印象操作や笑顔ケアなど、新語が飛び交った下半期。プロたちをざわつかせたコスメとは? 美容界のトップランナー2人が、2021下半期ベストコスメを総括します!


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安倍佐和子 神崎恵 2021 下半期 美容 キーワド× ベストコスメ

安倍佐和子×神崎 恵
2021年下半期の美容を紐解くキーワード8

神崎 恵さん

美容家

神崎 恵さん

本誌をはじめ、さまざまなメディアでひっぱりだこのパイオニア。自身のInstagramのフォロワー数は57万人を超え、著書の発行部数は累計145万部を突破。

安倍佐和子さん

ビューティエディター

安倍佐和子さん

サイエンスからモードまで、幅広い知識と経験に裏付けされたわかりやすい記事が定評。雑誌や広告をはじめ、製品プロデュースやブランディングでも活躍。

Skincare

記憶に残るのは名品の進化

記事が続きます

名品スキンケアの進化に拍手


神崎 今期のスキンケアはどのジャンルも平均点以上が目白押しで、すっごく悩みました。
安倍 同じく。悩み対応コスメより底上げ系が充実していた印象で、サステナブルに配慮された製品も数多く、選択肢の幅の広さを実感。
神崎 そのなかで注目を集めたのが、コスメデコルテのリポソームやゲランのアベイユ ロイヤルなど、歴代の名品たちの大きな進化でした!
安倍 SHISEIDOのアルティミューンもそう。名品の進化って難しいはずなのに、これらは成功例。
神崎 改めて土台ケアの大切さを見直したい今。名品に立ち返るチャンス到来だと言えます。


安倍&神崎's Answer
頼れるアイテムこそ、そのアップデートを体感すべし


 


本格アイケアが大充実


安倍 マスク必須のニューノーマル時代は、唯一、見える目元のための製品も充実。クラランスやエスティ ローダー、ディオールからは人気ラインのアイケア版が登場。力が入っていましたね。
神崎 SENSAIの温冷ケアという発想も新鮮で保湿以上のアプローチも続々。
安倍 スマホやブルーライトによる目元の疲労度が数値化され、アイケアは欠かせない時代になったんだなと実感。
神崎 面白いなと思ったのが、印象を操作しようというアプローチ。目元がその人の印象を左右することはよく知られていますが、マスクで顔半分が隠れている今、その比重はより大きく。
安倍 アイブロウブームに火をつけたのも目元の印象操作の影響。
神崎 これほど目元ばかりを見つめることはありませんでしたから。


安倍&神崎's Answer
唯一見える目元の疲労感をおさえながら、印象操作まで!


 


洗顔で気持ちをリセットする時代に


安倍 2020年のニューノーマル美容の台頭から、洗顔料やクレンジングなどの落とすアイテムがさらに多様化!
神崎 洗顔の意味が変わったようにも感じています。コロナ禍からの約2年、重く溜め込まれていたものをすっきり洗い流したい。そんな気持ちを代弁してくれるようなアイテムがたくさん。洗顔が癒やしの時間になっていました。
安倍 確かに。泡で落とさない、温感や炭酸などの技術を駆使して“断捨離”するといったアイテムも多かったですね。
神崎 落としながら美容効果を与えてくれるものも豊富なので、このジャンルの多様化と進化は、大いに納得できるところです。
安倍 来期も楽しみなカテゴリー♪


安倍&神崎's Answer
心の澱みまでさっぱり洗い流す
洗顔の役割が変化


 


香りなど目に見えないものへの価値が上昇


安倍 一年前の同じ企画で、自分軸というキーワードが浮上。自分と向き合う時間が増えて、香りへの関心が高まったという話でしたが、その傾向は今期も継続。スキンケアやヘアケア、ボディケアまで優しい香りのものが主流に。
神崎 目と頭の使いすぎで五感のバランスが崩れがち。だから目に見えない優しい香りやテクスチャーに心惹かれるんだと思います。肌に纏うものはすべて自分を慈しむためという感覚がスタンダードになっていくのではないでしょうか。
安倍 他人へのアピールでもある香水さえ花や自然にこだわったものが増加。自分軸=自己肯定感なのかもしれません。


