イライラや怒り、嫉妬など、なかなかコントロールできない心の悩みに、様々な専門家からアドバイスを頂きました。その発想はなかった! というような、思いがけない解決策が見つかるかも。

心 ヒント 専門家 感情 ネガティブ イライラ 怒り 嫉妬

日々、モヤモヤはあるけれど…

心を穏やかに保つヒント100Book

[第6章]
ネガティブな感情
飼いならし方
読者から寄せられたお悩みに、専門家からのアドバイス。思いがけない視点からの解決策に、視界が開けるはず!

福永伴子先生

精神科医

福永伴子先生

ともクリニック浜松町院長。著書は『お医者さんと一緒に解決 わたしのココロにしてあげたいこと。』(朝日新聞出版)など。

高尾美穂先生

産婦人科医

高尾美穂先生

イーク表参道副院長。わかりやすい解説で大人気。著書は『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)など。

加藤俊徳先生

脳内科医

加藤俊徳先生

「脳の学校」代表・加藤プラチナクリニック院長。脳画像の研究の第一人者。脳番地トレーニングメソッドを開発・普及。

大愚和尚

佛心宗大叢山 福厳寺住職

大愚和尚

慈光マネジメント代表。慈光グループ会長。YouTubeでのお悩み相談番組『大愚和尚の一問一答』は登録者数43.3万人にも上る。

中川 愛さん

Blossom the Project代表

中川 愛さん

メンタルヘルスや社会課題をパーソナルな視点から発信するソーシャルメディアを運営。現在、アメリカの大学で政治学を学ぶ22歳。

アン ミカさん

モデル・タレント

アン ミカさん

PROFILE
あん みか●モデルとして活動しながら、テレビ、ラジオ、映画、エッセイ執筆や女性や学生向けに講演会を開くなど、多方面で才能を発揮。アロマアドバイザーの資格を持つなど、美容やヘルスへの造詣も深い。

イライラ・怒り


Q いつも怒っている自分に
自己嫌悪。どうしたら抜け出せる?


54 怒ったらまず6秒我慢するなど、
アンガーマネジメントを
「怒りを反射的に爆発させると人を傷つけ、後で自己嫌悪に陥ることになるだけ。怒りを感じてから理性が働いて冷静になるまでには6秒のタイムラグがあるので、怒りを感じたらまずは6秒間我慢を」(福永伴子先生)

55 自分が望む状態を得られないから
怒っているんだと、まずは認識を
「人が自分を怒らせていると思いがちですが、実は自分が望む状態を得られていないから怒るわけで、赤ちゃんが泣いているのと同じなんです。怒りを感じたとき、そう認識するだけでも自然に落ち着きます」(大愚和尚)


Q 一度イライラするとずーっと引きずって、
物に八つ当たりして
機嫌が悪いままでいてしまいます……


56 結局、面倒なことになると認識
して、自分で自分の機嫌をとって
「イライラを引きずると必ず面倒なことになるので、それを認識して自分で自分の機嫌をとりましょう。“気を取り直していこう!”と口にしたり、イライラを感じたその場をとりあえず離れるのもおすすめです」(高尾美穂先生)


Q 人からのアドバイスにイラつく。
素直に受けとめるには?


57 人は誰でも自分の知らないことを
知っていると思って聞くほうが、世界が広がります
「人からのアドバイスにイラつくのは、その人を自分より格下だと思うからです。人は誰でも自分の知らないことを知っていると思って、ありがたいと思いながら聞く。そうすると、人がいろいろな情報を教えてくれるようになり、あなたの世界がもっと広がりますよ」(大愚和尚)

58 受け取ったほうがいいアドバイス以外は
相槌を打ってやり過ごして
「人からのアドバイスには、受け取ったほうがいいものと、受け取らなくてもいいものがあり、なんでも受け取るとストレスになることが。自分で見極めて、受け取らなくてもいいアドバイスには相槌を打ってやり過ごしましょう」(高尾美穂先生)


Q 「えー? 知らないのー?」と、
マウントをとってくる先輩方。
自分ではマウントとってる意識がなく、
直る気配もなし。どう対応したらいい?


59 同じ土俵に上がらず、
相手を「わ~すごい!」と褒めましょう
「マウントをとられたと思って腹が立つ時点で、その人と自分が同じレベルということ。そういうときは同じ土俵に上がらず、“わ〜すごい”と相手を褒めて聞いていれば、その人も気持ちよくなって、自分もマウントをとられた感覚にならないのでおすすめです」(大愚和尚)



60 そういう人は他責評価タイプ。
説得は無理なので、潔く距離を置いて
「他人軸で本当の自分自身がわかっていないため、ある意味かわいそうな人。何にでもマウントをとってしまう人を説得するのは難しいので距離を置いて」(加藤俊徳先生)


Q 仕事のメールの書き方が
イチイチ嫌味な人が。顔を合わせると
そんなことはないのに……


61 それは書き手自身の問題かも、
と思える余裕を
「相手が自分と同じようにすべて理解できる、というのはおごりだし、脳から見てもいびつな考え。ぶっきらぼうな文章は脳が疲れているサインかも」(加藤俊徳先生)

62 相手を責めず、何が傷つくのか
1つ1つ感情と向き合ってみる
「対面で問題がないのであれば、自分が悪いと思ったり、相手を責めたりせずにスルーを。ただ、どうしてそう感じるのか、自分の感情と向き合うのはいいかも。それでも気になるなら相手に確認をしてみて」(中川 愛さん)


Q 何かと愚痴ばかり言ってくる友人。
こちらの都合なんてお構いなしで、ついイライラ


63 自分がそのシチュエーションを作っている
可能性もあると心得て
「感情系脳番地が弱い人は自分自身の気持ちがわからず、相手に自分の考えや状況をうまく伝えられません。いつなら話を聞けるかを、相手に伝える努力を」(加藤俊徳先生)



Q インスタの捨てアカから
わざわざ嫌がらせコメントを
送ってくる人って何なんでしょう!?


