最新アルバム『Honey』を引っ提げた、KAT-TUNの全国ライブツアー。5月5日、代々木第一体育館にて行われた東京公演に、連載「亀カメラ」チームでお邪魔してきました。オトナな魅力がぎゅっと詰まったその内容を、連載担当ライターの芳麗さんがレポートします! 

KAT-TUN ライブレポート 大人の色気に酔わされた時間_1

成熟した大人の色気があふれる贅沢な時間

 17年目のKAT-TUNのライブは、集大成とも新境地と言える3人の魅力が炸裂していた、静かな快感と興奮が絶え間なく続くようなとても贅沢な時間だった。



 ツアー前の連載「亀カメラ」のインタビューでは、「今回のテーマはこの状況を逆手にとって、声を出さずとも心踊るようなライブにすること。これまでとは全く違うものを見せられると思う」と語っていた亀梨さん。


 ジャニーズ初のドローンやウォーターカーテンと呼ばれる水を30トンも使用する演出など、華やかかつ細部まで目が離せない仕掛けが盛り沢山。だけど、“これまでとは全く違う”という言葉の核は、彼らの佇まいやパフォーマンスそのものにあったように思う。


  今までだってKAT-TUNは男っぽく個性的なグループとして唯一無二の光を放っていたけれど、この日は、紆余曲折をへて成熟した彼らの大人の余裕と色気がくっきりと浮かびあがっていた。

ここに惚れなおした!MAQUIAが発見した3つの見どころ

見どころ① 美学と経験値がにじむ。大人の色気とはこういうこと! 

 KAT-TUNの大きな魅力だったワイルド&セクシーは、3人が30代半ばを迎えた今、大人の余裕をまとった色気に昇華していた。


 ライヴ冒頭、3匹のハチの形をしたメンバーカラーのドローンが空中を静かに舞う。その美しい光景に見惚れていると、前方のステージから三人が威風堂々と登場するというドラマティックなオープニング。新アルバム『Honey』からとりわけ色っぽくインパクトの強い曲を立て続けに披露する。


「声は出せないけど、心と体で思い切り愛し合おうぜ」


亀梨さんの第一声に、会場全体のムードは一気に甘く熱くなっていく。アルバムでも感じられた3人のボーカルの進化は、ライヴだとより伝わってくる。亀梨さんのファルセット、中丸さんのボイスパーカッション、上田さんのラップも技術とパッションが絶妙なバランス!3人の声の掛け合いもまたクールで引き込まれる。


 
 上田さんが黒と赤の衣装、マントを翻しながらドラマティックに踊る。亀梨さんが楽曲に合わせて多種多様な投げキッスやウインクを客席に届ける。中丸さんが緩急のあるダンスとクールな表情で魅了する。


 色気の方向性は三者三様だけど、共通しているのは、“オレの美学”を色濃く感じさせるところ。とにかく、3人とも容赦なく男っぽさとカッコよさ全開で客席と対峙するからドキドキが止まらない。


 大人の色気とは、ストレートな愛の言葉やキラキラした演出のみならず。こんな奥行きの有る表情や悠然とした一挙手一投足、経験と努力に裏打ちされた圧巻のパフォーマンスにこそ現れるのだ。


 

見どころ② それぞれの深い世界観に溺れてしまうソロコーナー

KAT-TUN ライブレポート 大人の色気に酔わされた時間_2

 毎回、それぞれの個性と世界観が炸裂しているソロコーナーは、ますます深化。やはり大人の色気と個々の新しい魅力が堪能できた。


 上田さんのソロ曲『Lollipop』は、ストリートの設定で野性味あふれる挑発的なダンスパフォーマンスを披露!途中、着ていたシャツを脱ぎながら踊り出す様子に、会場中が息を飲んでいた。


 中丸さんのソロ曲『ムーンショット』は楽曲に合わせた宇宙のような神秘的な青の世界の中、静かに佇んで歌う様子が印象的で。観るほど聴くほどに、じわじわとした余韻と心地よさをもたらす。


 
 そして、亀梨さんのソロ曲『夜は空いてる』はまるで短編映画のようなストーリーと演出!CHARAさんが彼のために綴った歌詞を、ポエトリーリーディングのような叙情的なボーカルと多彩なパフォーマンスで表現していた。自身のソロ曲に関しては、「しばらくはネタあかしはできないけど、いろんな思いを仕掛けに込めたから。思う存分、みんな妄想して語り合ってくれたら嬉しい」と事前に語っていたけれど……。切なく甘く、ラストには予想外の衝撃もあって、どっぷりと引き込まれた。It’s亀梨ワールド!


