秋冬になると活躍頻度がグッと高まるダークカラーの服。「MAQUIA」11月号で連載中の『神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場』では、神崎さんが今シーズン気になるという、ツイードジャケットを主役に、黒ファッションを素敵に着こなす極意をレクチャーします。
神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場
きゅん♡を誘う女になる
1975年生まれ。美容家であり、3人の息子をもつ母。ひとりひとりに合わせたメイクやビューティスタイルを提案するアトリエ「mnuit」を主宰し、美容誌をはじめ、各女性誌で連載を持つ他、コスメブランドのアドバイザーを務め、女性を美しく導く製品の開発、プロデュースなど活動の幅を広げている。書籍の累計発行部数は144万部を超え、メイクテクニックなどを集約させた最新著書が早くも話題に。
SCENE:黒ファッションを主役にする日
赤みよりのベージュリップ&眉で、黒JKに女らしさ注入
最近クローゼットに増え続けている黒い服。黒のもつハンサムなのにレディという、特有の空気感に魅せられている。中でも気になるのがジャケット。つるっと整えられた生地ではなく、ツイードのような表面に粗くあたたかな風合いをもつもの。それに白いブラウスを合わせるのが今いちばん好きなスタイルだ。合わせるボトムスはシンプルなパンツがいい。ジャケットとブラウスというエレガントな雰囲気に辛みを加えるくらいのバランス。いい具合の抜けがでるような気がしている。
メイクやヘア次第では、コンサバに仕上がるこの組み合わせをもう少し崩したくて、今回、前髪をカット。重め長めの前髪にしたことで、脱コンサバが叶った。顔まわりに影やニュアンスが増える=個性が生まれるのもいいところだ。最近、SNSで目がとまるのもこのバランスをもつ女性たち。シンプルに下ろした髪に黒を纏い、パンツやデニムでカジュアルに。高貴な黒を日常で楽しむ姿が美しくて思わず保存。その保存した画像を眺めるたびに、やはり黒という色は、ひとを美しく見せる色なんだな、と確信している。
肌は透明に、瞳の色を深く見せ、佇まいに品と華やかさを湧き立たせる黒。この完璧とも言える色を着こなすには、「気負わず軽やかな気持ちで」という、テンションが必要だということがわかってきた。冠婚葬祭やここぞというときに選びがちな色だけに、組み合わせ方によって、硬い印象や気張った印象になりやすい危険な色でもあるからだ。
いまどきの綺麗なひとに見せる黒は、ある程度の余裕が必要。例えば、合わせるメイク。肌は素肌を感じるくらいラフに仕上げ、そこに赤みよりのこっくりベージュのリップを。そして、眉にも赤みをプラスし、ニュアンスを足すくらいで仕上げる。髪は巻きすぎず軽めに動きをつけ、ナチュラルに下ろす。これくらいのざっくりさが、キレイなひとに見せるちょうどいいバランスなのかもしれない。
強く印象的な黒は
甘さ&辛さをミックスして自分バランスに
黒ジャケットに合わせるのは、フリルやボウタイの白ブラウス。合わせるボトムがパンツならば、ここは思い切ってアクセントになるものを選ぶことが多い。ジャケットは袖を通し、袖部分からフリルをのぞかせたり、首元のディテールの存在感を引き立てるよう調整。甘さのある白でも、ジャケットとラフなヘアメイクと合わせることで、甘辛バランスに仕上がるのがいい。
メイクは、こっくり色のリップで深みのある顔にするか、ヌーディーなワントーンでさらっと仕上げるかの2択。どちらにせよ、ベースは素肌っぽくナチュラルに、やりすぎないことが黒を着こなすための重要なポイント。
神崎流・美人レシピ
シックな黒のツイードジャケットに、フリルの柔らかさが魅力的な白のブラウスを合わせて、クラシカルな雰囲気に。アクセサリーはゴールドで統一して、クラス感を高めるのが神崎流。
頑張ってる感を出したくない日は、メイクに派手色は厳禁! 眉をトーンアップさせて、唇には程よいツヤと赤みのあるベージュリップで、さりげないのに女らしい仕上がりを目指して。
a 高密度の極細ブラシが眉毛をきちんとキャッチし、自然な仕上がりに。赤みよりのシックなブラウン。アイブロウマスカラ マイクロ 003 ¥3080/アディクション ビューティ b ボルドーニュアンスを感じる、ベージュブラウンリップ。ルナソル プランプメロウリップス サテン EX06 ¥4400/カネボウ化粧品(阪急うめだ本店限定色)
ヘアスタイルもやりすぎ感を出したくないから、軽さとカジュアルさを重視したい。毛先を巻き込まずに、髪全体をランダムに巻いて、空気を含ませるように手ぐしでざっくりとほぐす。
MAQUIA 11月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/天日恵美子 ヘア/工藤由佳〈Un ami〉 スタイリスト/松島 茜〈io〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)
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