64 相手もよくないことをしているという
自覚があるはず。スルーするのが一番
「私にも同じ経験があります。捨てアカなのは、自分の行動がよくないことだと思っているし、こちらに相手をしてもらいたいから。スルーするのが一番です。ただ、傷つくのは当然なので信頼できる人に話して」(中川 愛さん)


嫉妬


Q 彼のすべてを把握したいけど、
重たがられてフラれる。
どうしたらいい距離感が取れる?


65 自分の好きなことに費やす時間を増やすと、
魅力が増して彼とも長続きしやすく
「こういう人は、自分が楽しいと感じることや、好きなことに費やす時間を増やすのがおすすめ。そうすることで彼のことだけに意識が向きすぎることがなくなりますし、あなた自身の魅力が増すことで、彼のほうから寄ってくるようになり、関係が長続きするようになると思います」(大愚和尚)

66 想像力が欠乏気味。
想像力を育む脳トレを
「想像力に欠けているのが原因。理解系脳番地が弱いため、未来予測が苦手で、相手の行動が見えないと不安に陥るのです。想像力を養うには、絵を描いたり、写真を撮ったり、右脳を刺激する行動を」(加藤俊徳先生)


Q 仕事で新しいことが覚えられなくて、
若い人の能力に嫉妬してしまいます


67 若い人の得意分野は若い人に任せて、
自分は年上だからこその能力を活かしましょう
「嫉妬は気持ちの消化が面倒なので、人と比べないほうがラク。得意分野は人それぞれなので、若い人の得意分野は若い人に任せて、上手くその人にやってもらえばいいと思います。あなたには年齢が上だからこその能力があるはずなので、それを活かすことを考えてみましょう」(高尾美穂先生)



Q 職場でみんなが同じことをしても、
いつも褒められるのは
上司のお気に入りの子ばかりで嫉妬してしまいます


68 他の人がやりたがらないことを
コツコツと続けると必ず評価されます
「人間は誰にでも好みがあるので、同じ仕事や作業をしても、その上司のお気に入りの人ばかり評価されてしまうという状況はなかなか変えにくいもの。むしろ他の人がやりたがらないようなことをコツコツと続ければ、好き嫌いで判断することなく、必ず評価されると思いますよ」(大愚和尚)



Q 自分が心にためておいたことも、
素直に口に出して伝えている人がいると
嫉妬しちゃいます


69 口に出さなくても察してもらえるというのは
「甘え」です。口に出す人の真似をしましょう
「自分の気持ちを口に出せないというのは、口に出さなくても察してもらいたいという甘えです。これは日本人にありがちな考え方。口に出せないことに納得していないなら、まず口に出している人の真似をしましょう」(大愚和尚)



Q 同世代の人の若々しい姿やシワの少ない人を見ると、
つい嫉妬してしまいます。
私も頑張ろう!とその時は思っても、
鏡を見るとガッカリした気持ちになりへこんでしまいます


70 見た目には人間性も現れるから、
人としてベーシックな部分の見直しを
「今の時代、美容医療などで見た目はいくらでも変えられるから、悩んでいるなら試してみては。また、その人が幸せそう、楽しそうといった、“自分にない部分”に嫉妬しているという場合も。まずは周りの人を大切にするなど、基本的な部分を見直して人間性を磨きましょう」(高尾美穂先生)

71 同じシワなら縦のシワより、
笑顔の横シワを増やそう
「見た目や若さなど、自分の力ではどうにもならないことに嫉妬するだけ損。シワも個性です。同じシワならネガティブな縦シワより笑顔の横シワを刻んでいく人生に変えましょう!」(アン ミカさん)



Q 自分よりいいものを持っている人を
つい攻撃したくなる


72 自覚できているのならまだ大丈夫。
問題は無自覚で行っている人
「“他者を攻撃したくなる”というのは人格障害の傾向があり、自己認知力が弱いことが原因に考えられます。相談者さんは自分自身でその状態に気付けているので、まだ大丈夫です。問題はこの自覚がない人。この手の人は嘘をつきやすいのも特徴。身近にいる場合は、適切な距離を取って」(加藤俊徳先生)

73 言葉は愛にも刃にもなる。
攻撃を誉め言葉にして口にして
「人と比べていると、自分自身をすり減らしてしまいますよね。うらやましい時ほど、“いいね”と思う気持ちを、口に出して相手のことを認めてみましょう。“素敵”“教えて”と素直に言ってみると、相手も教えてくれて、自分もどんどん素敵になっていきますよ」(アン ミカさん)



Q いつも一緒にいた親友が、
別の人と仲良くなって、前よりも
頻繁に話すのを遠慮してしまいます


74 ナチュラルな感情だけど、
相手に打ち明けないと通じません
「相手のことが大切で、好きだから生まれる感情。友達は自分のものと思いがちですが、自分とは違う人間ですから。他の友達と仲良くしているからといって、自分の価値が下がるわけではありません。それでも気になるのなら、友達なのだから、素直に“寂しい”と伝えてみては」(中川 愛さん)


MAQUIA 6月号
撮影/岩谷優一〈vale.〉(アンミカさん分) ヘア&メイク/古本和重〈&’s management〉 スタイリスト/金城祐美 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 和田美穂 構成/火箱奈央(MAQUIA)

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MAQUIA2024年4月22日発売号

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