美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識をディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、アルファヒドロキシ酸(AHA)の特徴や働きについてコンパクトに解説。

医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込むQ&Aも掲載。

≫ニキビケアでおなじみ、角質に働くAHAのスーパーパワー

そもそも「アルファヒドロキシ酸(AHA)」って何ですか?

α-ヒドロキシ酸、フルーツ酸などと表記されることもある、グリコール酸・クエン酸・リンゴ酸・酒石酸・乳酸などの総称です。古い角質を柔らかくしたり取り除いたり肌を引き締めたり、pHを調整する作用に優れています。種類や濃度によって目的はさまざまですが、ピーリング化粧品全般に含まれるほか、スキンケア製品やメイク、それに洗顔料、ボディ&フットケア製品などに使用されています。



また、濃度の高いものは医療機関でのケミカルピーリングにも使用されますが、AHAではなく、BHA(サリチル酸)TCA(トリクロロ酢酸)が使用されることもあります。

「アルファヒドロキシ酸(AHA)」はどんなスキンケアコスメに使用される?

グリコール酸など角質剥離作用を有するAHAは、古い角質を取り除いて肌のターンオーバーを促すため、ニキビやくすみ、シミ、小じわなどを緩和したい時におすすめです。肌のざらつきをなめらかにする作用もあり、若い人の肌のニキビ悩みから大人の肌のアンチエイジングまで、さまざまな目的で活用できます。




トコトリエノール(ビタミンE)の効果を表現したイラスト

「アルファヒドロキシ酸(AHA)」を含むスキンケアコスメを使用するときに気を付けることとは?

注意したいのは、種類や濃度によってはスティンギングと呼ばれるピリつきやひりつき、かゆみを生じる可能性があるということ。化粧品に配合されるAHAは皮膚刺激性が生じにくい濃度に設定されていますが、顔でも部位によって感受性が異なったり、体調などによって刺激を感じやすくなったりすることがあります。初めて使うAHA製品の場合は腕の内側などで試すこと、また、使ったことがある製品でも刺激感があればすぐ使用を中止することが大切です。



また、ピーリングジェルの中には肌をこすると消しゴムのカスのようなものがポロポロと出てくるタイプのものがありますが、これはゲル化剤が固まってできるもの。不要な角質や垢が取り除かれて生じるものではないので、誤解しないよう注意しましょう。

≫ 美容成分 Q & A   

医師が回答! 美容成分「アルファヒドロキシ酸(AHA)のここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募った「アルファヒドロキシ酸(AHA)」についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.肌が弱いためピーリングは行っておりません。食事で摂取できないでしょうか?(MAQUIA公式ブロガー asamiさん)

A.食事で摂取は難しいです。アルファヒドロキシ酸(AHA)の作用は濃度によってかなり違いますので、肌が弱くて心配な方はクリニックでのピーリングがおすすめです。(友利先生)

Q.ピーリングに良いとされる成分の中で、強さはどのくらいですか?ピーリングに良いとされる成分の中で、強さはどのくらいですか?(MAQUIA公式ブロガー Yuriさん)

A.アルファヒドロキシ酸(AHA)というもの自体が、ピーリング作用のある酸性成分の総称です。グリコール酸や乳酸、リンゴ酸などの総称であり、組み合わせて使う場合もありますし濃度もさまざまに調整できるので、どれが強いと一概には言えません。(友利先生)

監修/友利 新 取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧

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最終更新日:

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