目には見えないけれど、私たちの体で分泌され美に貢献したりメンタルや健康を左右している存在・ホルモン。その不思議で偉大なパワーを学んで、ウエルネスとビューティに役立てて。

ホルモン 体と心 Q&A

私の“バランス”のカギを握る!

ホルモンの不思議100問100答

答えてくれるのは…
高尾美穂先生

産婦人科医

高尾美穂先生

イーク表参道副院長。生理や更年期について男性も交えて語りやすいムードを作った第一人者。著書多数。

森田敦子さん

フィトテラピスト

森田敦子さん

フランスで植物療法を学び、日本のフェムテックブームを巻き起こしたオーソリティ。ブランド開発も多数。

川田浩志先生

東海大学医学部教授

川田浩志先生

血液内科学を専門とし、エイジングケアや効率のいい運動「HIIT」にも精通し、自ら健康法を実践中。

松村圭子先生

産婦人科医

松村圭子先生

成城松村クリニック院長。未病の不調治療に積極的で、サプリや漢方を取り入れた診療と親身な診察で人気。

友野なおさん

睡眠コンサルタント

友野なおさん

自身の肥満やパニック障害を睡眠改善で克服。新著『ココロとカラダを整えるオトナ女子の休み方』も好評。

金谷憲明さん

パーソナルトレーナー

金谷憲明さん

均整術師。『K.B.L』主宰。しなやかで美しいボディを育てる独自の理論で女優やモデルにも多くのファンが。

PART1
ホルモンって何!? にまつわる素朴なギモン

Q ホルモンって何?

A 体内で作られる化学物質
「さまざまな臓器や組織の細胞に働きかけて生理作用を調整する化学物質の一種。成長や発育、代謝、性的発達、睡眠、免疫や感情など多くの生理現象に関与」(川田先生)

Q ホルモンって脳で作られるんでしょ?

A さまざまな組織で作られます
「女性ホルモンは卵巣で、コルチゾールは副腎でと体中のあちこちの組織で作られ、血流に乗って標的の器官に運ばれて生命を維持するのに役立っています」(森田さん)

Q ホルモンって何種類あるの?

A 100種類以上
「ホルモンは100種類以上あります。最近新しく見つかったものもあり、今後も増える可能性があります」(松村先生)「ホルモンは数多くありますが、大別すると3つ。体温など生理現象を調整するホルモン、生殖に関わるホルモン、エネルギーに関わる代謝ホルモンの3つがメイン」(森田さん)

Q ホルモンバランスがいいか悪いか、自分でチェックする方法はある?

A 朝の目覚めや体感をチェック
「最近の研究によると、医療機関でのチェックより主観的な感覚のほうが現状を的確に把握していると判明。目覚めた時のすっきり感を指標に」(友野さん)「生理がくるのはホルモンが正しく変動している証し。周期を記録し、大きなズレがないかが目安」(高尾先生)

Q ホルモンバランスは目に見える?

A 鏡を見てみて
「朝、鏡を見てクマやくすみ、眼の充血がないか、顔色が悪くないかチェックすれば、しっかり眠れている=成長ホルモンが出ているか一目瞭然。また、便は体からのメッセージなので、きちんとお通じがあるか、便の状態もいい目安に」(友野さん)

A 鏡を見てみて

Q ホルモンって自律神経とは違うの?

A 別ものです
「別のものですが、どちらも時々刻々と変化し、脳の視床下部でコントロールされていて、私たちが意識してコントロールできないなど、たくさんの共通項があります」(高尾先生)「違うものではありますが、どちらも主要な体の調整システム。脳の視床下部を通じてその2つは協働しています」(川田先生)

Q 動物にもホルモンってあるの?

A もちろん!
「もちろんです。ホルモンは人以外の動物にとっても欠かせない大切な存在。その行動や代謝、免疫機能、繁殖などの調整に重要な働きをしています」(川田先生)

Q すみません、焼肉のホルモンとは関係ないんですよね…?

A ないです
「焼肉店によっては内分泌器官がメニューに含まれることもあるようですが、内臓の部位をホルモンと呼び表すのは日本独自の表現ですね」(川田先生)

A ないです

Q 現代人のほうが、昔の人よりもホルモンに影響されている?

A ライフスタイルの変化による影響大
「生涯に4〜5人を出産していた時代と違い、現代人は生理の回数が多く、つまりはエストロゲンの波に晒され続けています。結果、PMSに悩んだり、乳がんや子宮筋腫、子宮体がんなどエストロゲンが原因となる病気が増加」(松村先生)

A ライフスタイルの変化による影響大

Q 現代人に影響を及ぼしているホルモンの代表って?

A メラトニン&セロトニン
「朝の光を浴びて分泌されるセロトニンは、心身を目覚めさせ、夜に眠りを誘うメラトニンを作る材料にもなります。この2つが不足すると、女性ホルモンや成長ホルモンなどの生成にも悪影響が」(森田さん)

Q 睡眠とホルモンの関係は?

A ホルモンの多くは睡眠中に分泌されます
「ホルモンは1日中分泌されていますが、そのうち多くは睡眠中。特に眠り始めの3時間は成長ホルモンが出るため、心と体を整える重要な時間です」(友野さん)

Q ストレスホルモンの消し方は?

A 消すのではなく、上手な付き合いを
「運動やストレスで分泌されるホルモンがコルチゾール。消すのは無理なので、逆に運動で時々出しておくのがおすすめ。ストレス耐性がつきます」(金谷さん)

Q 女性ホルモンは加齢でほぼゼロになると聞くけれど、他のホルモンに限りはないの?

A ホルモンの種類による
「成長ホルモンやメラトニンは加齢と共に減りますが、甲状腺ホルモンなど分泌量があまり変わらないものも。種類によって減り方は異なります」(高尾先生)

Q ダイエットとホルモンの関係性って?

A ホルモン乱れはダイエットの大敵
「寝不足の人は食欲を促すホルモン=グレインが15%増加し、満腹中枢を刺激するホルモン=レプチンが16%減ったというデータが。つまり寝不足の状態で食欲を抑えようとしても、ホルモンレベルで食べたくなるんです。逆に、睡眠を整えるとドカ食いがなくなり、ダイエットしやすく」(友野さん)

Q ホルモンって何から作られるの?

A 脂質
「ホルモンの材料はコレステロール。極端に痩せると月経が止まるのは、材料が不足することも一因となります」(高尾先生)

MAQUIA 9月号
撮影/榊原裕一(モデル) ヘア&メイク/甲斐美穂〈ROI〉 スタイリスト/福永いずみ モデル/新田さちか イラスト/沼田光太郎 構成・文/高見沢里子 企画/吉田百合(MAQUIA)

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