常にこの国のエンタメシーンを牽引し、変わりゆく時代の中で、変わらない美学を守って進化し続けてきた木村 拓哉さん。今もなお第一線で輝き続けるために、大切にしていることとは? 周りの人への愛情に溢れた木村 拓哉さんの名言や、『MAQUIA 6月号』の撮影裏話も必見です。

木村拓也さん マキア6月号 インタビュー 撮影裏話

木村 拓哉さんインタビュー

人を愛し、時代に愛される男
木村 拓哉 しなやかに進化する美学

TAKUYA KIMURA

木村 拓哉さん

きむら たくや●1972年11月13日生まれ、東京都出身。歌手、俳優として常に最前線で活躍。特に俳優業では主演するドラマがどれも高視聴率を記録。今作で月9ドラマ主演が11回目、月9ドラマ主演回数歴代1位となる。

木村拓也さんインタビュー マキア

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現場では人をずっと見ている

撮影中、カメラマンはもちろん、周囲に飛び交う声も注意深く聞き取って、表情やポーズを自在に変化させていく。そのしなやかな表現力は、人や物事や状況への鋭敏な観察力あってこそ。
「仕事の現場に入ると人をずっと見ています。人が好きだし、誰が何をしてくれているのかを見ているのが好きだから。撮影中のドラマ『風間公親―教場0―』もそうだけど、撮影現場って、各持ち場でプロフェッショナルな職人の方々が集まっているから、観察するのが楽しいの。その人の素晴らしい技術や情熱に感化されて、こっちもさらにエンジンがかかるんですよね」
彼にとって人を観察することは、親愛の情の表れでもある。
「たとえば、ドラマの技術スタッフさんを見ていて、明らかに日焼けの度合いが普通じゃない人がいたら、『入ってます?』って声かけます。サーフィンする人なら、それだけでわかる合言葉というか。『海、入ってるよ』って返されると嬉しくなる(笑)」

人生は乾く時期も必要なんだよね

本誌にて「亀カメラ」を連載中の亀梨和也さんにとって、木村さんは、最も敬愛する先輩の1人。そのことを伝えると「迷惑かけてない?(笑)」とまるで兄のような口調に。亀梨さんは、昨年、一緒にゴルフに行った際に木村さんからもらった言葉が忘れられないと語っていたけれど……。
「“乾くって大事だよ”って言葉のこと?  あの日は、和也が作品の撮影が延期になったことで、色々考え込んでいたみたいだったから、もったいないなと。せっかくの休みの時期は、仕事のことなんて微塵も考えなくていい。全力で遊べよって意味でそう伝えたの。遊ぶ時はちゃんと遊んで、乾き切ったほうが、仕事への新たな欲望が生まれてくるから。仕事も遊びも、半乾きが一番良くないと思う。惰性で時間を過ごしちゃうとリスタートかける時、良いパワーが出てこないから。何をする時も、思い切り、“今、その時”を生きられたらいいよね」

苗字より名前で呼びたい

映画もドラマもチームでもの作りをしているという意識が強い。木村さんは、大勢のスタッフ全員の名前を覚えてしまう人だ。
「無理に覚えようと思ってない。ただ、現場にいると、スタッフがお互いを呼び合っているのを目撃するから、自分も同じように呼んでみようかなって(笑)」
さらに、老若男女、仕事仲間であろうとも、「苗字ではなく、名前で呼びたがり」なのだと。
「でも世の中的に、名前呼びは推奨されてないんでしょ? 何でだろう。個人的な感情は出さず、冷静に割り切ったお付き合いをしましょうという意味なのかな(笑)。自分は、仕事の人は仕事の人って割り切らない。その人自身に接したいから、ファミリーネームより、ファーストネームで呼びたくなるんだと思う」

後輩には、言葉よりも行動で伝えること

撮影現場ではもちろん、事務所でも多くの後輩に慕われている木村さん。4月から放送中のドラマ『風間公親―教場0―』で演じる、新米刑事の指導官・風間公親のように、アドバイスを求められることも増えた。撮影の合間には後輩俳優たちに声をかけられることも多々。
「呼び出しくらって雑談してるだけだけどね(笑)。アドバイスなんかも基本は、あまり言葉で伝えるタイプじゃないです。特に仕事なんて、本人が現場で感じて学ぶことだと思うから。必要な時は、こっちの行動を見てもらえたらいい。
ただ、現場は常に多くの人が携わっているし、時間に追われてもいるから伝えなきゃならないこともある。言葉を使った方が早い時は使うよ。現場の空気を変えたくないから、風間みたいに厳しくは言わないけどね(笑)」

