いつだってふんわりと穏やかな空気を纏っている一方、仕事に対しては誰よりも粘り強くて、ひたむきで。そんな彼女が一つひとつの経験を重ねる中で迷いながら手に入れた、のびやかで凜とした生き方について。

綾瀬はるか インタビュー

真摯に、ていねいに、生きるひと。
綾瀬はるか「しあわせな時の重ね方」

お話をうかがったのは
綾瀬はるか

俳優

綾瀬はるか

1985年3月24日生まれ、広島県出身。2000年に芸能界デビュー。たしかな演技力で俳優として活躍し、NHK大河ドラマ『八重の桜』をはじめ数々のドラマや映画に出演。大人気シリーズの最終作『義母と娘のブルースFINAL 2024年謹賀新年スペシャル』が’24年1月2日21時〜TBS系で放送予定。

家族や愛する人のこと

綾瀬はるかさんが語る、家族や愛する人のこと。「気持ちを素直に伝えるのってすごく大切」_2

大人になった今は、素直に「大好き!」と言うように。
以前は少しシャイなところがあって、家族や周りの人に対してありがたいなと思っても、そのままの想いを口にすることにちょっと照れくささを感じる部分があった。でも大人になるにつれ徐々に素直になってきて、今の方が「ありがとう」とか「大好き!」って素直に口にしているかも。昔から母親に対しては恋愛相談でもなんでもオープンに話す方だったので、そこの関係性はあまり変わっていないんですけどね(笑)。ただ、出会ってきた人たちの影響なのか、愛情表現の仕方は少しずつ変わってきた気がします。今改めて感じるのは、気持ちを素直に伝えるのってすごく大切だということ。いまだに恥ずかしくなる時もあるけれど、相手に対して思ったことはできるだけストレートに口に出せたらいいなと思いますね。

綾瀬はるかさんが語る、家族や愛する人のこと。「気持ちを素直に伝えるのってすごく大切」_3

無条件で自分を愛してくれる存在が、パワーの源に。
誰かとずっと一緒にいるのは疲れるっていう人もいるけれど、私はまったく苦じゃないんです。友達との旅行も同部屋でいいし、夜中までずっとしゃべっていられる。彼氏の悪口を永遠に聞かされたらしんどいけど(笑)、基本的に聞くのも話すのも好きですね。子供の頃も兄はゲームをするためにすぐに自分の部屋に戻っていたけれど、私は居間にずっと居座っていたタイプ。寝るギリギリまで家族としゃべっていたので、誰かと一緒に過ごすのが当たり前になっているんだと思います。もちろん、一人でもお菓子を食べたりしてのびのび楽しく過ごせるけれど、家族や友達のように心を許せる存在が近くにいてくれるのってすごくホッとするんですよ。無条件で自分を応援して愛してくれる人がいるっていうだけでパワーが湧いてくるし、いろんなことに頑張れる気がします。

綾瀬はるかさんが語る、家族や愛する人のこと。「気持ちを素直に伝えるのってすごく大切」_4

今あるものに目を向けたら、十分幸せなことに気づきました。
人に限らず家具や食器にも言えることですが、自分の周りにあるものは愛情を持って大事にしたいなって思っています。たまに携帯をポンッと放って、怒られたりもするけど(笑)。ただ、愛情って自分が満たされていないと人に与えられないと思うんです。私自身も自分に自信が持てず、“私の取り柄って何?”と思ってしまった時期があって。愛されて育った若い頃はただ幸せで、“周りのみんなを笑顔にしたい”っていう気持ちでいたのに、その時期はそう思えなかった。でも、そうやって落ち込んでいた時にふと“でも、自分には大事な人も仕事もある。それで十分幸せじゃん”って気づいた。人と比べて、“同い年なのに私は社会的なことができないし、こういう演技もできない……”と落ち込むことをやめて、“まあいっか、自分らしくいこう”と考えるようにしたら、すごく気持ちがラクになりました。あとはやっぱり、母親に助けられた部分も。自信をなくしている時に「何言っとんさ、すごいじゃん」みたいな言葉をかけてもらうと、「やっぱり? そうだよね!」と即回復(笑)。何気ない言葉だけれど、本当にありがたいですね。

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