京極夏彦さんのミステリー小説を映画化した『死ねばいいのに』に出演する草川拓弥さん。衝撃的なタイトルへの思いや、奈緒さんとの芝居対決の裏側、そして人との関係を築くうえで最も大切にしているというコミュニケーション論までたっぷり語っていただきました。

超特急 草川拓弥 インタビュー 映画

草川拓弥

俳優、ダンサー

草川拓弥さん

1994年11月24日生まれ、東京都出身。メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のメンバーとして活躍中。2008年にドラマ「貧乏男子 ボンビーメン」で俳優デビュー。22年、「みなと商事コインランドリー」でドラマ初主演を務める。近年の主な出演作に、映画『栄光のバックホーム』、ドラマ「LOVED ONE」などがある。7月9日放送開始のドラマ「ラストノート」に出演。

変幻自在な奈緒さんに完敗してしまいました

超特急 草川拓弥 インタビュー 死ねばいいのに

記事が続きます

——本作は京極夏彦さんのミステリー小説の映画化です。『死ねばいいのに』というタイトルや、緊張感のある物語にどんな印象を受けましたか?

草川さん タイトルにはすごく衝撃を受けました。なので、これは脚本を読むのにかなりのエネルギーを使うのかなと予想をしていたのですが、読み終えてみると、人間誰しも一度は心の中で思ったことある感情がそこにあって、すっと心に落ちていく感覚がありました。この映画を観た後は、自分の生き方に向き合えるようになるのかなとも思います。100通りの考えや見方が生まれそうな作品だとも思っています。

——伊東蒼さん演じる亜佐美の彼氏役・佐久間を演じてみていかがでしたか?

草川さん 演じた佐久間は、気持ちが歪んだ方向というか間違った方向にいってしまっているような人間ですよね。演じていて苦しさも感じましたが、そのぶん自分の中でやりがいを感じました。

今回は、ビジュアル面でも挑戦していて。ひげを生やして演じてるんです。ここまでガッツリひげを生やしているのは初めてに近いんじゃないかな。かなり珍しいので、ぜひ注目してほしいです。

超特急 草川拓弥 インタビュー ポートレート

——主演を務めた奈緒さんや、伊東蒼さんとの共演はいかがでしたか?

草川さん 奈緒さんとは、芝居対決のような雰囲気でした。奈緒さんが演じた役柄も相まって、とにかく強敵だなという印象でしたね。発する言葉はもちろんですが、表情がすごいんです。こちらを煽っているかと思えば、急に引いたり、舌をぺろっと出したり。変幻自在で、「これぞプロだ!」と思いながら対峙していました。

——共闘ではなく対決だったんですね。

草川さん 作品に向き合うという意味では共闘だったと思います。ただ、この作品に登場する人物たちはそれぞれ孤独を抱えていて、どこか孤立している印象があったので、やっぱり感覚としてはバトルでしたね。結果は僕の完敗です(笑)。

伊東(蒼)さんは繊細でありながら、どこか大胆さもあって。そのバランスがすごく魅力的でした。僕は伊東さんが出演されていた映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が大好きで、今回ご一緒できるのを楽しみにしていたんです。実際に共演できて、すごく嬉しかったです。

コミュニケーションはスマホに頼らず、アナログでいたい

草川拓弥 インタビュー 超特急

記事が続きます

——劇中で亜佐美と佐久間の関係は決して健全ではないことが描かれていますが、草川さんにとって理想の関係性とは?

草川さん パートナーに限らず、人と関係を築いていくうえで大切にしているのはコミュニケーションです。当たり前のことなんですが、やっぱりその当たり前が大事。今はLINEなど便利なものがあって、スマホひとつでいろいろやり取りできますが、対面で話すことも大切にしたい。

実際に会って話してみることで、「こんなことを考えていたんだ」と気づくこともあります。便利さが生むスマートさもいいけれど、僕はどこかアナログでいたいなと思っています。

——仕事をするうえでも、コミュニケーションは欠かせないですよね。

草川さん そうですね。最近は(超特急の)メンバー同士で月に一度、定例会議をしているんです。未来予想図というと大げさかもしれませんが、みんなの方向性を揃える時間をすごく大切にしていて。足並みを揃えるためのプロセスを欠かさないようにしています。

それに、お互いが思っていることを言えない環境はよくないと思うので、遠慮せずに何でも話せる空気づくりも意識しています。超特急には後から入ってきてくれたメンバーもいるので、彼らが何も言えなくなってしまうのは絶対によくないですから。

——作品について、監督は「表面的な言葉に振り回されず、受け流す強さを描いた」とコメントされています。受け流す力は、今を生き抜くためにとても大切ですよね。

草川さん めちゃくちゃ大切ですよね。受け流す力を持っていないと自分が壊れてしまうので、僕もSNSにおいては、完全に受け流して生きています。

もちろん「8号車」(超特急のファンネーム)の方々のコメントにはいつも励まされているのですが、否定的なコメントは見ないようにしています。真に受けず、とことんかわしていきたい。それが自分をしっかり保つことにつながっています。

映画『死ねばいいのに』

映画 死ねばいいのに 草川拓弥 インタビュー

鹿島亜佐美という女性が殺害された。犯人も動機もわからないなか、渡来映子は亜佐美と関わりのあった人々を訪ね歩き、その人物像を追い始める。証言のたびに異なる顔を見せる亜佐美。その先に、人間の孤独や欲望、そして事件の真相が浮かび上がっていく心理ミステリー。

原作:京極夏彦『死ねばいいのに』
出演:奈緒、伊東蒼、前原滉、髙橋ひかる、草川拓弥ほか
7月3日(金)全国公開

撮影/奥脇孝典 スタイリスト/川地大介 ヘアメイク/長野一浩 取材・文/高田真莉絵

公開日:

share