美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識を#美容成分辞典でディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、「ヒアルロン酸」の特徴や働きについてコンパクトに解説。


医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込んだQ&Aも掲載しているので、美容成分について、もう一歩深く知りたい方にお勧めです。

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「ヒアルロン酸」が持つ、美肌パワーとは?

ヒアルロン酸は1グラムで2〜6リットルもの水を抱えることができ、細胞の間や組織の間を埋めてくれる成分です。1934年にコロンビア大学の博士が牛の目から発見し、その後、人間の体のあちこちに存在する多糖類であることがわかってきました。皮フ内部のヒアルロン酸は、肌をふっくらみずみずしく保つのに欠かせない成分ですが、関節や目などの重要な臓器でも重要な役割を担っています。



表皮にも真皮にも存在する成分で、体内のヒアルロン酸の実に半分が皮フにあるといわれています。ただし加齢と共に減少し、60歳になると肌内部のヒアルロン酸量は新生児の1/3にもなってしまうほど。化粧品に配合される場合は「ヒアルロン酸Na」という形で配合されることがほとんどです。 

ヒアルロン酸

※イメージ図

「ヒアルロン酸」は、どんな肌悩みに効果があるの?

ヒアルロン酸は肌に吸収されやすく、べとつかずに角質層を潤いで満たしてくれるうえ、リーズナブルなので化粧品ではおなじみの成分です。うるおいを肌に留めたり、ふっくら感を出したり、肌表面をなめらかに整えたりしてくれるため、化粧水や美容液、クリームなどさまざまなコスメによく配合されます。肌にうるおいを引き寄せるヴェールのように働くので、乾燥から肌を守ったり、肌のキメをキープしたりするのに役立ちます。

美容医療でもメジャーな「ヒアルロン酸」だけど……

アレルギーも起きにくいので美容医療で注入に使われることも多いのですが、内出血などのリスクがゼロではないので、注入する場合はアフターケアまでしっかり行ってくれる信頼できるドクターに相談することが大切です。 

年齢とともに減少する「ヒアルロン酸」は、大人世代こそ必要!

リーズナブルで保水力の高いヒアルロン酸は、肌の乾燥に悩む人がデイリーケアに取り入れやすい成分の代表格です。また、クッション性が高く、肌の中でウォーターベッドのような役割を果たすため、シワやハリ不足が気になる肌のふっくら感をサポートしてくれます。



特に、体内のヒアルロン酸量が減少し、アンチエイジングが本格的に気になる40代後半からは、ケアで積極的に補っていきたい成分のひとつ。肌になじみやすく、しっとり感やなめらかさを感じさせる保護膜を作る強力な保湿成分なので、多くの化粧品に使われています。 

【医師が監修】ヒアルロン酸とは? 美容に役立つ成分の特徴について-美容成分事典-_2

※年齢とともに減少する体内ヒアルロン酸量

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≫美容成分Q&A

医師が回答! 美容成分「ヒアルロン酸のここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募った「ヒアルロン酸」についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.ヒアルロン酸入りのコスメには安価なものが多いように思うのですが、なぜでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー Rihoさん) 



A.ヒアルロン酸と一口に言っても、どんな原料から作るのか、国産なのか、オーガニックなのかによって違いが生じます。発酵型にしたもの、分子を小さくしたものなど技術はさまざま。昔からある成分なので、作り方や種類がさまざまなんです。そういったところから価格に開きが出るのですが、リーズナブルなものが悪いというわけではありません。天然のものはまだ高価ですが、微生物発酵によって抽出するバイオ技術が発達しているので、比較的安価に入手することができます(友利先生)

Q.ヒアルロン酸の経口摂取には意味がありますか?(MAQUIA公式ブロガー ゆーみんさん) 



A.かつては“ヒアルロン酸の経口摂取にはあまり意味がありません”と答えていたのですが、最近は研究が進み、コラーゲンやヒアルロン酸は経口摂取するとよいというデータも出ています。ただ、口から摂ったものは分解されて栄養素になるので、摂ったものがそのまま肌のヒアルロン酸になるわけではありませんし、即効性があると言えるものではありません。肌のために摂りたいのであれば、肌のヒアルロン酸生成力をサポートするサプリなどもあるので、そういったものと一緒に摂るとベターでしょう(友利先生) 

Q.ヒアルロン酸を注入した場合、どの程度もつのですか?(MAQUIA公式ブロガー Misatoさん)

A.クリニックで患者様に説明する場合、注入するヒアルロン酸の種類にもよりますが、半年から1年とお話ししています。ただ、1年ですべて溶けてしまうかというとそうでもなく、たとえばエコーなどで見ると意外に残っていることがあります(友利先生)
 

Q.ヒアルロン酸注入におすすめの部位や副作用について知りたいです(MAQUIA公式 ブロガー みなみさん)

A.「ヒアルロン酸が血管に入ってしまうと、その部分の血流が遮断されるので血管が壊死してしまうんです。それが目で生じれば、失明する可能性もゼロではありません。けれど、経験豊富な先生が施術を行えばそれほど怖いものではありませんし、私自身も痩せてきたこめかみなどに注入しています。 

個人的におすすめなのは、額を丸くしたい、ほうれい線を目立たなくしたい、顎を尖らせたいといったケース。逆に、私が自身には今後も行わないだろうなと思うのは、頬への注入です。というのも、頬に注入したヒアルロン酸は時間の経過とともに下がってしまうことが珍しくないから。下がってきた頬をリフトする施術は他にもあるので、ヒアルロン酸注入を選ばなくてもいいかなと思います。 顔にも流行りがありますし、施術には医師の好みや美的感覚が反映されます。それらは医師自身の顔に反映されますので、病院でヒアルロン酸注入を検討している方は、担当医師のお顔をよく観察されるといいと思いますよ(友利先生) 
 

取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧

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最終更新日:

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