「MAQUIA」5月号では、美容界をリードする賢人たちにポジティブな美容のあり方をインタビュー。メイクアップアーティスト・吉川康雄さんが、“今の自分を愛おしむ”ためのアプローチを語ってくれました。

吉川康雄さんと考える、これからのポジティブな美容のあり方とは?_1

見て、感じる、美容格言

“美容でポジティブ”ってこういうこと!

自分自身を大切に慈しむこと。美を粧(よそお)い、小さな変化を楽しむこと。美容とは、そんな喜びあふれるものであってほしい、とマキアは考えます。そこで本企画では、ビューティ界を牽引する7名のプロフェッショナルが考える、ポジティブな美容のあり方をクローズアップ。それぞれの揺るぎない信念や美に対する価値観がにじむ真摯なメッセージに触れれば、美容でハッピーになるヒントが見つかるはず!

美容界をリードする賢人と考えてみました

吉川康雄
(メイクアップアーティスト)
×
ありのままを愛する
独自の視点で美の本質を追求する吉川さんが考える美容の使命、それが“今の自分を愛おしむ”ということ。一人一人が人生を通して追い続けていくこの課題に対するアプローチを語ってくれました。


化していく自分を
受け止めて愛してあげられる
ようにするのが美容の役割
「美容は自分に対する姿勢を見直す行為であるのと同時に、支えになってくれるものでもあるんです。自分の姿形を受け入れて、30代、40代……と年齢と共に変わりゆく魅力を見つけてアレンジしていく。一人一人が美容の力を借りてクリエイターとなることで、楽しみながら変化を肯定し、人生を愛することができるようになるんじゃないかな」

とは向上しなくても
本当はいいんじゃないかな?
自分を可愛がってあげることが一番大切
「僕らは今まで“向上心”という言葉で自らを刺激して、どこにも存在しない生物を目指していた気がするんです。でも、人って本当は向上しなくてもいいんじゃないかな? 自分の良さを見つけ出して大切にしてあげることが、僕らに与えられた絶対的な使命であり、それこそが結果的に最高の自分に近づく方法なのかもしれません」

までの美容って
実はポジティブなものじゃ
なかったのかもしれない
「改めて考えると、今までの美容は無条件に人を勇気づけるものではなかった。一方的に価値観を押し付ける攻撃的な面があったんじゃないかな。例えば“毛穴は敵だ”って誰かが言った瞬間に、みんな毛穴を覆い隠して人間の肌から離れてしまう。それってすごく乱暴だし、人間を否定していますよね。もっと丁寧に、人間の肌の美しさってどういうことなのかっていうところから深掘りした方がいい。そうやって一つ一つ定義し直していくことが、これからの美容に求められることだと思うんです」

1モイスチャーリップスティック グロウ 01、2同 ステイン 01 各¥3960/UNMIX(4/1発売)

「僕が手がける『UNMIX』は、素の美しさを限りなく生かしながら“最高潮の自分”を演出するブランド。まずはツヤを抑えたステインとツヤのあるグロウ、質感の異なる赤リップから始まり、毎月新しい色を提案していく予定です」(吉川さん) 1 モイスチャーリップスティック グロウ 01、2 同 ステイン 01 各¥3960/UNMIX(4/1発売)

分に対して
申し訳ない気持ちは
エネルギーを下げちゃうよ
「僕は、生命力こそが人の魅力を作ると思っているんです。生命力は自己肯定感から生まれるので、誰かのようになろうとした瞬間に自分に対する申し訳なさでエネルギーが下がっちゃう。そういった気持ちはメイクやスキンケアなどすべてに表れるから、持って生まれた自分のことを否定せずに常に味方でいてあげたいですよね」

しさに
順番はつけられない
「美の理想に100%当てはまる人なんて、誰一人いないんです。そもそもみんな美しさのあり方が違うだけで、そこに順番はつけられない。といっても、これまで何十年も古い固定観念を植え付けられていたから、すぐにはそう思えないよね。でもそれってただの理想論ではなく、本当のこと。今はまだ価値観の過渡期で、ブレる部分もたしかにある。だからこそ、一人一人の魅力があるってことを何度も何度も繰り返し提案し続けていく必要があるんです」

MAQUIA 5月号
撮影/柴田フミコ 細谷悠美(物) ヘア&メイク/中野明海 スタイリスト/小川夢乃 モデル/武 イリヤ 取材・文/真島絵麻里 構成/火箱奈央(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

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