ミツロウ(蜜蝋)ってそもそも何?

ミツバチの巣から採取される動物性のロウです。人類にとっては身近な素材で、古いものでは紀元前4200年頃のエジプトでミイラの保存に使用されていたという報告もあるほど。化粧品をはじめキャンドルなどの生活雑貨、医薬品のカプセル、文房具、工業用の油剤などさまざまな用途で使用されています。その主成分は人間の皮脂にも含まれるワックスエステルなので肌になじみやすく、スキンケアやメイクアップ製品によく使われます。

ミツロウ

※イメージ図

ミツロウのメリット

ミツロウは粘性があり、圧力を加えるとしなやかにたわむ弾性もある天然ワックスで、優秀な乳化剤として化粧品に使われます。肌や唇を柔らかくしなやかに整える作用に優れているため、天然成分で保湿したい人にはぴったり。溶けにくいというその性質を利用して、ヘアワックスやバームなど硬めのテクスチャーが必要なアイテムによく使われます。アレルギーを起こしにくく、かつ安定性の高い成分のため、ナチュラルコスメやオーガニックコスメではおなじみの成分です。

ミツロウのデメリット

大きなデメリットはありませんが、ミツロウを使ってナチュラル化粧品を手作りする時には注意が必要。防腐剤を入れられないぶんカビなどが発生しやすくなりますし、菌が混入するリスクも高くなります。また、抗酸化や美白といった美肌作用がある成分ではないので、シンプルな保湿目的ではなく、さらなる美肌効果を狙う場合は他の美容成分も配合された化粧品を使うのがおすすめです。

医師が回答! 美容成分「ミツロウのここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募ったミツロウについての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.化粧品だけでなくクレヨンやキャンドルなどにも使われているのを目にしますが、安全面は大丈夫なのでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー うらんさん)



A.「一般的な化粧品と同じくらいの安全性と考えていただければ良いかと思います。クレヨンやキャンドルを固めるための油処理剤としても使われますが、それは子供が舐めてしまったとしても心配のない成分だからです」(友利先生)

Q.1歳未満の子供に使用しても大丈夫ですか?(MAQUIA公式ブロガー 結貴さん)



A.「蜂蜜は乳児ボツリヌス症のリスクがあるので1歳未満の子供に与えると危険なのですが、化粧品に加えられているミツロウにその心配はありません。化粧品に生成する時はとても丁寧に加熱などの加工をしているので、子供に使っても影響はありません。もちろん心配な方は念のため避けてもいいのですが、ミツロウの使用で乳幼児にトラブルが起こるとは考えにくいですね」(友利先生) 

Q.アレルギーなどの心配はあるのでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー 浜崎有貴さん)



A.「あると思います。ただし、どんな成分であっても、アレルギーの可能性がないとは言えないということは念頭においてください。たとえばクリニックで処方されるような純度の高いワセリンであっても、アレルギーが出にくいけれど可能性がゼロではありません。そしてミツロウのアレルギーのリスクは極めて低いので、あまり心配する必要はないと思います」(友利先生) 

取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧

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