生理痛がひどい、ピルは体質に合わない、不正出血があった、おりものの量が多い…など、人に聞けないお悩みに、的確なアドバイスで人気の高尾先生に答えていただきました。
私だけ!?の不安も解消
自分のカラダなのに、実は知らないことだらけ
生理、子宮、ホルモンにまつわる100問100答
イーク表参道副院長。女性の体や心の悩みへの的確なアドバイスが人気。
MAQUIA読者からお悩みを大募集
教えて！ 高尾先生
Q84 生理痛がひどく、2度救急車を呼ばれそうに。仮に救急搬送されたとして経口薬より早く効くものはあるのでしょうか？ ピルは体質に合わず、漢方薬を飲んでいますが、ほかの方法はある？
A プロゲスチン製剤を試すのもおすすめ
「痛み止めで最も早く効くのは座薬。救急搬送されたときも座薬で対処してもらえるかもしれません。また、こういう方はピルではなくプロゲステロンだけが配合されたジエノゲスト（プロゲスチン製剤）にするといいかも。体がプロゲステロンを作らなくなり、生理が来ないので生理痛がなくなります。またはミレーナもアリ。婦人科で相談を」（高尾先生）
Q85 子宮内膜ポリープがあり、不正出血があるので経過観察中。大きくなったら除去するとのことですが、それでいいか不安。
A 経過観察をしているなら大丈夫です
「不正出血があると子宮体がんの場合もあるので、定期的に子宮体がんの検査をしていて、ポリープが大きくならなかったら経過観察で問題ありません。他の方法としては、低用量ピルを服用して出血をコントロールするか、子宮鏡でポリープを取る方法もあります」（高尾先生）
Q86 若い頃のほうが性欲があるのが一般的だと思ってましたが、私は、39歳になってから、若い頃より性欲が強く起きます。これって変？
A 若い頃より心に余裕ができたからかも
「若い頃は仕事でいっぱいいっぱいで心に余裕がないことが多いので、性欲も抑えられていたのかも。30代後半になると仕事に慣れて、心に余裕ができたから性欲が高まったのかもしれません。別におかしいことではありません」（高尾先生）
Q87 生理前のメンタルの不調を薬でなんとかしていますが、妊活のとき耐えられるのか心配です。
A 漢方薬に変えるか、休薬に備えて準備を
「服用中の薬が何かわかりませんが、ピルなら妊活中はやめなければいけません。漢方薬なら妊活中も飲めるので漢方薬にするのも手。または薬をやめる前に検査を受けておくなど妊活準備を進めて、やめている間に最短で妊娠できるよう備えておくといいと思います」（高尾先生）
Q88 生理痛がひどく、毎月会社を休むか、在宅勤務にさせてもらっていますが、毎月、「腹痛で……」と誤魔化すのがつらい。
A 毎月休むことを前提にせず、生理痛を治すことを前提に
「生理痛で毎月休むことを前提にしていますが、休まなければいけない状態を改善することを前提にするべき。ピルと痛み止めを併用するなど、きちんと治療をすれば、毎月休む必要はなくなるかもしれません。毎月、誤魔化す必要もなくなりますよ」（高尾先生）
Q89 アラサー無月経です。放置したらダメとわかっていますが、生理がない方が楽。これって問題？
A 自然妊娠が難しくなり、骨や血管の老化が進みます
「無月経を放置すると、いざ妊娠したいとなったときに自然妊娠が難しくなります。また、無月経だとエストロゲンも分泌されていない状態なので、自覚はなくても体の内側で骨や血管の老化が進み、メンタルに影響が出ることも。放置せず婦人科へ」（高尾先生）
Q90 生理痛が重く、低用量ピルを服用。生理痛は緩和しましたが、PMSは改善していない気が。ピルにも種類がありすぎて、自分に合うのはどれなのか疑問。
A PMSに効くものもあるので、医師に相談を
「ピルにはエストロゲンの量やプロゲスチンの種類の違いの組み合わせによりさまざまな種類が。たとえばPMSのメンタル不調には、ドロスピレノンというプロゲスチンが配合されたピルが効果的。医師に症状を伝えて相談を。もしピルに詳しくなさそうな医師だったなら産婦人科専門医がいる病院に変えてみて」（高尾先生）
Q91 生理の週、排卵の週と月に２週間以上痛み、眠気、吐き気と闘う人生です。ピルを飲んで生理痛は和らいだけど排卵痛は変わらず。対処法はありますか？
A ピルを飲めば排卵痛はなくなるもの。他の病気の可能性が
「ピルを飲んでいると排卵が起きないので排卵痛も起きません。ですから排卵痛と思っている痛みは、別の原因があると思われます。病気がないか病院で検査をしましょう。または、ピルでなくプロゲスチン製剤に変えて生理をなくしてみて、症状がどう変わるかチェックしてみるのもおすすめ」（高尾先生）
Q92 PMSと生理不順がひどく、前はピルを飲んでいたけれど、根本改善にならないので服薬をやめましたが、やめて一年以上経ったら生理不順が復活。また服用したほうがいいのでしょうか？
