美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識を#美容成分辞典でディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、「コラーゲン」の特徴や働きについてコンパクトに解説。


医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込んだQ&Aも掲載しているので、美容成分について、もう一歩深く知りたい方にお勧めです。

≫「コラーゲン」を上手に取り入れてふっくらツヤ肌に!

「コラーゲン」ってどんな成分?

「コラーゲン」は肌だけでなく、腱や骨などの構成成分でもある線維状のタンパク質です。大きく分けると可溶性と不可溶性の2種類。



水分を抱えて逃さず、肌に潤いとハリを与えてくれるのは可溶性コラーゲンです。豚や魚などの動物性原料はそのほとんどが不可溶性コラーゲンのため、抽出後に分解・改質し、可溶性にして化粧品原料としています。保湿効果が高く、少量でも肌や髪をしなやかに整えてくれるため、多くの化粧品で使われています。

コラーゲン

※イメージ図

「コラーゲン」の“肌への働き”と“スキンケアコスメの役割”

「コラーゲン」は、真皮層で肌をふっくらさせるスプリングのような重要な役割を果たしています。ただし、化粧品として表面に塗布した場合は真皮まで到達することはありません。



けれど、「コラーゲン」はきわめて保水力が高い美容成分で、乾いた肌の表面に潤いを与えてくれる保湿成分です。肌や髪を保護する膜を形成する、表面をしなやかに整える、潤いを肌表面に留めるなど様々な役割を果たしてくれます。


 

様々な種類がある「コラーゲン」は、肌に欲しい効果に合わせてセレクト!

コラーゲンには様々な種類があります。アレルギーを引き起こす可能性のあるテロペプチドを取り除いたアテロコラーゲン(生コラーゲンと呼ばれる場合もあり)は、敏感肌の保湿ケアによく使用されます。高分子のため肌に浸透することこそありませんが、表皮に潤いを留める役割を果たしてくれます。加水分解コラーゲン(コラーゲンペプチド、コラーゲントリペプチドと呼ばれる場合もあり)はアテロコラーゲンと比較すると分子量が小さいため、肌内部での保湿作用が期待できます。

「コラーゲン」配合の化粧品は、美肌効果も安全性もばっちり!

コラーゲンは皮膚刺激性やアレルギー性、光毒性の報告がほとんどなく、使用実績も10年以上にわたるきわめて安全性の高い成分です。かつて使用されていたウシ由来コラーゲンはBSE(狂牛病)が注目された2001年にリスクの可能性を指摘されましたが、その後、ブタや鳥類、魚介類を原料とする方向にシフト。現在は化粧品にウシ由来コラーゲンが使われることはなく、その点でもデメリットはないといえます。

≫美容成分Q&A

医師が回答! 美容成分「コラーゲンのここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募った「コラーゲン」についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.コラーゲンの減少を遅らせるためにできることは?(MAQUIA公式ブロガー ayuさん)



A.よく『エイジングの8割は紫外線に原因がある』と言われますが、コラーゲン減少を防ぐ手段として最も有効なのは紫外線ブロックですね。日焼け止めは1年365日、必ず塗るようにしてください。また、タバコはニコチン以外にも多くの有害な化学物質を含みますし、吸うと血行が悪くなりますから厳禁です(友利先生)

Q.よくコラーゲンの摂取は意味がないと言われていますが、本当にそうなのでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー mimoさん)



A.『コラーゲンを飲んだら翌朝に肌がモチモチになる』といった即効性はないと言えます。ただ、だから飲んでも意味がないというわけではありません。コラーゲンはたくさんのアミノ酸がくっついて線維状になったタンパク質なのですが、それを細かくしたものがコラーゲンペプチドやアミノ酸です。



これらを摂取すると皮膚の水分量が上がるというエビデンスがあり、経口摂取したコラーゲンペプチドが肌まで到達しているというデータもあります。肌にハリを与えたい方、シワやたるみを予防したい方が摂取するのは無駄ではないというのが現在の私の考えです(友利先生)

【通販で購入ができる】編集部がお勧めする「コラーゲン」の入っているスキンケア&コスメ

「成分の美容的な特徴や働きについての説明は、是非実際のコスメ選びに役立てていただきたい!」という編集部の想いから、ここでは、特に編集部がお勧めする「コラーゲン」成分を含むスキンケア&コスメをピックアップしました。
気になるコスメの画像をクリックして、是非試してみて。

取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/木崎ミドリ

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最終更新日:

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