笑うこと、歩くこと、人に触れることからもらうものが一番大きい

2020年5月から、インスタグラムをスタートした木村さん。そこには仕事現場での様子のほか、愛犬との散歩の様子や今日の空、心に触れた風景など、何気ない日常がたくさん綴られている。
「犬の散歩は日課なんだけど、同じ場所を歩いているといろんなことに気づくんですよ。夕方5時過ぎなのに、今日はまだ明るい。数日前より陽が長くなったんだな……とかね。そういう気づきが何だか嬉しいんです」
当たり前の日常こそがいちばん大切だと木村さんはいう。確かにコロナ禍を経て、そのことを実感した人もきっと多い。
「散歩とか美味しいご飯とか日々のルーティンもそうだけど、日常で心が動くって幸せなことだよなぁと。仕事現場に行って、一緒に語り合ってもの作りしたり、みんなで笑い合ったりね」
実は意外と笑い上戸な木村さん。インタビュー中も時折、ジョークやツッコミを挟み楽しそうに笑う姿が印象的だった。
「基本、どうでもいいことで笑っていたい! 今、ドラマ『風間公親―教場0―』で演じている風間はだいたい怖い顔している、感情を一切表さない男だから。その反動もあって、普段は笑いたくなるのかも。休憩中とか、監督やスタッフとしょっちゅうふざけちゃうんだよねぇ(笑)」

何を食べるか、どの意見や情報を摂取するかは自分次第じゃない?

揺るぎない自分と人生を築いているように見える木村さんも、かつては深い葛藤を抱き、変化の波に飲まれそうになったことも。
「今も揺らがない自分になれたのかはわからないけど、いちいち凹んでも仕方ないじゃんとは思う(笑)。この仕事は、自分の調子だけでなく、いろんな意見や情報を読んだり聞いたり、外側からの要素でアップダウンすることも多々あるから。ただ、自分を落ち込ませるものには、触れないという選択をすればいい。気にも留めないこと。体に悪い食べ物と一緒だよ。この世に存在はしているし、どんな味かもだいたい知っている。ただ、食べなきゃいいだけ。結局、何事も何を選ぶかは自分次第なんだよね」

どんなことがあっても、波乗りすると心が浄化される

木村さんにとってサーフィンは最愛のライフワーク。20代の頃から芸能活動のみならず、ファッションや私生活の一挙手一投足まで、常に熱烈な注目を浴びてきた。そんな周囲の喧騒に、時折疲れることがあっても「海に行って波に包まれたら、それだけでもうリセットできるんだ」と、かつての木村さんは語っていた。
「それは、今も変わらないなぁ。波は頭も心も洗ってくれる。海はずっと変わらずにそこにあるし、海にいる人たちもそう。仕事とは関係ないところで出会って、変わらずに付き合える人がいるっていうのは、自分の人生にすごく大きなことだなと思っている。だから、海に還りたくなるし、これからも還ると思う」

攻めの姿勢は何歳になっても必要だと思う。大切なのは、攻めのカードを使うタイミング。
今は自分のためではなく誰かのために使いたい

年齢や経験を重ねても変わらない思いや美学を持ち続けてきた。けれど、一方では、自身が変化したと感じる部分もあるという。
「警戒心が強かった20代の頃に比べたら、攻撃性は薄れたかなと。以前は、切り札のカードを首からぶら下げて、Tシャツの首元からチラチラ覗かせていたというか。狡いやつや納得のいかないことがあれば、『すぐに出すぞ!』っていう姿勢でいた(笑)。今は違う。そのカードを失ったわけじゃないけれど、もっと奥に隠し持っている感じかなと」
これからもそんな心のカードとともに、攻めの姿勢は失いたくないと木村さん。
「攻めの姿勢は、何歳になっても必要だと思う。ただ、大切なのは、その攻めのカードを使うタイミングだよね。昔は、それを自分を守るために使っていたけど、今はもう自分のためには必要ない。作品だったり、家族だったり、仲間だったり。自分の大切なものが攻撃された時は、すぐにでも切ろうと思うようになったかな」
いつも、そして、これからも木村さんは愛するもののために進化し続ける。

