もう1ヶ月以上前のお話ですが…、

今年2015年は、ずっとずっとお会いしてみたかった方の講演会に参加させていただく機会がありました。それも、とってもありがたいことに、偶然に。


最初にその方の存在を知ったのは、テレビ番組の特集でした。

老人ホームで入居者の方々にメイクをし女性たちを笑顔にしていく姿が印象的で、釘付けになりました。

「お年寄りをこんなに笑顔に出来る手段がある」「女性は何歳になっても化粧でQOL(Quality of Life=生活の質)が上がる」と、考えてみれば自然なことなのに、看護学生だった自分にとって、新鮮な衝撃だったことを覚えています。


そのときから、わたしの『人生で一度はいつかお会いしてみたい人』リストに加わったのが、「かづき れいこ」さん。

ご自身が心疾患のために冬になると顔が真っ赤になる、ということに悩んできた経験から、メイクに興味を持たれたそうです。

あたたかい季節は外見に変化がないために元気で明るい性格なのに、冬になると血流の影響で顔が真っ赤になる、それが嫌で気持ちまで落ち込み、性格まで変わってしまう…そんな体験をされていたそう。ご自身の経験を活かして誕生したメイクだったとは、驚きでした。


自分自身、小さい話ですが、朝一番で前髪が言うこときかないだけでもイラッとするのに、冬の間中自分の顔のことが気になってしまうなんて…

たかが顔、では済まされないですよね。冬のない国に行きたくなってしまうかも。。



そこからかづき先生が考案されたのが、『リハビリメイク』

痣や熱傷の痕など、メイクによって気になるポイントをカバーするのはもちろん、隠すだけでなく、そうした悩みや顔(傷)そのものまでも受容して社会復帰のサポートとなるような、心のケアの目的を兼ね備えている、まさに『リハビリ』的なメイクのことを言います。

「(1)隠すことに主眼を置かず、

 (2)メイクアップを通して最終的に患者さんが自分の外観を受容し、

 (3)社会に復帰すること、またQOL(Quality of Life)を高めることを目標としています。」

と表現されています。(REIKO KAZKI 公式HPより)


講演会では、実際に患者さんたちのお写真を拝見しました。

患部のきれいな仕上がりはもとより、皆さん、メイク前後での表情が全く違うんです。本当に印象的でした。

明るくてその人らしさに溢れた表情は、『きれい』以外の何物でもありません。

かづき先生の問いかけられた、「本当の美しさとは何か」という言葉が突き刺さりました。



メイクひとつで、「なんか今日頑張れそう!」みたいな気分になることって、きっと経験があると思います。

それは、顔に悩みがあってもなくても同じで、むしろ誰しも多かれ少なかれ悩みを抱えているに違いなくて。

これは傷や痣だけでなく、加齢による変化もやっぱり悩みの種になったりします。

「昔はこうじゃなかったのに…」なんて思って自分の顔と向き合うのは本当にしんどいことだと思います。


でも、それを嘆いて目をそらすことは何の解決にもならなくなっちゃいますよね。

メイクって、表面を飾ることだけが目的じゃなくて、そこから心と行動が変わること、これが大切なんだと思いました。

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講演会では、実際にかづき先生がメイクの実演をしてくださいました。

モデルになった女性に、いわゆる「半顔メイク」をしてみせてくださったんですが、不思議とメイク後のキレイになった半分の方に視線が行ってしまうんです。

そしてやっぱり、メイク後自然とニコニコしてほころんでいる、その表情が印象に残りました。(今でも残っています。)


普段当たり前のように、毎朝、(惰性で?)やってしまっている日々のメイク。

いつもどおり当たり前にメイクが出来ることって、実はとってもありがたいことなのかもしれません。

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(↑ かづき先生の名刺をいただいて喜んでいる図。)



様々な事情で、自分の顔に自信が持てなくなっている方がいらっしゃると思います。

そんな人たちに、少しでも「リハビリメイク」の存在を知っていただきたいですし、女性だけでなく男性にも正しい情報と知識が広まってほしいなと心から願った経験となりました。



2015年はこれまで以上に美容に関するたくさんの経験をさせていただき、いろんなことに出会えた一年でした。

来年はどんな年になるかなぁ。

では、皆様、少し早いですが、良いお年をお迎えください☆



※この記事の掲載にあたっては、かづき先生のご許可をいただいています。


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