野呂佳代さんのビューティヒストリー。コンプレックスを経て辿り着いた「ハッピーマインドでいることが、キレイへの近道」

AKB48グループのメンバーとして活動し、卒業後は明るく率直なキャラクターが支持され、バラエティ番組などで引っ張りだこに。最近はドラマや映画にも活躍の場を広げ、高い演技力が評価されている野呂佳代さん。際立つ個性とタフなマインドで独自の道を切り拓いてきた彼女は、現在39歳。40代を前に「お仕事でも女性としても、ようやく一歩を踏み出せた気がしています」と語る野呂さんに、今までのビューティヒストリーや今後の目標を伺いました。

「高校生の頃からヘアメイクに関心があって、自分なりに調べたり試したりするのが大好きでした。20代でAKB48に加入した当初はアイドルらしく薄いメイクと黒髪にしていたのですが、私自身はビヨンセのような顔に憧れがあって。事務所から『自由にしていいよ』と言われた瞬間から、一気にギャルメイクに（笑）。ステージでの活動が中心だったこともあって、すべてが濃くて派手でしたね。ファンの方の評価を気にしたことは一切なく、とにかく自分が好きなものを表現したいっていう思いが強かったんです。アイドルという職業よりも自分らしい在り方を選ぶ人生もアリだとは思いますけど、今振り返ってみると、可愛らしくいられる若い時期に可愛らしくいた方がよかったのかな……と思うことも正直ありますね。

スキンケアに関しては、若い頃はほとんどやっていなかったですね。すごく美肌な私の母が“手をかけないことが一番肌にいい”という主義だったので、私も自分の免疫力に任せっぱなし。大抵のものはメイクで隠せるし、”めっちゃキレイかと言えばそうではないけど、まあ大丈夫っしょ”って。ズボラですよね（笑）。でも35歳を過ぎたあたりから、カバーしきれなくなってきたんですよ。日焼け肌が好きだから海でもガッツリ泳いでいたけれど、シミがどんどん目立つようになってきて。さらにマスク生活が続いたことで、毛穴も気になるように。それでようやくお手入れを強化し始めたけれど、後の祭り状態。最近は演技のお仕事をする機会が増えたのですが、肌トラブルがあると演技に集中できないんです。バラエティだと笑ったりして表情が豊かだから肌に目が行きにくいけれど、真剣な表情をしたりアップになったりするドラマは肌の状態がすごく重要なんですよね。レーザーを試してみたり、むくみを抑える漢方やニキビの薬をクリニックでもらったりと手を尽くしていますが、もっと早く始めれば良かったと後悔してます」

「今の私が“キレイ”のために心がけているのは、笑顔でいること。やっぱり、大事なのはメンタルだと思う。そう考えるようになったのは、常に人と競争をしなければいけない芸能界という世界でずっと負け続けてきたことが大きい気がします。私は昔からぽっちゃりした方だったんですが、体型も含めて外国人に憧れていたから、細いことがベストだとは思っていなかったんですよね。でも、AKB48に入った初日に“これじゃいけないんだ……！”と気づいて。体型についていろんな人から指摘されて、アイドルをすることの難しさを実感しました。その後も選抜メンバーには選ばれないし、握手会でも私の列には人が全然いない。そうやって挫折をいっぱい味わう中で、ポジティブにならないとこの世界ではやっていけないな……と思うように。もともと図太い性格でもあるので（笑）、“どうせ『アイドル』という型にはまれないなら、無理に寄せるより自分が楽しいと思える自分でいた方がいいや”と気持ちを切り替えることにしたんです。楽しく笑っていれば顔も下がってこないし、明るくしゃべっている人ってめちゃくちゃ元気でしょう？ そうやって自分らしくハッピーなマインドでいることが、キレイにつながるのかなって思っています」

