美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識をディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、セラミドの特徴や働きについてコンパクトに解説。


医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込むQ&Aも掲載。

バリア機能を支える重要成分。種類が多いので合うものをチョイス

「セラミド」とは?

スフィンゴ脂質の一種。肌表面は角層細胞とその隙間を埋める細胞間脂質でできていますが、細胞間脂質の40〜50%を占める大切な成分がセラミドです。天然の脂質成分で、細胞間脂質に十分なセラミドがあると、水分の蒸散を防ぎ、肌のバリア機能を保って乾燥や紫外線といった外的ダメージ要因からの影響を受けにくくなります。ただしアトピー体質や敏感肌の場合はセラミドが不足しがちという報告があり、また、年齢によっても減少するもの。40代の角層中のセラミドは20歳の半分近くまで減少するというデータもあります。セラミドの種類は多く、以前は数字をつけた成分名が使われていましたが、最近は分子構造によって分類し、数字以外にアルファベットをつけて表記されています。
 

ヘパリン

※イメージ図

「セラミド」の美容成分としての効果は?(メリット、デメリット)

セラミドは角層細胞の間を満たす細胞間脂質の主成分で、水分を抱え込む作用にすぐれています。敏感肌や乾燥肌では先天的に不足していることがあるため、バリア機能の強化、潤いキープのための保湿成分として多くのスキンケア製品に使用されています。
また、最近の研究では、日本人が欧米人に比べて角層が薄いことが判明しています。肌表面に分泌される皮脂量は多い反面、内部に潤いを留める能力が低いため、インナードライになりやすい傾向にあり、セラミドはスキンケアで積極的に補いたい美容成分のひとつとなっています。
化粧品におけるセラミドの安全性は問題ないとされており、副作用の報告もありませんが、原料がとても高価なため、配合されている化粧品は高価格帯になる傾向があります。

「セラミド」の種類

セラミドの種類はたくさんありますが、大別するとヒト型セラミド、擬似セラミド、糖セラミド、セラミド類似成分に分けられます。



ヒト型セラミドは文字通り、肌との親和性が高く、角層まで浸透しやすいものを指します。セラミド1、2、3…といった数字表記、もしくはセラミドEOP、セラミドNSといったアルファベットで表記されます。バリア機能を高めてくれ、しかも低刺激なので敏感肌向け化粧品にもよく配合されますが、原料が大変高価です。



擬似セラミドは化学的に合成された、セラミドに類似した成分です。ヒト型セラミドほどの効果はありませんが、濃度を高めれば保湿力を上げることができます



糖セラミドはセラミドの残基に糖が結合したもので、セラミドに似た働きをする前駆体です。植物性セラミドと呼ばれることもあります。その他、馬の脊髄から得られるものもあり、天然セラミド、動物セラミドなどと呼ばれることがあります。この中でグルコシルセラミドは、肌の水分を逃がしにくくするという報告があり、内側からのスキンケアとして注目されています。



また、セラミドという名前で表記はされませんが、セラミドの類似体も化粧品原料として人気。肌のバリア機能をサポートしてくれ、しかもリーズナブルな成分として注目を集めています。

≫ 美容成分 Q & A 

医師が回答! 美容成分「ヘパリン類似物質のここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募ったヘパリン類似物質についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.セラミド成分は、肌にちゃんと浸透していくのでしょうか?
(MAQUIA公式ブロガー 弥生さん)



A.「保湿剤は大別すると、表面で膜を張って水分の蒸発を防ぐエモリエントと、角質の水分量を増やすヒューメクタントがあります。セラミドはこの2つとはちょっと違い、お水を自分に引きつけて肌に留まるので、そのものが浸透するというより、潤いが浸透する手助けをしてくれる成分といえます。乾燥がひどい方はしっかり使うと良い成分のひとつです。」

Q.低刺激、肌負担が少ないという認識ですが気をつけた方がいいことはあるのでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー 彩さん)



A.「おっしゃるようにセラミドは低刺激ですが、種類がたくさんあります。ヒト型セラミドは浸透しやすいように作られていますが、とても高価な原料なのでどうしても配合した化粧品は高額になってしまいます。セラミドに似た働きをする擬似セラミドはそこまでの浸透力はありませんが、比較的リーズナブルなのでたっぷり使えるというメリットがあります。また、こんにゃくなどから作られる植物性セラミドと呼ばれる成分もあり、植物性の成分にこだわりたい方には人気のようです。自分の肌状態やライフスタイル、予算に合ったものを選ぶのがポイントです。」(友利先生)

取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/木崎ミドリ

MAQUIA書影

MAQUIA2021年5月21日発売号

集英社の美容雑誌「MAQUIA(マキア)」を無料で試し読みできます。7月号の特集や付録情報をチェックして、早速雑誌を購入しよう!

ネット書店での購入

share