多くの人の心に、記憶に残る演技を見せ続けてくれている有村架純さん。彼女を彩る様々な形容詞やキーワードから、もはや国民的ともいえるその存在感と、美しさの根源にあるものを探ってみました。

有村架純 インタビュー

有村架純
たおやかな美の理由

「心=からだ」

自炊を始めてからというもの、マインドにも大きな変化があったのだそう。
「健康第一だなと思って始めた自炊ですが、不思議と心も整っていって。体と心は繋がっていると改めて実感することができました。どうしてここまで大きな心の変化があったかというと、20代後半までの私はむくみがひどく、食べたいものをずっと我慢していたんです。それを食べるとよけいむくみがひどくなると思うと、止めておこう、といつも思っていたし、タンパク質だけは食べてもいいよね? という感じの生活でした。今思えばですけど、演技のお仕事は、朝現場に入って泣いたと思ったら、夜は怒って、その後は笑っている、という感じで、感情が入り乱れすぎている(笑)。気づかないうちに自分自身のバランスも崩れてしまって、体全体、筋肉も血管もキュッと締まって滞りを感じていたんだろうなと思うんです。今は食べたいもの、例えば、本当は大好きなお米なんかもちゃんと取り入れながら、タンパク質も野菜も、発酵食品も。
そういったものをいただくだけで、ギスギスしなくなり、余計なストレスもなくなりました。食生活がいかに大切かを実感できたし、いい感じなんです。忙しさにかまけて自分を疎かにしていた20代を、やっと卒業できた気がするので。心地いいし楽しいです」

有村架純さん

「メイクとわたし」

作品に出演するときは、さほどメイクをしないことが多い、という有村さん。「メイクを濃くしないのは役の幅のことを考えると、困るなと思うこともあるんです。映画『3月のライオン』で気性の激しい女性の役を演じたときは、監督さんから“目尻に濃くアイラインを入れてほしい”という要望があったんですけど、私は濃すぎる目元は自分に似合わないなと思ってしまう。そんなもどかしさが作品ではわりとよくあって。そういう意味で言うと、私の外見的な要素で役を選んでしまう場合もあるのかもと思っているし、いろんなメイクが似合う方っていいなーと思っています。変えられない自分。変える勇気がない自分。外見にあまり変化がないからこそ、芝居で見せなきゃいけないっていうプレッシャーはいつもあるし、むしろそう自分に課しているのかもしれません。目の表情で、“伝われー”と思いながらやっています」

お話を伺ったのは…
有村架純

Kasumi Arimura

有村架純

ありむら かすみ●1993年2月13日生まれ。2010年にデビュー。2013年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で注目を浴び、以来、世代を代表する俳優として、『映画 ビリギャル』『ひよっこ』『花束みたいな恋をした』など、数々の名作で主演を務める。本年度のNHK大河ドラマ『どうする家康』での、家康の正室・瀬名役としての名演も話題に。

MAQUIA10月号
撮影/伊藤彰紀〈aosora〉 ヘア&メイク/尾曲いずみ〈STORM〉 スタイリスト/後藤仁子 取材・文/通山奈津子 構成/木下理恵(MAQUIA)

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