「昔から、敏感肌。マスクをつけて１〜２日外出するだけで赤いプツプツが出るし、コスメや美容の施術も肌に合わないと跡が残っちゃう。なかなか治らない上にどんなに気をつけていてもちょっとしたことで痒みや湿疹がでちゃうから、毎回辛くて……。芸能界は肌が綺麗な人ばかりだし、自分の周りにはそういう悩みを抱えている人がまったくいなかったので、長い間すごくコンプレックスだったんです。でもYouTubeやSNSを見ていたら、同じような悩みを抱えている人がたくさんいることに気づいて。自分のコンプレックスを隠すことなく発信する姿から学ぶことも多いですし、“私も新しいコスメを試してみたり、カバーする方法を研究してみよう”とポジティブに受け止められるようになってきました。
そうやってコスメや施術をいろいろと試す中で、ドクタージャルトのシカペアクリームやオバジCのリファインローションのように自分の肌に合うものが徐々に見つかるように。中でも最近気に入っているのが、いつも通っているサロンで受けた“ハイウェーブ”という施術。顔の内側を引き締めるハイフと違い、外側のたるみにアプローチしてくれる機械なんです。実際に受けてみたら肌が弱い私でもトラブルが起きなかったし、照射の痛みも気にならない。何より、下がっていた口角がキュッと上がるようになったことがすごく嬉しくて。頻繁にやると顔が小さくなりすぎてベイマックスみたいになると言われたので（笑）、ペースを守りながら継続してみるつもりです」

「年齢と共に派手なメイクをすると老けて見えるようになってきて、最近はだいぶメイクが薄くなりました。でも今でもギャルメイクは大好きだし、本当はまだやりたい（笑）。なので、今はどうしたら濃くならずに自然な陰影のあるホリ深顔に見えるのかを研究している最中なんです。目元を強調したいという願望が常にあるから、マスカラは昔と変わらずたっぷり塗る習慣があって。さらにアイシャドウや眉毛までしっかり塗るとトゥーマッチになっちゃうので、少しずつ引き算をしながら地味にアップデートしているつもり。でも、たまに“あれ？ 今日の顔、古くさいな”って時があるんですよ。この間もうっかり日焼けしちゃったせいでやけにホリが深く見えて、“これ、2008年くらいの顔になってない!?”ってなりました（笑）。

好きなメイクのテイストは昔からずっと変わらないけれど、実はトレンドものにも一応のっかるタイプ。赤のアイシャドウが流行ると聞けば買うし、雑誌やYouTubeのメイク動画もまめにチェックしています。今年すごく流行った“白湯メイク”もめっちゃ可愛いなと思って挑戦してみたら、薄いのにホリが深く見えるし、今っぽい雰囲気になって見事にどハマり！ 私の顔立ちにも合っているので、最近は“白湯メイク”ばかりしています」

「10月で40歳になりますが、可愛らしくて面白くて色っぽい女性になることが今後の目標。若い頃からずっと掲げている目標ではあるのですが、40代に入ることでいよいよリアルなテーマになってくる気がして。お仕事でご一緒した安達祐実さんや米倉涼子さん、矢田亜希子さんのように強く美しい先輩方が周りにたくさんいるので、ビューティも生き方もたくさん学んでいきたいなと思っています。そういった素敵な女性たちからこれまでに頂いた教えの中で一番印象的だったのが、“自分を守れるのは自分しかいないから、何があっても自分を大切にしなきゃダメ”だということ。人の意見に引っ張られずに自分が納得できる選択をすることが大事だという考えは、みなさんが共通して持っている感じがします。あとは、やっぱり私の周りにいる大人の女性の方々ってすごく余裕があるんですよね。子育てをされていたり、仕事がすごく忙しかったり。それぞれいろいろ抱えているものがあっても、笑顔を絶やさずにいられるところが本当に素晴らしいなって。
個人的にはそうやってたくさんの人生経験を重ねることが、人間としての色気にも繋がっていくのかなって思うんです。最近は男性も女性も、30代後半や40代に入ってから活躍する方が増えているじゃないですか。何があっても頑張って続けてきた人たちが一気に開花して、本当に年齢が関係なくなってきたなって感じます。私自身も、若い頃にいろんな挫折を経験してきたから今の自分があるのかなって。もともとがすごい調子乗りなタイプだから、肌や体型のコンプレックスがなかったらきっとめちゃめちゃ性格が悪かったと思うんですよね（笑）。もちろん、今だって“あと５キロは痩せなきゃ”とか課題はたくさんあるけれど、いろんな思いをしたことで人の気持ちがわかるように。お仕事の面でも女性としても、今ようやく一歩を踏み出せたっていう感じがしています」

撮影／吉田 崇 　ヘア＆メイク／KUBOKI〈Three PEACE〉　スタイリスト／福永いずみ　取材・文／真島絵麻里　構成／中村千夏（MAQUIA ONLINE）

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