話題の「よもぎ蒸し」の美容効果は？ 自宅でできるキット＆やり方も紹介

空気が冷え込み、体も肌もひんやり冷えが気になる季節。温活に取り組みたい人にぜひおすすめしたいのが、東洋に古くから伝わる健康法、“よもぎ蒸し”。タレントのMEGUMIさんやヘア＆メイクアップアーティストの小田切ヒロさんなど、美容感度の高い人の間では、体調不良の改善や、肌の透明感アップに役立つ、とブームになっているそう。そんな話題の健康法について、医師と漢方専門家が解説。市販されているキットを使って、自宅で手軽に実践できる方法も教えてもらいました！

よもぎ蒸しとは、よもぎを煮る蒸気を利用して体を温める健康法のこと。その起源は諸説あるが、特に韓国で昔から重宝され、日本にも広まったと樫出恒代さん。
「そもそもよもぎ自体、東洋医学では古くから生薬として役立てられていて、様々な効能を持っています。私はよく“5拍子そろった”と表現しますが、①飲めばからだも胃腸も温まって整い便通改善に、②つければ傷口の止血に、③香りを嗅げばリラックスや免疫アップ、ホルモンバランスの調整に、④お灸のもぐさとして燃やせば各種ツボの刺激に、⑤浸かれば体を温めて巡り改善に、とマルチに役立つ植物なんです。よもぎ蒸しは5つの用法のうち、⑤の「浸かる」を応用したもの。水分を含んだ湿熱を利用するので体に熱が吸収されやすく、蒸気に含まれるよもぎ成分を腟から取り入れられるので、冷えや巡り改善だけでなく、女性ならではの不調を和らげる効果も期待できます」

腟から体を温めることにはさらなるメリットがある、と髙山美郷先生。
「体を温めることには冷え改善や代謝アップなどのメリットがありますが、特に腟から骨盤部をダイレクトに温めることで、骨盤まわりの血流がアップ。月経痛や腰痛など慢性的な不調が改善したり、体温アップによる発汗などが見込まれます。よもぎ蒸しの場合、よもぎの香りも一緒に楽しめるので、アロマ効果でストレスが和らぐ効果もあると思います」

体にいいことずくめのよもぎ蒸しだけど、自宅で実践する場合は注意が必要。
「月経中は出血がひどくなる場合があるので避けましょう。のぼせる人もいるので、長時間は禁物。20～30分くらいでストップして。それからあまりに体が冷えている人は、いきなり腟から体の中を温めると体に負担がかかります。最初は背中などを温めて、それから体の中を温めるようにしましょう。いつものべったりした汗ではなくサラサラした汗が出るので、体にまとったよもぎ蒸しの成分は、シャワーで流すことなく、タオルで軽く拭くだけにしましょう」（樫出さん）
「低めの熱に長時間晒されることで起こる低温火傷や、熱すぎる蒸気による火傷に注意して。それから腟外陰部にかゆみやヒリつきなど異常がある場合は、ひどくなる恐れがあるのでやめておきましょう。月経中も、腟まわりを清潔に保ちたいのでNG。妊婦さんは、かかりつけの医師に相談してから行いましょう」（髙山先生）

サロンでゆったりもいいけれど、忙しくて通う時間がない！ そんな人にトライしてもらいたい、自宅用よもぎ蒸しキットやバスタイムを利用した簡易バージョンを紹介します。お部屋事情やライフスタイルに合わせて、取り入れてみて。

日本の電気用品安全法（PSE）検査に適合した製品。長野県産のよもぎを使用したパック、湯沸かし鍋が一体化した椅子、マントがセットになっている。よもぎ蒸しチェアー スターターキット ￥19800／有限会社ミヤココーポレーション

⒈ 蒸気が出てきたら全裸にマントを羽織り、椅子の手前側に座ってまず背中を温める。

⒉ 背中が温まったらあぐらをかいて椅子の中央に座り、腟にダイレクトに蒸気をあてて。

⒊ 体が十分温まったら、マントを頭からかぶってテント状態に。頭のてっぺんまで蒸気で温まろう。

⒋ よもぎ蒸し終了後は、汗をタオルでかるく拭いて。腟外陰部は、専用コスメで保湿を忘れずに。

樫出さんが教えてくれた、よもぎ蒸し簡易バージョン。これなら毎晩でも、よもぎのヒーリング力を感じられそう。

「よもぎを買ってきて洗濯ネットに入れたら、湯船に入れるだけ。腰湯にして頭の上からタオルをかぶれば、全身をよもぎの蒸気で蒸すことができます。あるいはよもぎを鍋で一回煮だして、煮汁ごと湯船に入れればより効果的。解毒作用のあるドクダミや桑の葉、肌荒れを防ぐという柿の葉も一緒に入れてもいいですね」（樫出さん）

イラスト／芝りさこ　取材・文／風間裕美子　構成／有住美慧（MAQUIA）

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