美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識をディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、ヘパリン類似物質の特徴や働きについてコンパクトに解説。


医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込むQ&Aも掲載。

最近よく聞くアノ成分、ヘパリン類似物質のホントとウソに迫る!

そもそも「ヘパリン類似物質」って何?

ヘパリンは、人の肝臓で生成される糖類の一種です。生体内で血流を促す働きがあり、その機能を利用しようと作られたのがヘパリン類似物質。水になじみやすく、うるおいを抱え込む効果が高いため、保湿から血行促進、抗炎症作用が認められている成分です。古くから乾燥肌をケアするために使われてきた歴史もあり、子どもでも使える安全性の高い成分として知られています。

ヘパリン

※イメージ図

「ヘパリン類似物質」のスキンケアコスメでの働きは?

ヘパリン類似物質は肌表面に膜を作って水分の蒸散を防ぐ保湿剤とは違い、角質層まで浸透してうるおいを抱え込みます。その働きにより、紫外線ダメージや乾燥で弱った肌のバリア機能をサポートするため、乾燥肌のお手入れにはぴったり。医療現場ではアトピー性皮膚炎の保湿にも使われることがあるほどです。

「ヘパリン類似物質」を含むスキンケアコスメを使用するときに気を付けるべきことは?

注意したいのは、ヘパリンには血液凝固を防ぐ働きもあるということ。そのため、ごくまれに赤みを生じることがありますし、出血性の血液疾患がある方は使用を控えるのがおすすめです。

≫ 美容成分 Q & A 

医師が回答! 美容成分「ヘパリン類似物質のここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募ったヘパリン類似物質についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.保湿以外にも効果があれば知りたいです(MAQUIA公式ブロガー 一色美里さん)



A.「保湿以外の効果はありません。血行促進作用はありますから、それによって保湿力が高まる側面はあります。ただ、その作用が美肌に結びつくわけではないので、ヘパリン類似物質の効果は保湿だけと考えた方がよいでしょう」(友利先生)

Q.病院で処方されるヒルドイドと、ヘパリン類似物質入りの化粧品はどのくらい保湿力が違うのですか?(MAQUIA公式ブロガー Airiさん)



A.「どのくらいという表現は難しいですが、保湿力は違うと思います。ヒルドイドはヘパリン類似物質の含有量が明記されていますが、他の化粧品についてはパーセンテージが書かれていません。化粧品として販売されるものは基本的に含有量が5%以下と定められているので、保湿力は違うといえます。また、5%よりヘパリン類似物質濃度が高い物は、第2類医薬品に含まれます。医薬品は毎日顔に塗ることを前提として作られていないので、美容目的で使い続けた場合に赤みが出るなどのトラブルもありえます。それに、テクスチャーがそれほど良いわけでもないので、あえて濃度の高いものを美容目的で使う必要はないと思います。



シンプルに保湿が目的ならパーセンテージが高い方がその効果は高いわけですが、美容目的で使うなら、テクスチャーが良いもの、美白などの成分も入ったものを選ぶ方が合理的かもしれません」(友利先生) 

取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧

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