A 飲み続けても問題ないので、気になるなら服用しては
「ピルは服用中だけの効果で、やめればPMSや生理不順は再び生じます。ピルをやめるのは、妊娠を希望するときか、血栓症のリスクが高まる年齢になったとき。それ以外は続けても問題ないので、生理不順がつらいなら、また服用していいと思います」（高尾先生）
Q93 服用している低用量ピルは保険がききません。服用する理由と種類によって違うことは分かるんですが、今後も保険はきかないままなのでしょうか？
A 保険がきくのは月経困難症と子宮内膜症だけ
「低用量ピルで保険がきくのは月経困難症と子宮内膜症だけ。避妊やPMS、生理不順などには保険はきかず、今後も変わらないと思われます。具体的に担当の医師に相談してみて」（高尾先生）
Q94 おりものの量が多くて、生理用ナプキンをつけていないとズボンに染みてきてしまうほど。婦人科に行きましたが特に病気はなく。量を減らすには？
A 婦人科で検査をしてみて、雑菌が原因なら膣錠を試すのもあり
「病気はなかったようですが、何らかの感染症の場合もあるので、まだ検査をしていないなら受けてみましょう。雑菌が原因なら膣錠を入れると治ることがあるので担当の医師に相談を」（高尾先生）
Q95 昔から生理痛やPMSが人一倍ひどく、ずっと悩まされてきました。検査では何も問題はないのになぜ？
A 出産経験がないなら子宮の出口が硬いからかもしれません
「生理痛がひどいなら、検査で問題がなくても、将来、子宮内膜症になるタイプかもしれません。また、出産経験がないと子宮の出口が硬いので子宮内膜がうまく出ず、痛みが強くなることがあります。ただ、PMSは別で、性格的な問題もあるかも。生理痛もPMSもピルで改善しやすいので試してみては」（高尾先生）
Q96 ここ2～3年、初日の生理が少ない量で茶色い血になり、2日目以降に普通の赤い血に。生理の日数も8日～と延びました。以前より長くなっていて煩わしいのですが色の変化と関係ありますか？
A 生理期間中ずっと茶色い血なら無排卵の可能性も
「赤い出血ではなく、茶色い場合は、フレッシュな状態ではないということ。出血量が少ないために、体の外に出てくるのに時間がかかっていると理解してください。生理の初日が茶色で、2日目以降に赤い経血になるなら特に問題ありません。ただ、生理が8日続くのは、子宮内膜ポリープや子宮頸管ポリープの疑いも。検査を受けてみて」（高尾先生）
Q97 久し振りの性行為をした際に出血(鮮血)がありました。婦人科で診てもらいましたが子宮も卵巣も異常なしとのこと。女友達にも聞けないので不安。
A 会陰のあたりの裂傷かも。子宮頸がん検査を受けておくと安心
「性交渉で出血をしやすい場所は子宮や卵巣ではなく、会陰の陰裂や膣あたり。十分に濡れてない状態で挿入すると小さな裂傷ができ、出血することが。久々の性交渉なら緊張もあったと思うのでその可能性大。念のため子宮頸がん検査をしておくと安心」 （高尾先生）
Q98 小陰唇縮小手術ってどうなんでしょうか？
A 人によって形や色はさまざま。手術をする必要はありません
「小陰唇の大きさや形は人それぞれ。ですから気にしなくてよく、手術までする必要はありません。相手から何か言われたのかもしれませんが、気になるなら大きさや形について婦人科医に聞いてみては」（高尾先生）
Q99 よい婦人科を選ぶポイントって？
A 何を「よい婦人科」とするかは人それぞれ。何を重視するかを考えて選んで
「人によって何をよいとするかは違います。家から近いとか便利さを求めるならそういう婦人科を選べばいいですよね。話をじっくり聞いてくれる先生がいいなら口コミで探すなど、自分が何を重視するかで選びましょう」（高尾先生）
Q100 父方ががん家系。検査は積極的に受けていますが、ほかに注意すべきことは？
A がんの原因は生活習慣も関係し、必ず遺伝するわけではないので、今のように気をつけていればOK
「家系の女性の多くが乳がんや卵巣がんになっているなら遺伝的な問題がありますが、家系にがんで亡くなった人が何人かいるという場合、必ずがんになるわけではありません。がんは生活習慣の影響も大きいので、生活習慣に気をつけて、今のように検査も受けているならOKです」 （高尾先生）
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撮影／天日恵美子 ヘア＆メイク／George スタイリスト／西野メンコ モデル／佐藤晴美 取材・文／和田美穂 企画／萩原有紀（MAQUIA）
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