悩みが尽きない生理中の不安や悩み、疑問に3人の産婦人科医が回答! 正しい知識で対策を。

生理 生理痛 ピル

私だけ!?の不安も解消
自分のカラダなのに、実は知らないことだらけ
生理、子宮、ホルモンにまつわる100問100答

尾西芳子先生

産婦人科専門医

尾西芳子先生

都内クリニックに勤務。デリケートゾーンケア『VAGI』の監修も行う。

高尾美穂先生

産婦人科専門医

高尾美穂先生

イーク表参道副院長。女性の体や心の悩みへの的確なアドバイスが人気。

なんとかしたい! 生理中の問題

Q40 生理痛ってなぜ起こるの?

A 子宮を収縮させるプロスタグランジンの作用が強いと痛みが強くなる
「女性の体では、妊娠が成立しなかった場合、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が分泌され、子宮内膜が排出されて生理が起きます。この物質の作用が強いと子宮が強く収縮し、生理痛が起きるのです」(高尾先生)

Q41 生理痛ってあるのが普通?

A NO。重い生理痛は月経困難症という病気です
「重い生理痛はあるのが普通ではありません。生理痛がつらくて生活上困っているなら、月経困難症というれっきとした病気で、治療の対象です」(高尾先生)

Q42 生理痛がひどい場合、病気が隠れている場合もある?

A 子宮内膜症や子宮筋腫などの可能性も
「生理痛がひどい場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気がある可能性が。年々、生理痛がひどくなっているならこれらの病気がないことを確認するために婦人科受診をおすすめします」(高尾先生)

Q43 どれくらいひどいと病院に行ったほうがいいの?

A 自分がつらくて困っているなら受診を
「生理痛の度合いは人と比べる必要がなく、自分がつらいと感じているなら婦人科へ。放っておくと生活の質を大きく下げるので早めに受診を」(高尾先生)

Q44 婦人科の内診に抵抗がある。

A 無理にする必要はありません
「内診で得られるのは貴重な情報であることは確かです。ただ、お腹からの超音波検査など内診の代わりになる方法で情報を得ることもできるので、心の準備ができていない場合は医師にそう伝えてみて」(高尾先生)

Q45 生理痛の治療法って?

A 鎮痛剤や低用量ピルなど
「鎮痛剤、低用量ピルがファーストチョイスです。それ以外の方法としてミレーナ(Q49参照)、漢方薬なども挙げられます。低用量ピルやミレーナを使うと子宮内膜が薄くなり、子宮内膜を外に出すための収縮力が弱まり痛みが起きにくくなるのです」(高尾先生)

Q46 低用量ピルってどんなもの?

A 女性ホルモンが配合された薬で、避妊、生理痛、過多月経、PMSなどに効果的
「エストロゲンとプロゲステロンが配合された薬で、飲むとこの2つのホルモンの分泌量が低いレベルで安定。排卵も起きないので避妊効果があり、生理痛、過多月経、PMSなども緩和できます」(高尾先生)

Q47 ピルを飲んでも副作用はない?

A 血栓症のリスクが副作用の代表です
「血栓症のリスクが高まるので、肥満や高血圧の人など血栓症リスクが高い人は服用できない場合が。吐き気や頭痛、むくみなどが一時的に出ることもありますが、通常2〜3カ月で治っていきます」(高尾先生)

Q48 生理痛があるけどピルは飲みたくない。ほかの方法って?

A 鎮痛剤のほかミレーナや漢方薬など
「鎮痛剤がまず最初の選択肢で、ほかにはミレーナ(Q49参照)という選択肢も。また、ホルモン治療に抵抗があるなら漢方薬でも治療可能」(高尾先生)

Q49 生理痛に効くといわれるミレーナって何?

A 子宮内に入れておく器具。子宮内膜を薄くし、避妊や生理痛予防に
「IUS(子宮内システム)とも呼ばれる、子宮内に装着するT字型の器具。中にプロゲスチンが入っていて、子宮に装着すると少しずつそれが放出され、子宮内膜が薄くなるので、受精卵の着床が防げて避妊に効果が。月経困難症、過多月経も緩和します」(尾西先生)

ミレーナの使用イメージ

Q50 市販の痛み止めの選び方、効果的な飲み方を知りたい。

A 相性があるので試して効果のチェックを。早めに飲むのがポイント
「生理痛の鎮痛剤は、プロスタグランジンの生成を抑える薬が一般的。痛みを感じてからだと効きにくいので、毎月生理痛がある人は痛み始めに飲むのがおすすめ。効果がない場合は種類を変えてみて」(尾西先生)

Q51 痛み止めって何回も飲んでもいいの?

A 飲みすぎると胃や肝臓の負担に。用法用量を守って
「鎮痛剤は数時間で排出されるので生理期間中に用量を守って飲むなら問題なし。ただ、飲みすぎると胃や肝臓に負担をかけたり、徐々に効きが悪くなることもあるのでNG」(尾西先生)

Q58 生理痛の改善にいい栄養素ってある?

A オメガ3系脂肪酸マグネシウム、ビタミンEなどがおすすめ
「青魚などに多いオメガ3系脂肪酸はプロスタグランジンの作用を抑える働きがあるとされています。また、大豆食品などに多いマグネシウムは子宮の過剰な収縮を抑えるのによいとされています。そのほか血行をよくするビタミンEもいいと思います」(尾西先生)

生理痛の改善にいい栄養素

MAQUIA11月号
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/George スタイリスト/西野メンコ モデル/佐藤晴美 イラスト/熊野友紀子 取材・文/和田美穂 企画/萩原有紀(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

最終更新日:

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