現場では変わらない熱量を持ちながら、変わっていく時代を楽しめたらいい

スペシャルドラマとして好評を博し、続編を待望されていた『教場』シリーズが今年4月、連続ドラマ『風間公親―教場0―』として帰ってきた。木村さんは、新米刑事たちの指導官・風間公親を演じる。
「あんなに厳しい指導をする風間が、今の時代、受け入れられるのかは、少し不安ですけど(笑)。現場の空気はすごく良い感じです。若い頃からご一緒している中江監督やベテランスタッフの方々は、変わらぬ熱を持っていてこちらにも高いクオリティを求めてくるから、現場は日々気持ちの良い緊張感に包まれていて、すごく充実しています」
木村さん自身もデビュー以来、数々の歴史的なヒットドラマに主演しながら、変わらない熱い想いで現場に向き合っている。
「ただ、こちらは変わらなくても、時代は変わるし、受け取り手の意識も変わるものですよね。今はドラマを観る時間も人それぞれだし、観るツールもテレビとは限らない。スマホの人も多いのかなと。小さな画面でどんな風にこのドラマを感じてもらえるのかなぁなんて思ったりはしますけど(笑)」
とはいえ、そんな時代の変化を後ろ向きに捉えているわけではない。
「時代や人の変化を面白がれたら良いですよね。そこは自分がもの作りにかけた思いの熱さとは線を引くというか。時代は時代、他人は他人として受け入れて、自分は自分として、大切なものは変わらずに持ち続けて、前に進めたらなと思います」

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『MAQUIA 6月号』特別版表紙に!
木村 拓哉さんの撮影裏話・エピソード

『MAQUIA 6月号』特別版表紙に、木村 拓哉さんが初登場

『MAQUIA 6月号』特別版表紙に、木村拓哉さんが初登場!

MAQUIA(マキア)6月号 特別版
発売日:2023年4月21日(金)
表紙:木村拓哉
定価:880円
特別付録:キュレル 湿潤保湿UVケア
撮影/酒井貴生〈aosora〉

時代を牽引し続け、あらゆる人がその背中を追い続ける木村拓哉さん。マキアはその走り続ける原動力や心のうちに迫りたいと考え、今回の特集が実現しました。撮影で次々に繰り出されるポージングや、多彩な表情の数々。若き日から日本中を魅了してきた美しさと、円熟味を増していっそう深まった渋さの両立。木村さんの生き様が滲んだ、力強く迫力あるビジュアルは必見です。


そして、節目節目で木村さんにお話を伺ってきたインタビュアーが、鋭い洞察力で「今」の彼を掘り下げたテキストも必見。活躍の裏で、自身に向けた様々な声にさらされる時もあることに対しては「何を食べるか、どの意見や情報を摂取するかは自分次第じゃない?」と回答〈本誌より一部抜粋〉。また昔と比べて変化した点、という項目で出てきたアンサーは、「攻めのカードを使うタイミング」。今、そのカードが切られるのは、いったいどんな時? また、マキアで連載を持っている後輩・亀梨和也さんの心を震わせた、木村さんのある言葉と、その真意とは? 少年のようにキラキラと輝く瞳で、時にお茶目なジョークも交えて語ってくれた木村さんの言葉には、日々を生きる私たちにも活きる「気づき」が満載です。


8ページにわたる特集では、どんな時、どんな場所でも欠かすことのない周りの人へのリスペクトや愛情、「当たり前の日常」を大切にする木村さんの姿に触れることができます。多くの人に勇気を与えるトップスターの姿、言葉が満載です。

木村 拓哉さんの『MAQUIA 6月号』撮影裏話

木村拓哉さんの『MAQUIA 6月号』撮影裏話

撮影当日、言葉を失うほど圧倒的なオーラを放って現れた木村さん。やはり何年も撮られ続けてこられた方。短い時間の撮影ながら、シャツの羽織り方、ポーズ、表情を次々に変えて魅了。写真のチェアも用意したものの、ポージングの巧みさを際立たせるため省略。「かっこいい」「素敵」という言葉では足りないほど神々しく力強い姿は、誌面を是非見ていただきたいです。

そしてインタビューで今回木村さんのお話を伺ったのは、毎月連載の亀カメラでもお馴染みの文筆家の芳麗さん。今までも定点で木村さんをインタビューされていたとあって、なかなか聞けない深いお話も満載。印象的だったのは、存在感に圧倒されて緊張しがちな現場の空気を察してか、思慮深く言葉を選びつつも、ユーモアを交えて率先して周りを和ませるように話してくれたこと。また、可愛がっているという亀梨和也さんの話になると途端にクシャッと笑顔になり、2人の深い関係性を感じさせられたのでした。

インタビュー後、スタッフが「伝説の人である木村さんにご出演いただけて光栄です…」と伝えると、「伝説?ずっといてごめんね(笑)」と、悪戯っぽいキラキラした瞳で返してくださいました。誌面では木村さんの8つの言葉から今の考えを紐解きました。周りの人、現場、作品をとにかく愛し、包み込む…器の大きさに驚き、心に染み入るように響く特集です。

記事が続きます


木村 拓哉さん主演ドラマ
『風間公親—教場0—』

木村拓也さん出演『風間公親—教場0—』

2020年、2021年に新春SPドラマとして放送され大好評を博した『教場』シリーズ最新作。木村さん演じる風間公親が教官として警察学校に赴任する以前、新人刑事の教育に“刑事指導官”として当たっていた時代を描く。毎週月曜21時〜フジテレビ系にて放送中。

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