みなさんから届いた質問やお悩みに、えみが真正面から向き合う大人気連載。多くの人にとっての日常のルーティンをどんな風に捉えているのか、想いを語ります。

鈴木えみ

えみはどう考えて、どう思う?
EMI SAYS...,

Q.『働く』って何ですか?

A 私にとっては生きてることを実感できるツールです

続けることの大切さを、日々感じています
中学生でモデルの仕事を始めたときは自由を感じたし、自立してる感覚はあったけど、特に“働く”って感覚はなくて。初めて考えたのは雑誌の『PINKY』の卒業後、一日4~5本撮影が入っていた忙殺期だったの。基本的に欲張りなタイプだから1つ1つの仕事を味わうように向き合いたいのに、記憶が無い程に目まぐるしくて、流れ作業のようになってしまうのが嫌で。その後妊娠や出産があって自然とペースダウンしていったけれど、仕事のプロセスを楽しめないのはやりがいが半減してしまうんだなって実感しました。やりがいと言えばもう一つ。モデルは求められて初めて成立する職業で、だからこそ自分軸で動かせるお洋服の仕事を立ち上げたんです。でもそんな中、約20年間雑誌や電波を通してメディアに出させてもらっていることで、ファンの方たちから「えみさんの影響で転職しました」とか、「ヘア&メイクになりました。いつか一緒にお仕事をするのが夢です」ってメッセージがたまに届いたりして。そういうときに、私が発信していたものが少しでも届いていたのかもって感じて、モデルという仕事をやっていて、続けていてよかったなって改めて思います。このまま、定年を迎える歳を過ぎても何かを生み出し続けられたらいいな。

鈴木えみ-2

自分の機嫌を取るのは働くうえで大事なこと
仕事を続けてある程度場数も踏んで、大人になった今では経験から身に着けた術もたくさんあります。でも昔は若かったこともあって、撮影中に絶望的な気持ちになったり、『いつか終わる、終わらない撮影はない‼』って心の中で呟いたりしたことも(笑)。そんな頑張った日はメロンをまるごと食べちゃうとか、髪にこれでもかってくらいリンスをつけてツルッツルにしたりとか(笑)、自分にたっぷりご褒美をあげていました。仕事って必ずしも良いことだけじゃないし、やりたいことの中には細かいやりたくないことがいっぱいあるけど、それは当たり前で、どんな職業の人も同じだと思うんです。だからそこで匙を投げてしまうのは諦めが早すぎるし、甘えじゃない?なんて思っちゃう。『働く』って、社会の一員である限り、ほとんどの人にとっては当然のこと。私の場合は、『好き』や『興味』の対象をすぐ仕事に繋げちゃうタイプだけど、もちろんそうではない場合も多いですよね。でも、だからこそなるべくポジティブに捉えられるように、些細なことでもやりがいを感じられるように仕向けていったり、自分のご機嫌を取りながらうまく折り合いをつけていくことが、すごく大事なんじゃないかなって思ってます。

MAQUIA 3月号
撮影/久野美怜〈SIGNO〉 ヘア&メイク/サイトウコトエ スタイリスト/菅沼 愛〈TRON〉 モデル/鈴木えみ(マキアミューズ) 構成・文/森山和子 企画/吉田百合(MAQUIA)

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