 

見どころ③ 男子校ノリのMCは、絶妙すぎるトライアングル!

 楽曲中は大人の色気を魅せる彼らも、MCでは一転、恒例の男子高生のようなヤンチャノリでトーク。KAT-TUNのMCやメンバーの関係性の魅力とは、甘々な仲良しモードとは一味違うところ。本気のふざけあいであり、いじりあいにアリ! 毎回、その時のムードや話題によって、ツッコミを入れる2人とボケる1人の2対1の構図になってふざけあう。構図の違いによって、関係性やトークが変化するのが、また面白いのだ。

 この日、ツッコミ側として結託したのは、亀梨さんと上田さん。MCコーナー直後の中丸さんのソロ曲「ムーンショット」を紹介する際に、「これまで一度も曲名をちゃんと紹介してくれない!」と嘆く中丸さんを前に嬉しそうな2人。毎回、「カレーの王様」「アクアパッツア」など偽の曲紹介をしていたらしく、「今日こそお願いしますよ」と言い残して、中丸さんがステージをはける。すると、上田さんは「では、中丸雄一『Dear.コウイチ&アニキ』です」と満面の笑みでふざける。

 ちなみに、コウイチ&アニキとは、この日、観覧に訪れていたKinKi Kidsの堂本光一さんと嵐の櫻井翔さんのこと。2人とはとりわけ交流の深い上田さんは、「コウイチ! アニキ!(櫻井さん) 2人合わせて、コニキ!」と嬉しそうに。光一さんを何度も「コウイチ!」とおふざけで呼び捨ててはしゃぐ姿も印象的だった。ちなみに、上田さんは堂本さん主演の舞台「Endless SHOCK」で共演経験が。役名の「コウイチ」として呼び捨てしたようでした。一方、亀梨さんは「子供の日」ということでスタッフに手渡されたという、小さな鯉のぼりを持って花道を子供のように駆け回る姿もまた忘れ難く……。

 大人の男として成熟しながらも、こんなヤンチャな振る舞いや会話、チャーミングな表情を見せるなど、いまだ少年みを多分に残しているところも、きっと3人の共通点だ。

これからもKAT-TUNは進化していく

KAT-TUN ライブレポート 大人の色気に酔わされた時間_3

 見所はまだまだあるけれど、何はともあれ、3年ぶりにフルキャパシティで行われたKAT-TUNのライヴは、大成功。亀梨さんの予告通り、声は出せずとも至極、心躍るライブに! 


 亀梨さんは、よくライブをデートに例えるけれど、今回のライブをデートとして表するならば、細部までの心配りと予想外のサプライズが詰め込まれた大人なデート。
初めて訪れた人は1発で彼らに落ちてしまうし、長年、ライヴに通い続けている人も改めて惚れ直してしまうに違いない。


 興奮と感動も覚めやらぬ5月某日。再び、連載「亀カメラ」にて亀梨さんにライブの感想を伝えると、嬉しそうな笑顔に。


「まだまだ、自信はないけど経験はある。それに気づけたツアーかもしれない。デビュー17年目だけど、3人になってからは6年かな。もう、3人でKAT-TUNやってきた時間がいちばん長いんだよね。それぞれの考えや生き方はありながら、目線を合わせてやってきて。今、本当の意味で俺たちなりの形、3人の形ができたのかもしれないね」


控えめな言葉ながら、そこには、これまでの自分たちの歩みへの感慨と誇りも感じられた。きっとこれからもKAT-TUNは進化していく。


 

撮影/詫間由佳 取材・文/芳麗 

芳麗

ライター

芳麗

数多くの雑誌、書籍、WEBに媒体に寄稿。著書に『相手も、自分も気持ちよく話せる秘訣』(すばる舎)など。音声番組Voicy『芳麗の女と文化の話cafe』も好評。

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