過度な摩擦は肌に負担だけれど、行き過ぎた摩擦レスで「触れる」ことのメリットまで失っていない? 美肌を育む正しい「タッチ」とは。

スキンケア 小田ユイコ 福吉真璃奈

「触らなすぎ」が肌を老けさせている!?
美肌のための「正しいタッチ」

ナビゲーター
小田ユイコさん

美容ジャーナリスト

小田ユイコさん

30年以上にわたりコスメの進化や美容法を取材。美肌に導くスキンケアの働きや、エイジングケアの先端サイエンスに明るい。

スキンケアは「触れる」ことで効果が何倍にも!


「『手当て』という言葉があるように、手には治癒のパワーが。その謎は皮膚科学的にも明らかになっています。ところが今、美容好きな人ほどスキンケアに手の力が活かされていない傾向が。肌を大切にしようと摩擦を避けるあまり、“手がコスメの剤を転がすだけ”という、肌をそっと包むだけの道具に……。もちろん肌に負担をかけたり、ゴシゴシするのは厳禁。でもスキンケア時に賢く触れれば、コスメの効果をもっと引き出し、おそるおそる触れているだけでは得られないエイジングケア効果が上がりますよ」

小田さんが解説 「正しいタッチ」で肌に起こる5つの効果

効果1 立毛筋をストレッチし、たるんだ肌を上向きに

小田’s EYE


「顔には20万個もの毛穴があり、それぞれに立毛筋という小さな筋肉が付随。実はこれがたるみケアのカギとして今、注目の的。肌に『触れる』ことで立毛筋がストレッチされ、キュッと上向きに引き上げてくれるんです」

立毛筋をストレッチ

コスメを塗るとき、肌に少しだけテンションがかかるよう「持ち上げ塗り」すると、20万個の立毛筋が肌に上向きのハリを与える。

効果2 線維芽細胞が活性化し、コラーゲンやエラスチンがみっちり

小田’s EYE


「肌のハリの立役者ともいうべき、真皮の線維芽細胞。この線維芽細胞クン、ちょっとだけ引っぱられることでスイッチが入り、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸をバンバン生み出す状態に! 内側からみっちりのハリ肌へ」

線維芽細胞が活性化

正しく触れることで肌に少しだけテンションがかかり、真皮の線維芽細胞がストレッチ。これがハリのもとを生み出す起爆剤に。

効果3 筋膜をゆるめて、表情筋を柔軟に

小田’s EYE


「ボディの筋肉が筋膜で包まれているように、顔の表情筋にも筋膜が。この筋膜が硬いと、表情筋も硬直し伸縮力がダウン。肌に優しく圧をかけると、筋膜がリラックス。表情筋が柔軟になり、顔立ちが引き締まります」

筋膜をゆるめる

手でほどよく圧をかけたり、優しくストレッチすることで筋膜がリラックス。表情筋がほぐれ、表情によるエクササイズ効果が高まり、顔がサイズダウン。

効果4 毛細血管に血流を促し、ゴースト血管退治

小田’s EYE


「寝不足やストレスなどで血流がダウンすると、毛細血管がゴースト化。上手に肌に触れると、ほどよい刺激が毛細血管に伝わり、血流がUP。血管そのものも丈夫になり、老廃物の代謝も良好に。美肌&むくまない肌へ」

毛細血管に血流を促す

肌表面に摩擦刺激を与えず、毛細血管をちょうどよく刺激する「ピアノタッチ」。5本の指で肌をパラパラと軽くタッピングすることで、血流がアップ。

効果5 メルケル細胞を刺激して、幸せホルモンをアップ

小田’s EYE


「表皮と真皮の境、基底膜に存在するメルケル細胞。ハンドプレスなどで肌にほどよく刺激を与えると、メルケル細胞が感知。成長因子や幸せホルモン・オキシトシンが放出され、美肌育成モード&ハッピーな気分に♡」

メルケル細胞を刺激

メルケル細胞は、肌に対し垂直方向の優しい圧がかかり、しなったことを感知。その情報が脳に伝わると、オキシトシンが分泌する。

MAQUIA 12月号
撮影/天日恵美子(モデル) 橋口恵佑(物) ヘア&メイク/藤本 希 スタイリスト/高橋美帆 モデル/福吉真璃奈(マキアビューティズ) イラスト/本田佳世 取材・文/小田ユイコ 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
ニット¥39600/ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店(スローン) その他/スタイリスト私物

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