安倍&神崎's Answer
自分のための美容軸は嗅覚や触覚を優先


Makeup

リップを塗ればスイッチON

リップは心のスイッチ。質感至上主義


安倍 いまだマスク着用が続いているのに、もう我慢できないとばかりに新リップが続々登場。色のみならず、マットやリキッド、バームなど、質感の豊富さも含めて、まさに百花繚乱でした!
神崎 リップは心のなかのスイッチだと思っているんですが、昨年はずっとスイッチオフしたまま。でも、もう限界。マスクで見えなくても、スイッチを押すためにリップを塗るという境地なのでは。リップこそ自分を鼓舞する最強のアイテムだって気づいた方も多いと思います。
安倍 神崎さんが言うように、“ルージュをひく”って、気持ちが引き締まります。実際にリップ市場は堅調で、とくに下半期は、トリートメント効果を持つバームに人気が集まっていたようです。


安倍&神崎's Answer
気持ちを上げる、変えるリップの効果を再認識


 


キラキラコスメに夢中♡


神崎 停滞感を払拭してくれるキラキラコスメにも心惹かれました。
安倍 久しぶりのキラキラ系復活、やっぱり心が躍りましたね。
神崎 ひと昔前のミラーボール的なキラキラではなく、普段のメイクに落とし込める上品なキラキラ系が豊富でした。
安倍 その象徴的なアイテムがディオールスキンのルミナイザーだったのかも。同時に、カラフルなラインやマスカラなど、色遊びの提案も印象的でした。
神崎 髪色を明るくした、髪を切ったという人も多くて。どこか変えたい、気分転換したいという想いの表れなのではと。キラキラとカラフルは、私たちの気持ちを代弁してくれていたようです。


安倍&神崎's Answer
キラキラ&カラフルが、変わりたい願望の近道に


 


百花繚乱の眉アイテムは戦国時代


安倍 先ほど、アイケアと印象操作の話が出ましたが、眉アイテムの充実ぶりもまさにそう。
神崎 マスクから辛うじて見える目元だけで印象操作しようとなると、眉アイテムは必需品。カタチを変える、色を変える、をきめ細かくサポートしてくれる秀作が目白押し、注目を集めました。
安倍 アディクションのマイクロサイズのアイブロウマスカラをはじめ、テクニックに頼らずとも印象を変えてくれる高機能型が多かったし、ブラシ類も秀作ばかりで、嬉しいシーズンでした。
神崎 マスク着用は眉のデザインにも影響。キツく見えない色やカタチを描くようになりました。
安倍 眉メイクは時代を映す鏡なんです。


安倍&神崎's Answer
印象操作を叶える眉モノは2021年下半期が最強の予感


 


プチプラコスメの秀逸ぶり!


神崎 ここ数年、プチプラの勢いが止まりません。
安倍 品質の進化も目覚ましく、数多くの新ブランド誕生で追いつけない(汗)。
神崎 ベージュや白っぽいマスカラが流行りましたが、こういう遊びができるのもプチプラのおかげですね。
安倍 スキンケアやボディケア、ヘアケアなどはオーガニックやサステナブルに配慮したプチプラも増えたし。
神崎 秀作が揃う韓国コスメの影響を受けているのか、J-beautyとしての意気込みを感じるブランドも多かったですね。
安倍 一方でエルメスやグッチ、ヴァレンティノなどハイブランド系や米国ブランドの上陸なども話題に。ボードビルのような華やかさは、2022年に続きそう!


安倍&神崎's Answer
実力派プチプラ登場で来期への飛躍も期待十分


MAQUIA 1月号
撮影/菊地泰久〈vale.〉 ヘア/津村佳奈〈Un ami omotesando〉(神崎さん) ヘア&メイク/藤本 希〈cheek one〉 (安倍さん) スタイリスト/松島 茜〈io〉 取材・文/安倍佐和子 企画/吉田百合(MAQUIA)

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最終更新日:

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