誕生から17年の歳月を経て、この秋、大リニューアルを果たすエストのスキンケア。研究力に定評があるブランドなだけに、美容関係者の視線も一気に集中。新生エストに迫ります。
「どんな環境にも揺るがない。
美肌の鍵は“貯水力”にあり」
花王
エスト ブランドマネジャー
原 洋子さん
1991年入社。エストのブランド立ち上げメンバー。その後、幅広くビューティケアブランドのマーケティングに携わる。2015年より現職、リ・ブランディングを担当。
マキア編集長
湯田桂子
2004年にマキアを立ち上げた創刊メンバーのひとり。マキアの合言葉は“願望実現ビューティ”!
新生エストのベーシック3ステップ
洗顔後すぐの土台美容液→化粧水→乳液の順でお手入れを。(写真右から)エスト ザ エマルジョン W-Ⅱ(医薬部外品) 80㎖ ¥6500、エスト ザ ローション 140㎖ ¥6000(9/9発売)、ソフィーナ iP 美活パワームース(土台美容液) 90g ¥5000(編集部調べ)/花王
美肌の基本は“保湿”。
スキンケアは原点回帰へ
湯田 この秋、エストが大々的にリニューアルをするそうですね。
原 はい。2000年10月に、64通りの"個肌"に対応したスキンケアを誕生させたエストが、ソフィーナ最先端の技術と知見を結集して、この秋、基本シリーズを一新します。
湯田 発表会にも参加させていただきましたが、大きく変わったのは、肌質や肌悩みを問わず、化粧水が1本になったこと。“潤い続けること”がキーワードとなっていますが、肌の乾燥はやはり女性の切実な悩みなんですか?
原 花王は長年にわたって女性の肌悩みの実態を調査しているのですが、「乾燥」がナンバー1なんです。
湯田 やはりみなさん、肌の乾燥を実感されているんですね。
原 30代以降はシミやシワに悩まれているかと思いきや、乾燥悩みは年齢を問わず断トツ。しかも、年齢を重ねるほど、その悩みが深刻化していくんです。だからこそ、エストは美肌作りの原点とも言える肌の乾燥に着目しました。
湯田 オフィスは砂漠並みの湿度とか。これには驚きました。
原 はい。室内は年間を通して乾燥するようになりました。これは、エアコンの発達が関係していると思います。オフィス湿度を計測したところ、12月で湿度は20%台に。これは砂漠の湿度に匹敵するほど過酷な環境と言えます。
湯田 納得できます。実は編集部の私の席の真上がエアコンの吹き出し口なので、夕方には肌の乾燥が気になり、これだけで何歳も老けた感じに……。さらに湿度以外にも、ストレスや睡眠不足が肌の乾燥を助長させる原因になっていますよね。
原 現代を生きる女性は、本当に過酷な環境に生きています。だからこそ、多少の睡眠不足にも、環境にも年齢にも揺らがない肌、“本質的に美しい肌”を求めていらっしゃるんだと思います。“何か”が起こってから“一発逆転”を狙うのではなく、私たちが本来持っているはずの力を高め、何かが起こる前に跳ね返すことができる肌。そのために、エストが着目したのは、過酷な乾燥でも潤いを留めておける力、“貯水力”です。
湯田 それで、保湿力に優れた化粧水を誕生させたのですね。
原 貯水力とは、潤いを補ったり、保ったりという一時的なものではなく、角層のひとつひとつが潤いを自ら捕まえ、保つ力のこと。貯水力が備わった角層は、乾燥をはじめとする外界の刺激を跳ね返し、健やかな肌へと導く環境を作ります。
湯田 確かに私たちの角層は、ちょっとしたことで機能が低下しがち。すると、さまざまな影響を受けて、肌トラブルに悩まされることに。でも、肌が健やかであれば過酷な環境に左右されずにいられる。美肌の鍵は貯水力にあったのですね。
原 まさにおっしゃる通りです。肌に触れたときのしっとり感も、内側から光が放たれるような透明感も、角層によって決まります。「肌が美しい」という見た目の印象は、角層の貯水力が決めていると言っても過言ではありません。
過酷な乾燥環境でも
潤い続ける化粧水が誕生
湯田 手で試してみたときはさらりとした印象だったのに、実際顔で試したら、「潤うってこういうことなんだ」と改めて思ったほど。すごく力強い保湿力で「これなら砂漠でも大丈夫!」と実感しました(笑)。
原 その潤いの秘密は、砂漠の塩湖でも自らの水分を逃がさない極限環境生物が生み出す成分「エクトイン」。このエクトインが持つ保湿力と、ソフィーナ独自の保水研究を融合した「高持続ケラチン保水処方」を化粧水に採用しました。角層に潤いをたっぷりと抱え込ませ、貯水します。
湯田 化粧水が1本だけ、というのは、相当な自信を感じます。
原 化粧水以外は潤いをキープする乳液をご用意しました。夜用の美白ケアと保湿ケアがそれぞれ使用感のお好みで3タイプずつ。日中用乳液は保湿とUVケアが1本でできる美白ケアが3タイプと、乳液は目的やお好みで選べます。
湯田 洗顔後にソフィーナ iPの土台美容液「美活パワームース」で肌を整え、エストの化粧水と乳液でお手入れをすると、潤う力はもちろん、ハリ、ツヤが出て、肌が元気になり、美肌印象が高まる感じがします。エアコンの影響で夕方にはガクンと落ちていた肌が、この3ステップケアで貯水力が高まったのか、乾燥を意識しなくて済むようになりました。
原 今回のエストのリニューアルは、まさにソフィーナ30年以上の角層における保水研究の結晶です。
湯田 今回はエストのスキンケアが大きく変わりましたが、今後もエストは変わっていくのですか?
原 このベーシックケアの一新を手始めに、洗顔アイテム、スペシャルケア、ベースメイクをリニューアルしていく予定です。
湯田 “研究力のソフィーナ”だけに、とても楽しみです。
原 新生エストのテーマは「essence of SOFINA technology」。これからも、ソフィーナ先進の技術と知見を結集し、女性が美しくなるお手入れを提案していきたいと思います。
環境は変えられないけど、
肌なら変えられる
20代でも40代でも肌悩みの一位は乾燥。しかもそれが年々深刻化している。……そんな事実を突き止め、保湿に焦点を絞って開発された製品だけあって、使ってみると何とまあ肌が潤うこと。諦めていた夕方の肌の乾燥も、使い始めて
から意識すらしないほど。角層がひとつひとつ膨らんで、しっかり保湿ができると、肌が明るくなり、シワが目立たなくなり、ツヤも出て、といいことずくめ。保湿なくして美肌なし! 一度使うと手放せなくなるさすがの製品力です。
MAQUIA 10月号
撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/湯田桂子(MAQUIA)