お年寄りのトレードマークだった白髪も、薄毛同様に若年化しているとの情報が。髪のプロフェッショナル「Dr.e CLINIC(ドクターイークリニック)」の高橋栄里先生、詳しく教えて下さい!
Q.白髪はどうして出来るの?
「そもそも毛が黒く見えるのは、メラノサイト(色素細胞)が孟母細胞にメラニン色素を供給することによります。加齢や何らかの原因によって、メラノサイトの数が減ったり、メラノサイトの働きが弱くなったりすることで、メラニン色素がつくられにくくなって白髪が増えていくのです」(高橋先生)
Q.どうしてメラニン色素が作られなくなるの?
「加齢や、ストレス、遺伝などが関係していたり、体内の活性酸素が影響しているということが分かっています。ですが、残念ながら、完全な理由はまだ解明されていません」(高橋先生)
Q.いつも同じところに白髪が生える理由は?
「髪をつくる細胞自体が元気がなくなってしまったり、ダメージを受けていることにより、白髪が生える毛穴はメラニン色素を作り出せなくなってしまっているんです。なので、そこから生えてくる毛はいつも白くなってしまうんですね。また、白髪は太く長い毛のほうが早く起こりやすく、まず頭髪に始まり、その後に眉毛、あごひげ、腋毛、陰毛にあらわれます。頭髪では側頭部に目立ち始め、次第に拡大します。」(高橋先生)
Q.若白髪はなぜ出来るの?
「10代後半から20代に白髪になるのを若白髪といいますが、これは遺伝的なところが大きいですね。ただ、やはり謎が多くて一概には言えませんが、メラニン色素を作るメラノサイトそのものが、遺伝に関係していると考えられます。また、先天性疾患の1症状として出る場合もあります」(高橋先生)
Q.黒い髪の毛の一部分だけが白髪が! なぜ?
「あざの一種など母斑性のもの、白斑によるもの、物理的・化学的・薬剤により一時的にメラニン色素が作られなくなり、一部分だけ白髪になることがあります」(高橋先生)
Q.『一晩にして髪が真っ白に!』という話はありえる!?
「あれは都市伝説ですね。毛そのものは、角化した死んだ細胞からできているので、精神的なショックから一晩で色が変化することはないですね。しかし、白髪まじりの方に円形脱毛症が広範囲に及んだ場合、黒い毛から一気に抜け毛が進むため、後に残される白髪が目立ち、急に白髪が増えたという印象を与える場合があることから、その都市伝説が生まれたのでは?と推測されます」
「これは余談ですが、円形脱毛症はストレスが原因とされてきましたが、原因は自己免疫によるものだとわかってきました。なので、ストレスにより一晩で白髪になったというのも都市伝説の一つです」(高橋先生)
皮膚科医ならではの視点で、ずっと流れ続けてきた都市伝説まで、丁寧に説明をしてくれた高橋先生。次回は気になる対処法をご紹介します!
髙橋栄里 先生
Dr.e CLINIC(ドクターイークリニック) 院長。
皮膚科医、美容皮膚科医として15年のキャリアをもつ。
「髪も皮膚の一部」ということから髪の研究をスタートし、大手AGA専門クリニック院長に就任。AGA発毛統括指導医としても活躍後、毛髪専門のDr.eCLINICを設立した。今年の7月から麻布十番にてリニューアルオープンをし、男性女性ともに通いやすいクリニックを目指している。完全予約制のため他の患者さんとの顔合わせが無く、徹底的にプライバシーに配慮している。現在、美容皮膚科の『麻布ビューティークリニック』も兼任。雑誌の読者モデルの経験もあり、ビューティネタやファッションなどにも詳しい。
http://dre-cli.com/
撮影/坂本ようこ 取材・文/森山和子
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