「MAQUIA」5月号では、何年先もぶれない美を手に入れるための“内臓美容”に注目。今回は「肝臓」にフォーカス。飲酒の習慣がない人でも注意が必要って本当!?

お酒を飲まなくても要注意! 医師が教える「肝臓」の基礎知識_1

健康こそが最高の美容法♡

内臓美容100BOOK

教えてくれたのは…
栗原 毅先生

肝臓専門医

栗原 毅先生

栗原クリニック東京·日本橋院長。肝機能と脂質代謝が専門。“血液サラサラ”の名付け親でもある。肝臓、内臓脂肪に関する著書多数。

体に必要なものを作り有害なものを解毒する:肝臓

体に必要なものを作り
有害なものを解毒する

 肝臓 
あまり飲酒しないスリムな女性にも病気の一歩手前の脂肪肝が急増。アルコールや糖質の過剰摂取に注意!

疲れやすい、二日酔いが治りにくいのは
肝臓のSOSかも
「肝臓は我慢強く働く臓器で、皮膚が黄色くなるなど、あきらかな症状が出るのはかなり悪化してから。疲れや二日酔いが残りやすいと感じることがあれば念のため血液検査を」

脂肪肝
万病のもと
「肝臓に中性脂肪がたまると肝炎の初期段階、脂肪肝に。放置しておくと肝細胞が少しずつ壊れて肝機能が悪化し、肝炎や肝硬変に進行することも。糖尿病などの原因にもなります。脂肪肝は自覚症状がまったくなく、30代の女性にも増えているので注意」

食べる順番次第で
脂肪肝を予防できる
「過剰な糖分が中性脂肪として肝臓に蓄えられて脂肪肝に。そこで、ワカメの酢の物など食物繊維を多く含んだものを食事の最初に食べると糖の吸収を抑えることができます」

お酒を飲まなくても
脂肪肝になる
「脂肪肝にはアルコール性と非アルコール性があり、非アルコール性は過剰な糖質が肝臓にたまるのが原因。甘いものを日常的に食べる女性に多く、お酒とは関係がありません」

食生活を変えれば
1カ月で肝臓は変わる
「肝臓は再生能力が高い臓器。食生活や生活習慣を見直すことで、1カ月もあればよくなります。ただし、肝細胞が再生と破壊を繰り返すと硬くなり、肝硬変などの原因に」

肝臓のためには
チョコレートとお茶リラックス
「ストレスで体内に活性酸素が増えると肝臓にもその影響が。ポリフェノールを多く含むカカオ70%以上のチョコレートと、カテキン豊富なお茶は抗酸化力が強いのでおすすめ」

空腹時フルーツ
肝臓にはNG
「フルーツに含まれる糖は吸収が速く、すぐに脂肪に変わります。フルーツはあくまで嗜好品。朝食代わりや小腹がすいた時に食べるのはやめ、食べるなら食後のデザートに」

クマは肝臓に負担
かけているサイン
「肝臓に脂肪が増えると血液の流れが悪くなり、目の周りの毛細血管が鬱血。その部分は皮膚が薄いので透けて見え、クマに。糖質を摂り過ぎていないか振り返ってみましょう」

血糖値と肝臓の
健康には大きな関係
「肝臓に脂肪がたまるのは過剰な糖質が原因。予防するには取り入れた血糖を消費し、血糖値を下げることが重要です。食後の散歩やストレッチで血糖値の上昇が抑えられます」

デザートには和菓子よりケーキ

デザートには
和菓子よりケーキ
「洋菓子は脂質が含まれているので、糖の吸収を阻害します。血糖値を左右するのはカロリーではなく、いかに糖質の吸収を抑えるか。お米やうどんも糖が吸収されやすいので控えめに」

単糖類は食べて
1時間で肝臓の脂肪
「フルーツやはちみつに含まれるブドウ糖や果糖は単糖類といわれ、空腹時に食べると吸収されやすく1時間ほどで肝臓の脂肪になります。食べるなら空腹時は避けましょう」

筋肉不足が肝臓に
悪影響を及ぼす
「筋肉には肝臓と同様に、余分な糖質を蓄える働きがあります。つまり、筋肉を鍛えると糖代謝の機能がアップ。しかし、筋肉が少ないと糖はたまる一方で、脂肪肝を招きます」


Try Exercise!
スロースクワット
朝晩5セットで肝臓を健康
「スロースクワットは、太ももの裏側の大きな筋肉に負荷をかけることで、効率よく糖代謝の機能をアップできます。また、太ももを鍛えて足腰が丈夫になると、活動量も増えるので自然と肝臓に脂肪がたまりにくい体に」

スロースクワットのポイント

1 足は肩幅より広めにし腕を胸の前に。2 25秒かけて息を吸いつつ膝を曲げる。お尻を突き出すようにすると太ももに力が入る。ゆっくり息を吸いながら腰を上げる。膝が伸びきらない状態で2に戻る。

飲酒は適量なら問題なし

飲酒は適量なら
問題なし
「肝臓はストレスに弱いので、気分転換のために適量なら飲んでも大丈夫。ワインはグラス2〜3杯、ビールは中ジョッキ1〜2杯が目安。ただし、サワーなど甘いお酒は糖質が多いので避けること」

食前チョコレート
ダイエットに
「チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールには血糖値の急上昇を防ぐ働きが。カカオ70%以上のチョコを食前にひとかけら(5g)食べると体脂肪がつきにくく。午前と午後の食間2回を含め、1日5回がおすすめ」

Aチョコレート効果 カカオ72%パウチ 40g、Bチョコレート効果 カカオ86% パウチ 37g 各¥170/明治

コーティングされていて手につきにくいカカオを高配合したチョコレート。持ち運びと保存に便利なチャック付き。A チョコレート効果 カカオ72%パウチ 40g、B チョコレート効果 カカオ86% パウチ 37g 各¥170/明治

お酒にはウコンやしじみより
チョコレート
「ウコンやしじみは肝臓にいいといわれますが、鉄分が多く含まれているため、体内に活性酸素を発生させてしまいます。とくに肝機能が落ちている人は、飲み続けることで悪化させてしまうケースも」

肝臓が不健康だと
太りやすくなる
「肝臓は余分な糖を中性脂肪に変えて蓄積。中性脂肪がたまってくると、肝機能が落ちてエネルギー変換が滞り、そのうえ、さらに脂肪がたまって痩せにくい体に。少量の食事でも太りやすくなります」

1日に肉200g、卵2個で肝機能を整える

1日に肉200g、卵2個
肝機能を整える
「肝臓ではアルブミンというたんぱく質が作られます。不足すると栄養を運ぶ力が衰え、肝機能を含めた体の機能が低下。アルブミンのもとになる動物性たんぱく質を毎日しっかり摂ることが大切です」

MAQUIA 5月号
撮影/彦坂栄治〈まきうらオフィス〉 ヘア&メイク/木部明美〈PEACE MONKEY〉 スタイリスト/櫻井かおり モデル/朝比奈 彩 イラスト/德丸ゆう 取材·文/中木 純〈デジタルライツ〉 構成/萩原有紀(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

最終更新日:

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