「MAQUIA」12月号では、刻々と変わる私たちの肌・心・体について、その変化と対応法を専門家に聞きました。今回は、1カ月の体の変化や、月経時のおすすめケアをご紹介します。

【私のトリセツ100問100答】1カ月の体の変化、低温期・高温期のケア、フェムテックetc._1

年代、季節、1カ月、1日……「私」はどんどん変わるから。
「変化」を味方につける
私のトリセツ100問100答

教えてくれたのは…
慶田朋子先生

医学博士・皮膚科専門医

慶田朋子先生

銀座ケイスキンクリニック院長。美肌に導くスキンケア、安心安全な美容医療などを的確に診断&解説。

小野陽子先生

産婦人科医・心療内科医

小野陽子先生

対馬ルリ子女性ライフクリニックにて診療。Addots  GINZA代表。心と体の両面から女性を支える診療を。

女性ホルモンの変動に合わせて大きな変化が
1カ月


 


Q 1カ月で女性の体はどう変わる?
A ホルモンの変化に左右されます
「女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌の変動で体は変化。エストロゲンは“攻め”のホルモン、プロゲステロンは“守り”のホルモンなので、前者が多いときは元気に、後者が多いときは不調が増加」(小野先生)


 


Q 1カ月で肌・心・体はどう変わる?
A ホルモン変動による4つの時期ごとに変わります
「女性ホルモンの分泌周期に合わせて、月経、卵胞期、排卵、黄体期に分かれ、このサイクルに合わせて、肌・心・体の状態は大きく変わります。知識をもってあらかじめ心構えをもっておくことが対策に」(小野先生)


低温期 月経
(肌)
「生理中は肌が敏感になりやすく、かぶれや湿疹などがでることも。生理後半には肌も比較的安定します。丁寧な保湿ケアをとくに心がけて」(慶田先生)
(心)
「月経痛、だるさ、眠気が生じやすいため気分が沈みがちに。月経が終わりに近づくとエストロゲンの分泌が高まり、回復してきます」(小野先生)
(体)
「月経開始から終了までのこの時期は、全身がだるくなり、眠気も強め。月経痛が起きたり、便通も不調になったりします」(小野先生)


低温期 卵胞期
(肌)
「肌にハリやツヤがでて、1カ月の中で最も調子がよい状態に。新しい美容液を試してみるなど、スキンケアも積極的に楽しめる時期です」(慶田先生)
(心)
「体調がいいので、気分も明るくポジティブになり、アクティブに動きたくなる時期。仕事や恋愛にも前向きになります」(小野先生)
(体)
「エストロゲンの分泌が増える卵胞期は、体調が最もいい時期。新陳代謝もよくなり、脂肪も燃焼されやすいのでダイエットを始めるにも最適」(小野先生)


高温期 排卵後
(肌)
「排卵後はエストロゲンの分泌が低下し肌の調子も不安定に。皮脂分泌が増えてニキビができやすくなるとき。刺激しないように注意を」(慶田先生)
(心)
「排卵後から黄体期にかけて、プロゲステロンの影響を受け、次第に気持ちが落ち込みやすくなったり、イライラしやすくなる人もいます」(小野先生)
(体)
「成長した卵が放出され、体温が上昇する時期。排卵を境にプロゲステロンの分泌が徐々に高まると、体が重くなり始め、不調も出始めます」(小野先生)


高温期 黄体期
(肌)
「体が水分を溜め込むため、肌もむくみやすく、ニキビやシミ、ソバカスが出現。また血行不良でクマやくすみが目立ちやすくなります」(慶田先生)
(心)
「プロゲステロンの増減により精神状態が不安定に。PMSや、PMSのメンタル症状が増悪した"PMDD"なども起こり得ます。無理をしないことが大切」(小野先生)
(体)
「プロゲステロンの分泌が高まって代謝が下がり、水分や脂肪を溜め込みモードに。PMSの症状である、むくみや胸の張りなどの不調が続出」(小野先生)


 


Q 低温期のおすすめのケアは?
A ビタミンEや白湯などで血行を促して巡りをよく
「月経痛がなければ体調が最もよい時期。巡りをよくするためかぼちゃ、アーモンド、アボカドなど血行を促すビタミンEが多い食品を摂って。白湯も◎」(小野先生)

【私のトリセツ100問100答】1カ月の体の変化、低温期・高温期のケア、フェムテックetc._2

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Q 高温期のおすすめのケアは?
A 入浴などで睡眠の質を高め、腸内環境も整えて
「PMSが起きる時期。入浴で体を温め、リラックスして睡眠の質を高めましょう。便秘にもなりやすいので発酵食品や食物繊維を積極的に摂って」(小野先生)



Q 月経周期を整えるには?
A 低用量ピルの服用も選択肢に
「ストレスや偏った食事、冷え、無理なダイエットなどで月経周期は乱れます。婦人科を受診し、低用量ピルで周期を安定させるのもひとつの方法」(小野先生)



Q 月経時におすすめのケアは?
A 体を温めたり、鉄分の補給を
「月経中は経血とともに鉄分が失われ貧血を起こしやすいので鉄分補給を。かつお、まぐろ、海藻、小松菜などに豊富。月経痛がある人は体を温めて」(小野先生)

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Q 月経が辛いのは当たり前ですよね?
A 当たり前ではありません子宮内膜症などの場合も
「月経時の痛みや不調を見過ごさないで。痛みがひどいなら子宮や卵巣に病気が隠れている場合も。もっと気軽に、婦人科を受診して」(小野先生)



Q 月経中のわずらわしさ、どうにかならない?
A フェムテック商品を活用するのも◎
「ストレスがあると月経中に骨盤が正しく開かず経血が排泄されにくくなり月経痛の元に。リラックスを心がけて」(小野先生)。フェムテック商品の利用も◎。

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MAQUIA 12月号
イラスト/本田佳世 取材・文/和田美穂 轟木あずさ 構成/山下弓子(MAQUIA)

最終更新日:

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