美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識をディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、トラネキサム酸の特徴や働きについてコンパクトに解説。


医師が回答トラネキサム酸するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込むQ&Aも掲載。

肝斑にも効く、メジャーな美白有効成分の代表格。ただし内服には注意が必要!

「トラネキサム酸」とは?

2002年に承認された、医薬部外品の美白有効成分です。化粧品会社によってm-トラネキサム酸、ホワイトトラネキサム酸といった異なる呼称を使用していますが、成分としては同一のもの。元々は止血剤や口内炎の治療薬として利用されていたアミノ酸の一種 ですが、偶然、肝斑の改善効果があることが発見されて、美白剤として注目を浴びるように。また、その後も研究が重ねられ、抗炎症作用があること、肌荒れを誘発するタンパク分解酵素の生成を抑制することなども明らかになり、ますます期待されている成分です。

スキンケアコスメで使われる「トラネキサム酸」の役割とは?

トラネキサム酸は止血剤として歯磨き粉に使われることもあるほどで、医薬部外品の有効成分として承認されてから20年近くという実績もある、安全性の高い成分といえます。紫外線を浴びて肌に炎症が起きると「プロスタグランジン」という炎症性物質・情報伝達物質が発生し、それがメラノサイトを刺激するのですが、トラネキサム酸はプロスタグランジンの発生を抑制し、シミや色素沈着を防いでくれます。また、肝斑に対する効果は多数報告されており、色素沈着を抑える、体内の炎症を引き起こす「プラスミン」を抑制するなど多くのメリットが判明しています。その抗炎症作用から、ニキビ用化粧品に使われることもあり、シミ、そばかす、肝斑、ニキビなど幅広い肌悩みをケアするために配合されています。
 

ヘパリン

※イメージ図

「トラネキサム酸」の副作用とは?

トラネキサム酸はごく稀に、内服した場合に食欲不信や吐き気を感じる人がいます。止血作用があるため、脳梗塞や心筋梗塞といった血栓性の病気の恐れがある人は、内服によってそのリスクが高まる可能性があります。
また、他の止血剤を服用している人、ピルを服用している人も、血栓が生じる恐れがあるため、トラネキサム酸を同時に服用することはできません。
 

≫ 美容成分 Q & A 

医師が回答! 美容成分「トラネキサム酸のここが知りたい 」

美容に関心の高い方から募ったトラネキサム酸についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。

友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。 

Q.トラネキサム酸は3ヶ月以上飲んでいても人の体に影響はないでしょうか。また、飲み始めてから、肩こりが強くなったように感じているのですが、関係がありますか?(MAQUIA公式ブロガー Airiさん)



A.「トラネキサム酸は止血剤としても用いられるので、血液が固まりやすくなるという副作用があります。血栓ができるリスクがあるので、服用する場合は3ヶ月、半年など期限を決めるのが基本です。また、血栓リスクが上がる妊娠中の服用、脳梗塞などの持病がある方の服用もNGです。ただし、化粧品等として肌に塗布する、クリニックなどで肌表面から導入する分には問題ありません。」(友利先生)



トラネキサム酸の服用と肩こりの関係は、これまで特に報告されてはいません。服用によって肩こりが生じたというよりも、シミや肝斑が気になる年代の方がトラネキサム酸を使用することが多く、その年代の方は肩こりにも悩まされやすいということではないでしょうか。

Q.トラネキサム酸は、肝斑への対処として処方されると思いますが、色々な健康食品的なもの、健康にいいとされるものなどで併用するとリスクがあるものなどを教えてください。(MAQUIA公式ブロガー sakiさん)



A.「健康食品はあくまでも補助食品なので、トラネキサム酸と飲み合わせるとダメなものは特にありません。ただし、血液を凝固させる作用のあるピルとの飲み合わせは避けてください。
そしてもう1つ大切なのは、薬剤は肝臓や腎臓で代謝されるということ。肝機能が低下している方は、負担をかけてしまわないか医師に確認してから服用するのがおすすめです。」(友利先生)


取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/木崎ミドリ

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