星の数ほどのコスメを見尽くしてきた美容ジャーナリスト・安倍佐和子さんと小田ユイコさんに、2023上半期の注目キーワードや、肌で感じたリアルトレンドを大いに語っていただきます。

美容トレンド 白湯メイク MAQUIAベストコスメ2023上半期

MAQUIAベストコスメ2023上半期

ベスコス投票権を持つ79人の美賢者のクチコミから
アベ&オダコンビが読み解く!
2023上半期を象徴する美容トレンドを総まとめ

教えていただいたのは…
安倍佐和子さん

美容ジャーナリスト

安倍佐和子さん

化粧品会社勤務を経て、女性誌エディターに。現在はフリーランスとして、多くの女性誌で編集、執筆活動を続けている。

小田ユイコさん

美容ジャーナリスト

小田ユイコさん

美容記者を30年にわたり続けてきた経験から、美容全般に精通。最新の情報を女性誌やSNS、WEBなどで発信している。

「信頼度を高めるサイエンスの可視化」

浸透技術の進化で即効性にも期待!

オダ 今期、まず注目したいのが浸透技術の躍進。オイデルミンの資生堂独自の乳化技術も素晴らしいけれど、特に目立ったのが各メーカーによるリポソーム「競争」。リポソームはいわゆるデリバリーシステムで、ディオールやコスメデコルテの印象が強いけれど、そこに新たにアスタリフトやトランシーノ、インナーケアではSINTOも参入。
アベ 化粧品に初めてリポソームを取り入れたのが1986年のディオール、と決して新しい技術ではないけれど、進化して発展していく様子にはワクワクしちゃいます。
オダ ディオールやアスタリフトは単層リポソームで、有効成分をしっかり配合でき、ダイレクトに攻め込めるのが特長。コスメデコルテやトランシーノは多重層リポソームで、満遍なく長期的に効果を発揮。こういった各社の違いも面白いですよね。
アベ しかもコスメデコルテはリポソームだけでなく、ナノバイセルという、新たなカプセルテクノロジーとの合わせ技だから、時間が経っても乾く隙がないんですよ。

「リポソーム競争で浸透力が更なる高みへ」

オダ 本当、そうなのよね。肌に瞬時にふっくらとしたハリ感も出る。
アベ 即効的な実感ももちろんあるけれど、コスメデコルテはそのリポソームによる角層保水構造を可視化している透明性も素晴らしいのよね。
オダ 信頼度が変わりますよね。ディオールもiPS細胞研究所のCiRAと組んで、幹細胞について共同研究しているしね。
アベ そういった主役の裏側のテクノロジーの進化によって、よりアイテムが輝くのを肌で感じましたね。

「洗顔&クレンジングが保湿のファーストステップへと昇華」

クレンジング&洗顔、UVの進化が完成形に

オダ 洗顔料やクレンジングの進化も毎年言われているけれど、今年はその完成形に行き着いたという印象。本当の意味で、保湿ケアの第一歩になったと感じましたね。
アベ 本当に。落としもの系はどれも素晴らしいアイテムばかりで、投票するのに相当悩みました。
オダ わかります。正直、オイルクレンジングは苦手だったのですが、THREEもSUQQUも、洗い上がりの肌が素晴らしくて。オイルへの抵抗感がなくなりました。
アベ いいですよね! クレンジングのような進化でいうと、UV系も完成形に近づいたと感じます。
オダ まさに。どんどんスキンケアそのものになっていますよね。クリームや美容液を塗っている感覚に。
アベ SUQQUやカバーマーク、クレ・ド・ポーと、どれも非の打ちどころが見当たらないんですよね。
オダ 私はテニスをしているから毎回実感するのですが、最近のUVって本当に焼けないんですよね。しかも塗っていて肌が心地良い。
アベ わかります。日焼け止め効果はもちろん、保湿力、肌あたりの良さ、美容効果など、全てを備えた完璧なUVがとても豊作でした。

「ただ日焼けを防ぐだけではない多機能UVが当たり前に」

「メイクもスキンケアも“白”ではなく“透明感”」

ナチュラルに盛れる白湯メイクムーブへ

オダ メイクは脱マスクの影響で、リップが楽しくなりましたよね。
アベ 本当、おかえり!という気分になりました。その中でも、特にグロスが優秀でしたよね。ディオールのリップ マキシマイザーはもちろん、SUQQUやTHREE、ジルスチュアートも、素の唇を底上げしてくれる仕上がりで、つけていて気分がアガりました。
オダ 膜厚なテクスチャーで落ちにくいし、フォルムや質感で唇そのものを美しく盛れちゃう。
アベ わかります。今期はグロス系もそうですが、その他のメイクアップアイテムも、ナチュラルに盛れるアイテムが多かった印象。
オダ ベースは素肌感を生かしたアイテムが多かったし、アイシャドウも締め色のないニュアンス系がほとんど。眉も細めや薄めの傾向に。ナチュラルに盛る「白湯メイク」ムーブになっていますよね。
アベ 透明感が高まりますし、大人こそどんどんトライしたいですよね。
オダ ブライトニングコスメも、シミケアを超えて、赤みや黄み・青ぐすみなどの肌を曇らせる「色」にアプローチするものが増えましたしね。
アベ メイクもスキンケアも、目指しているのは、白を超えた透明感の世界なんだと思います。

MAQUIA8月号
文/藤井優美〈dis-moi〉 巽 香 谷口絵美 構成/火箱奈央、髙橋里佳(MAQUIA)

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MAQUIA2024年9月21日発売号

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