美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識をディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、尿素の特徴や働きについてコンパクトに解説。

医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込むQ&Aも掲載。

≫カサカサ肌をレスキュー。「尿素」パワーの裏側とは?

そもそも「尿素」って何ですか?

体内でタンパク質が分解された時にできる物質のひとつで、NMF(天然保湿因子)の構成成分でもあります。水分量の増加、並びに柔軟持続性向上による保湿作用が認められており、抗真菌薬抗炎症薬の浸透を促すために配合されることも。発見そのものは18世紀。スキンケア製品に配合されるようになったのは1950年代と、歴史が長い成分です。


現在は、ハンドやフットを中心としたボディケア製品、洗顔料、ヘアカラー製品などに配合されています。

「尿素」の持つ美容的なメリットとは?

尿素は角質細胞内でうるおいを保持する役割を果たすNMFのひとつで、保湿化粧品ではおなじみの成分。肌のタンパク質を分解する作用があるため、肌表面にカサつきを感じる時などに不要な角質を柔らかくしてなめらかな状態に整えてくれます。硬くなった肌を柔らげるのに有効な成分として手荒れ対策などに使われることもありますが、濃度が高すぎると刺激となる可能性が。顔用の化粧品に含まれている濃度であれば配合量上限は3%と定められているので、刺激の心配はほぼありません。



尿素の効果を表現したイラスト

「尿素」を含むスキンケアコスメを使用するときに気を付けることとは?

手荒れ対策などの医薬部外品や洗い流す製品は高濃度の配合も認められているので、使う場合は注意が必要。特にリーブオン製品(塗布後に洗い流しがないもの)はリスクが生じるので、高濃度のものはかかとやひじ、ひざなど硬化した部分に使用すること、長期にわたり使用しないことなどが安全に使うためのポイントになります。濃度が高いほど保湿効果が高いわけではないことを念頭において使用しましょう。

≫ 美容成分 Q & A 

医師が回答! 美容成分「尿素のここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募った「尿素」についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.保湿力は他の成分と比較してどのくらい高いのでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー YONOさん)

A.尿素は昔からなじみのある保湿成分のひとつで、カサつきを改善する働きがあります。ただ高濃度になると逆に、肌のタンパク質を溶かす作用があるんです。尿素のクリームは単なる保湿ではなく、乾燥がひどい場合にカサカサを少し剥がして、他の成分を入れられるようにするわけですね。ですから高濃度なら肌にいいわけではありませんし、濃度によってアプローチが違います。保湿力が高い低いではなく、乾燥部分にカサつきがあるかで使用を決めてください。シンプルに保湿が目的であれば、尿素の入ったものを選ぶ必要はありません。(友利先生)

Q.尿素がしみたり赤みが出ることがあるのはなぜ?(MAQUIA公式ブロガー ゆかぴさん)

A.「尿素が高い濃度で含まれていると、しみたり赤みが出たりする可能性があります。ただし、化粧品でそこまで高濃度なものはなく、医薬品になると思います。ハンドクリーム代わりにこまめに使うのは避け、トラブルが出たら使用を中止してください。(友利先生)

監修/友利 新 取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧

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