目には見えないけれど、私たちの体で分泌され美に貢献したりメンタルや健康を左右している存在・ホルモン。特に気になる「女性ホルモン」について、ドクターが正しい知識を教えてくれました。

ホルモン 体と心 Q&A 女性ホルモン

私の“バランス”のカギを握る!

ホルモンの不思議100問100答

答えてくれるのは…
高尾美穂先生

産婦人科医

高尾美穂先生

イーク表参道副院長。生理や更年期について男性も交えて語りやすいムードを作った第一人者。著書多数。

森田敦子さん

フィトテラピスト

森田敦子さん

フランスで植物療法を学び、日本のフェムテックブームを巻き起こしたオーソリティ。ブランド開発も多数。

松村圭子先生

産婦人科医

松村圭子先生

成城松村クリニック院長。未病の不調治療に積極的で、サプリや漢方を取り入れた診療と親身な診察で人気。

PART2
一緒に人生を歩む相棒♡
女性ホルモンちゃんと旅するQ&A

Q 出産経験によって、分泌される女性ホルモンの量や更年期症状の出方に違いはありますか?

A ありません(高尾先生)

Q ぶっちゃけセックスレス。女性ホルモンが涸れてしまわないか心配

A 関係ありません
「もしそうなら、セックスの頻度が多い人は女性ホルモンが増えて疾病のリスクが上がってしまうはず。ナンセンス!」(松村先生)「いいセックスはアナンダミドやβ-エンドルフィンという快楽物質を分泌させますが、女性ホルモンには直結しません」(森田さん)

Q 最近耳にする「プレ更年期」や「プチ更年期」って?

A 実は医学用語ではありません
「30代で生理がきている方の不調は、医学的に更年期とは言いません。自律神経の働きがイマイチな可能性大」(高尾先生)「若い世代に起きる更年期のような症状は、自律神経のトラブル。漢方薬などでバランス調整できますが、ホルモン補充療法は適用外」(松村先生)

Q 閉経後は女性ホルモンがゼロになる?

A 脂肪からも作られます
「閉経すると卵巣では女性ホルモンが作られなくなりますが、脂肪から直接作られるエストロゲンがわずかにあります。閉経後の肥満は乳がんリスクを高めますが、エストロゲンを作るために適度な脂肪は必要」(高尾先生)

Q 性格と更年期って関係ある?

A 実は大あり
「まじめな方のほうが、更年期症状が重い傾向が。子どもの独立や親の介護、死亡などのライフイベントもマイナスに影響」(高尾先生)「自分の生活リズムや好きなことを優先する方が更年期症状が出にくい印象です」(森田さん)

Q 更年期症状の出方って遺伝する?

A 大きな関係はなし
「ホルモンの急激な変動に揺さぶられやすいかどうかに、遺伝はあまり関係ありません。お母さんがしんどそうだったからと不安の先取りをする方もいますが意識しすぎないで」(松村先生)

Q HRT(ホルモン補充療法)って?

A 更年期の自律神経失調症のような不調が改善
「女性ホルモンを薬で補う治療で、飲み薬、塗り薬、パッチの3種類が」(松村先生)「動悸や手足の冷えなど原因がよくわからない不調が改善します。肌や髪にも、コレステロールや動脈硬化などの生活習慣病、骨や筋肉、関節、認知機能にもいい影響が。乳がんリスクはアルコール摂取と同程度なのでそこまで心配ありません」(高尾先生)

Q ホルモン分泌量とセックスの感度って関係ある?

A YES!
「ホルモンの状態が悪いと粘液が適切に分泌されず、性交痛になることもあります。ホルモンが満ち足りていれば化学反応の連鎖が起き、快感が生まれやすくなる側面が」(森田さん)

MAQUIA 9月号
撮影/榊原裕一(モデル) ヘア&メイク/甲斐美穂〈ROI〉 スタイリスト/福永いずみ モデル/新田さちか イラスト/沼田光太郎 構成・文/高見沢里子 企画/吉田百合(MAQUIA)

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