、私にとってはこの“生”を感じる時間がサウナの醍醐味!

お気に入りサウナになるか?
その決め手は“水風呂”との相性

「サウナが好きになればなるほど、通えば通うほど、自分に合う水風呂に入りたいという欲が出てきます。屋外にあって空を見ながら、日差しを浴びながら入れる大分の『杉乃井ホテル』の水風呂は、私の理想にぴったりで今でも忘れられません。とはいえ、実は水風呂は苦手で、手足の先、膝下、股関節、腰……、と心臓に遠いところから順にかけ水をしてからでないと入れないのですが、笑。得意ではない私が“これは!”と思えたら、そこは私にとってお気に入りのサウナになりますね。普段の生活の中で自分の鼓動を意識することってそうそうないと思うので、サウナ未経験の方にも、ぜひこの全身に血を巡らせる感覚を味わっていただきたいです」

サウナ

「錦糸町の『黄金湯』、渋谷の『改良湯』、西新井の『堀田湯』、大井町『すえひろ湯』といった銭湯にサウナ施設がある、”銭湯サウナ”がお気に入り」

サウナに欠かせないアイテム

サウナ

「サウナハット、折りたたみ式のサウナマット、タオルの3つはサウナに行く時のマストアイテム。タオルは汗を拭いたり、サウナの熱気で気道が熱くなったり髪や肌が乾燥しすぎるのを防ぐため、顔の下半身を覆うのに使っています。厚手のタオルだと呼吸が苦しくなるし重たいし、水気を絞りにくいので薄手のものがベスト!」

資生堂PR 小林智美さんのサ活

小林智美さん

資生堂 PR

小林智美さん

資生堂のさまざまなブランドのPRに携わる。日々、サウナについての情報収集も励んでいる。LINE→@shiseido

30歳過ぎに訪れた肌の不調が
サウナにハマるきっかけに

「サウナにハマったきっかけは30歳を過ぎて肌の調子が変わったこと。肌だけではなく身体の体質改善の必要性を感じ、初めてみることに。もう8年ほど通っています。肌もそうですが気分がすっきり! また、普段出会わないような方々との出会いも貴重な経験です」

肌への働きだけでなく
メンタル面への影響も実感



「感じている効果は、血行が改善されてめぐりが良くなることで、肌の透明感がアップ! 汚れが浮きやすくなるので、それをしっかり洗い落とせばニキビなどの吹き出物ができにくくなります。さらに、リフレッシュ効果も! サウナ後は疲れが取れてストレスフリーに。私の場合は、明日も楽しもう! と前向きな気持ちに」

サウナ

おすすめのサウナをいくつかあげるなら、まず『三越湯』。通い続けるためには行きやすいのが1番なので、家の近所の銭湯がやっぱりよいですね。電気風呂もあり、日常では味わえない刺激も楽しいです、笑」

サウナ

「西麻布の『サウナ・スパテルマー湯』は美容エディター藤井優美さんにオープンしたことを教えていただき、すぐ行きました。オリエンタルな空間が非日常! サウナではなくても、壁画? を見ながらお風呂にゆっくり入るのも楽しいです。小旅行気分で友達と行くのも◎」

サウナに欠かせないアイテム

サウナ

「サウナで得た効果をキープするためにもその後のスキンケアは大切。良くなった血行をその場だけにしないために、『SHISEIDO アルティミューン™ パワライジング コンセントレート IIIn』でしっかりケアします。My サウナマットは『UOMO』の付録を愛用中」

おじさん美容家・伊藤聡さんのサ活

伊藤聡さん

会社員兼ライター

伊藤聡さん

1971年福島県生まれ。会社員でありながら、映画や海外文学を主な題材にさまざまなメディアで執筆。40歳を過ぎてから美容に目覚め、近著に『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』(平凡社刊)がある。3日と開けずにサウナに通う、サウナ好き。雑誌『Pen』でスキンケアと美容をテーマにした『グルーミング研究所』を連載中。

ブームに乗ってはみたものの
最初はサウナのよさがわからなかった

「今でこそ週2回ペースで通っていますが、最初はサウナのよさがわからなくて。サウナ室は熱くて苦しいし、水風呂もツラいしキツいしで、全然気持ちよくない! だけどサウナ帰りに映画を見たら、いつもよりちょっとだけスッキリした気持ちで見られたんですよね。なので“次こそは!”と、ととのうことを期待してまた行くのですが、やっぱりダメで…。1年くらいはこの繰り返しだったのです」

“水風呂って気持ちいい”と感じた日から
一気にサウナ好きに!

「ところが! ある日YouTubeで赤坂に『サウナ東京』というスゴイ施設がオープンしたという情報を目にして行ってみたら…、これだ! 初めてととのう体験をしたんです。今までと何が違うのか考えてみたら、『サウナ東京』では今までツラかった水風呂が気持ちよく感じられた。今までのところは水風呂が1つしかなかったんですが、ここは温度の違う水風呂が3つもあって、自分の好きな温度が選べたんです。水風呂のよさがわかると、そこからはもう一気に開眼! 今まで通っていたサウナでもととのうようになり、関東近郊だけでなく兵庫や大阪、岐阜や愛知などのサウナにも足を運ぶようになって行動範囲が広がりました」

サウナ通いを始めて
体の解像度が上がった!

もうひとつ、サウナに通うようになってから自分の体の解像度が上がったのも大きな変化ですね。それまでは特に体が重いとか、疲れているなんて考えたこともなかったのですが、サウナ後の体が軽くなった状態を知ってしまうと、“今日は体がこわばっているな”と自分の体のちょっとした変化にも気づくようになり、より自分を愛せるようになったのは嬉しい驚きです」

サウナ

「サウナのよさに開眼した『サウナ東京』や、今まで遠征したサウナ施設『朝霞サウナ和(なごみ)』『神戸サウナ』『渋谷SAUNAS』『黄金湯』『毎日サウナ(八王子店)』です」

サウナ

「サウナハットにサウナ施設のキーホルダーをつけるのが、サウナーの間でちょっとしたブームに。最初は他の人のものと取り違えないように目印としてつけていたのですが、最近では老舗のサウナや地方のサウナのキーホルダーをつけて『ここに行ったことがあるんだぞ』というアピールアイテムに。左の、ピンクの“ヴィーナスの誕生”風のキーホルダーは女性専用サウナのルビーパレスのもの。男性の私がつけていると、二度見されます(笑)」

サウナに欠かせないアイテム

サウナ

「サウナに長いこと入っていると、熱気で耳が痛くなるのでサウナハットはマストです。フェルト生地のものだけでなく、最近ではメッシュ素材やウール素材など種類もデザインも豊富。私は面白いデザインが多く揃っているベストサウナハットのものを愛用しています」

サウナ

「各サウナ施設にもマットはあるのですが、サウナマットがあると“自分のスペース”感があるし、汗が床に落ちることも防げるので持参しています。これはサウナ検索サイト“サウナイキタイ”と3COINSのコラボ品。折りたたみ式なので、持ち運びにも便利です」

サウナに欠かせないアイテム

「サウナ後は肌が乾燥するので、スキンケアは欠かせません。最低でも化粧水と乳液はマスト。アメニティがないところもあるので、美容雑誌の付録やサンプルなど、小さなものをポーチに入れて持って行きます」

サウナに欠かせないアイテム

「何分サウナに入っているかを計るのに、Xiaomiのスマートウォッチを使っています。ストップウォッチ機能のほかに心拍数も測れるので、サウナーの所持率が高いアイテムです」


取材・文/関本陽子 企画・構成/有住美慧(MAQUIA)

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