私たちの肌・心・体は、年代によって、四季を通じて、そして1日の中でも刻々と変わります。「MAQUIA」12月号では、その変化と対応法を専門家に聞きました。

季節の変化を味方に! 痩せやすい季節は? 天気不調の対処法は?_1

年代、季節、1カ月、1日……「私」はどんどん変わるから。
「変化」を味方につける
私のトリセツ100問100答

教えてくれたのは…
大貫未記さん

気象予報士・美容ライター

大貫未記さん

健康気象アドバイザー。狛江FM「コマラジ」にて「大貫未記のビューティー予報」(毎月第2火曜)を担当。

木村容子先生

医学博士

木村容子先生

東京女子医科大学附属東洋医学研究所所長・教授。日本内科学会認定医。東洋医学・西洋医学の両面から診療。

四季の変化に合わせ賢く対応
季節


Q 季節の変化=気温の変化?
A 気温だけではなく、湿度や紫外線量も影響
「1年をかけ地球が太陽の周りを一周するため、太陽の照り方が変化。暑い夏と寒い冬では、日照時間をはじめ気温や湿度、紫外線量が体に影響します」(大貫さん)


Q 痩せやすい季節ってある?
A 発散の季節の春!
「冬は寒さに耐えるため脂肪が蓄積されやすいのに対し、春は暖かく体を動かしやすくなる“発散”の時期。冷暖房なしで自然な発汗ができ、痩せやすく」(木村先生)


Q ストレスに弱い季節は?
A プチうつになりやすいのも春
「大きく季節が変わる春は、その変化に対応するのに余分な“気”を消耗し、自律神経が乱れやすい時期。ストレスがあると余計に乱れ、プチうつになる人も」(木村先生)


Q 季節で、肌・心・体はどう変わる?
A 季節ごとにお答えします


春の肌
花粉など外的刺激でゆらぎやすい
「環境変化によるストレス、春の強風に舞った花粉やほこり、強まる紫外線など外からの刺激が増加。バリア機能強化が美肌の鍵に」(大貫さん)


春の心
“気”が滞り、憂鬱になりやすい
「“陽”の気の高まりに心身がついていけないと、気が滞る“気滞”(きたい)という状態になるので気分が憂鬱になりやすい。五月病に注意」(木村先生)


春の体
季節の変わり目で
心身のバランスを崩しがち
「ほてり、のぼせ、花粉症などのほか、胃酸過多になり胃痛や胃もたれに悩む人が増加傾向に。いつも以上に体に目を向けて」(木村先生)


 



夏の肌
肌には過酷な季節、
とにかくUV対策を

「紫外線、暑さによる発汗、冷房による乾燥など、肌にとって過酷な状況。秋の肌老化加速を食い止めるには夏の過ごし方が大切」(大貫さん)


夏の心
“気”を消耗して疲れやすく
「夏は汗をかくことで“気”を消耗し、気が不足する“気虚”(ききょ)という状態になりがち。体力を過信せずしっかり体を休める意識を」(木村先生)


夏の体
夏バテや熱中症、むくみに注意
「水分の摂り過ぎや熱帯夜による睡眠不足から、むくみやだるさ、夏バテ、熱中症に。水分・塩分・栄養の適切な補給が重要に」(木村先生)


 



秋の肌
汗や皮脂量が徐々に
低下、ごわつき注意

「気候も穏やかで過ごしやすいため肌負担は比較的感じにくい。ただ汗や皮脂の分泌量が減少するので、本格的な乾燥シーズンに入る前に丁寧な保湿ケアを心がけて」(大貫さん)


秋の心
エネルギー不足で、やる気ダウン
「夏疲れが残ると、やる気が出ません。眠気が強くなる秋口の1週間くらいは、いつもより1時間程長く寝て、夏疲れのリセットを」(木村先生)


秋の体
体が乾燥し、空咳が出ることも
「東洋医学では秋は“燥”の時期とされ、体が乾燥しやすくなる。空咳が出たり、口や鼻、のどの乾燥を感じたら先んじてケアを」(木村先生)


 



冬の肌
カサつきやかゆみ、
さらにくすみも

「大敵は冷えによる乾燥。気温が低く空気中の水分量が少ないためたっぷりの保湿が必須。血行不良などによるくすみにも注意して」(大貫さん)


冬の心
“驚き”と“恐怖”の感情に注意
「冬は東洋医学の五臓の“腎”と対応。腎は感情では驚きや恐怖と関わり、冬にこの感情が強くなると腎が弱って精神不安定になる」(木村先生)


冬の体
手足やお腹が冷えやすく、
痛みやこりも生じやすい

「東洋医学では冬は“寒”の時期。手足やお腹の冷えなどが起きやすく、また、体内の巡りが悪くなり、痛みやこわばりも生じがち」(木村先生)


 


Q 低気圧だとどうして体調が乱れるの?
A 血管の急激な拡張により頭痛などに悩む人も
「気圧変化により体内の圧力バランスが乱れ、血管が拡張。頭部の神経に触れ頭痛が起こります。気圧を感知する耳(内耳)を揉むと楽に」(大貫さん)


Q スキンケアをチェンジする気温、湿度の目安は?
A 気温は20~25℃、湿度は50%が理想
「20〜25℃前後で見直しを。湿度は50%を切ると乾燥ストレスに、60%を超えると皮脂が増加。気温・湿度計が家にあると便利ですよ」(大貫さん)


Q 天気で生じる不調の対処法は?
A 天気予報を活用してあらかじめ準備を
「季節や気圧の変化は天気予報などで前もってある程度わかるので、まずは意識すること。心の余裕につながります。アプリを活用するのも手」(大貫さん)

『頭痛~る』

『頭痛~る』
気圧の変動などを予測し、頭痛などの気象病対策ができる健康管理アプリ。

MAQUIA 12月号
イラスト/本田佳世 取材・文/和田美穂 轟木あずさ 構成/山下弓子(MAQUIA)

最終更新日:

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