【MAQUIAブライトニング・UVグランプリ2023】アベタイラにきく！ 今年の必見キーワード

今季のブライトニング＆UVのトレンドは？ 毎年登場する製品を見続ける美容のプロに、キーワードをもとに、ご解説いただきました！

平　今回大きなトピックとして挙げられるのが、細胞の横分裂。
安倍　これまで表皮細胞は、基底層から縦方向へ分裂し、排出されるという概念でしたが、横分裂することで、濃いシミやくすみの原因になっていたとは驚きました。
平　アプローチ法は違いますが、ファンケル（A）とコスメデコルテ（B）がほぼ同時期に研究していたというのは面白いですよね。
安倍　ファンケルは再生医療をヒントに、表皮細胞がダメージを受けたときに横分裂する点に着目。
平　コスメデコルテは、メラニン生成が過剰な肌では基底層で生まれたばかりのメラノサイトが大量のメラニンを抱えたまま横分裂を繰り返す点を研究。この重層化が、濃いシミや肌全体のトーンダウンを引き起こしていたことを見出しました。
安倍　どちらも細胞分裂を“矯正”し、ターンオーバーを正常化して、メラニンの排出を促すのが狙いになります。
平　そしてどちらも角層にダイナミックにアプローチするため、効果を早く感じるのも魅力です。
安倍　期待を裏切りませんね！

平　ONE BY KOSÉ（C）の「シミの発生源に直効き」というのは、個人的には一番キャッチーでした。この発想はなかったな～、と。
安倍　私はiPS細胞研究の知見をメラノサイトの詳細解析に応用したアスタリフト（D）に感動！
平　表皮のメラノサイト幹細胞がメラノサイトに分化、つまりメラノサイト自体が増えていた＝シミの発生源、という発見ですよね。
安倍　今は肌内部の可視化技術が進化しているから、これからもさらに驚きの発見がありそうです。

安倍　遺伝子解析技術が進化し、働きがわかってきている菌は、これからのスキンケアのカギに。
平　これまでも表皮ブドウ球菌が肌のバリア機能に関係があることはわかっていましたが、新たに表皮ブドウ球菌の減少がくすみを招いている事実を発見。これを応用したのが、クレ・ド・ポー（E）。
安倍　ディセンシア（F）は、誰の肌にも存在している「透肌フローラ」を増やすことで、“角層にごり”へのアプローチを提案。
平　まさに菌は時代の潮流に。

安倍　今季、私が惹かれたのは“血管”の研究。これまで血流をよくすることに注力していたのに、赤ぐすみの原因になっていたことをポーラ（G）が解明したのは、本当に目からウロコでした。たしかに、血管の収縮、拡張がスムーズにいかなければ、赤みが強く出てしまうのは納得ですよね。
平　とはいえ、血流によって代謝がよくなって生き生きとした細胞が作れるのは事実。アルブラン（H）の炭酸泡はその最たるもの。
安倍　資生堂も加齢とともに毛細血管と表皮の距離が離れることで表皮幹細胞との連携が低下し、エイジングサインが出ることを見出しましたね。この技術は、オイデルミン（I）に応用。
平　同じ血管研究なのに面白い！

安倍　いまやUV製品のマルチタスクは当たり前。そんな中、今季はデイケアまでできてしまうスキンケア発想のものが多かった。
平　クレ・ド・ポー（J）の透明感は秀逸！　しかも、紫外線ダメージを鎮静したり、赤色光を取り込み、バリア機能を修復したり。
安倍　SUQQU（K）は、潤い持続力を高めることで、さまざまな外的要因へ対処できるのがうれしい。しかも、使用感がいい！
平　カバーマーク（L）は、細胞レベルで保護、修復機能に着目することでコラーゲンを守り、ハリを持続させるのがコンセプト。
安倍　オルビス（M）は、シワ改善効果に加え、外的刺激まで肌に有益にしてしまうなんて驚き！

平　トーンアップ系とは違う、メイクUVが今季登場しました。
安倍　これも目からウロコ！
平　アディクション（N）のクッションはUVケアできるうえ、ラベンダーローズとアプリコットカラーはトーンアップ効果も。
安倍　保湿効果も高いから、メイク直しにもぴったりですよね。
平　高SPFと自然な色づきを見事両立したアリィーのチークUV（O）。チーク部分って焼けやすいから、メイクしながらUVケアできるなんて最高ですよね！
安倍　ハイライト効果が期待できるジバンシイのスティック（P）は、メイク崩れの心配もなし。
平　頬骨にハイライト、Tゾーンはテカリを抑えられるこじはる考案のバーム（Q）もさすがです！

MAQUIA5月号
撮影／橋口恵佑（物・キリヌキ）　藤澤由加（対談） 　ヘア＆メイク／甲斐美穂〈ROI〉（対談）　取材・文／藤井優美〈dis-moi〉　構成／髙橋里佳（MAQUIA）

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