「上手くいかなかった時期も、諦めなかったことが誇り」と話す北川景子さん。子育てに奮闘するようになった現在も、凜とした美しさを輝かせながら仕事にも邁進中。進化し続ける彼女の心の原動力とは?

北川景子 インタビュー

いろんな決断が、今の私を作ってきた

北川景子が選びとったもの。

私が選んできた道、これから進む道

北川景子さん-1

<仕事の選択>

不安だったり上手くいかない時期も、
諦めなかったことは誇り

「高校2年の頃にオーディションに応募して、デビューしたことが人生最大のターニングポイント。デビュー直後から、雑誌の専属モデルと、『美少女戦士セーラームーン』でのお芝居、二足のわらじだったこともあって本当に厳しい環境でしたけど、あの頃鍛えられたからこそ今があると思っています。その後はがむしゃらにオーディションを受けまくって、落ち続けて腐りそうになったり(笑)、決して順調とはいえない時期もありました。人と比べてもしょうがない。誰かを蹴落とせばいいわけでもない。だから、キャラがかぶらない“穴”を狙いつつ、どう生き抜くかを常に考えていました。
あとはどんなにうまくいかなくても諦めなかったこともひとつ大事だった。二十歳くらいの頃には初めてハリウッドに行かせてもらって、それもすごくカルチャーショックでした。この経験をきっかけに、日本の作品を世界で観てもらえたらどんなにいいかな……と思い、時代劇にチャレンジしてみたい気持ちもうっすら抱くように。ひとつひとつの作品で、いいことも課題も見つかって。それで、やってみると、また次の目標がみつかって。常に反省と課題を繰り返して、やりっぱなしにしないのがよかったのかも。
30年後はわからないけれど、あと5~10年でこういうことができたらいいな、という風に、近い将来での目標を見つけてきた感じです。そこに向かって準備したり勉強したり、「時代劇とか似合わないって思われているけど、やりたいんですよ」って話したり。興味があることをなるべく自分から伝えるよう心がけていたし、事務所の社長とも今後の方向性をよく話し合っていました」

北川景子さん-2

<気持ちの選びとり方>

人と比べると悪い顔になっちゃう。
いつも前向きな気持ちを原動力に

「若い頃は周りと自分を散々比べていました。30歳くらいで、人と比べる時間と労力を自分を成長させることに使えたらもっといいだろうな、と思い、止めたんです。そうしたらどんどん楽になっていったけど、今は子供のこと……、例えば、歩いたり喋ったりするタイミングを人と比べちゃう自分がいるから、それが人間の素直な感情なのかな、なんて思うんです。子供に気持ちを捧げていると自分のことを考えすぎなくていいというのは利点なんですけどね。あれこれ比べてばかりいると、メンタルの悪さ、表情の汚さ、私って嫌だなーなんて考えて一日が終わっちゃうと思うんですよ。悪い思考は雪だるま式にふくらんでいくものなので、いいことをなるべく思い描きながら、前向きな心を奮い立たせるようにしています」

<人間関係のこと>

大事な人とだけ長く。
人間関係は必要以上に広げすぎない
のが平和な心を保つための秘訣

「人を見る目? それがないんですよ。みんないい人に見える。なんなら詐欺師も信用してしまいそうな気がする(笑)。だから友達はそんなに多く持たない主義。学生時代の友達、高校時代のグループ、セーラームーンの共演者くらいかな。あと、29歳の頃仲良くなったイモトアヤコちゃん! 私はお酒も飲まないし、仕事も持っているし、大事な人とだけ少なく長く。盆暮れや誕生日、結婚祝いなどはちゃんとしつつ、自分が会いたいかどうかを最優先にしています。でも今は、夫がいちばんの友達かも。幸い同業なので夫きっかけで会話が増えたり、それで人間関係が少し広がった部分も。おかげで私もこの世界にいやすくなったかな。マネージャーもスタッフさんも昔からずっと変わっていません。不満がないのでその必要がないんですよ。メイクさんに至っては、メイクさんの技術のおかげで北川景子の顔になれているのでこれからもずっと一緒にいたいし、そうでないと北川景子が終わっちゃう(笑)。仕事中もしょっちゅう一緒にいたい人と過ごすことができる今の人間関係がとても心地良いと感じています」

Keiko Kitagawa

北川景子

1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年、雑誌『Seventeen』でモデルデビュー。同年、ドラマ『美少女戦士セーラームーン』にて女優としてもデビュー。「女性が選ぶ“なりたい顔”ランキング」に選出されるなどタイムレスな美貌は常に話題。現在放送中のドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ)にも注目が集まる。

MAQUIA 3月号
撮影/酒井貴生〈aosora〉 ヘア&メイク/板倉タクマ〈nude.〉 スタイリスト/多木成美 取材・文/通山奈津子 構成/木下理恵(MAQUIA)

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