最近、砂糖を使わず小豆と麹だけで作る「発酵あんこ」が健康やダイエット、美容にいいことから静かなブームになっています。そんな発酵あんこの人気の秘密や作り方、発酵あんこを使ったアレンジレシピを発酵研究/料理家である真藤舞衣子さんに教えていただいたのでご紹介。ダイエット、健康、美容をサポートしてくれる発酵あんこ、ぜひ作ってみて!

【発酵あんこ】砂糖を使わないのに甘くて美味しい! 作り方と簡単アレンジレシピ3選_1

教えていただいたのは・・・
真藤 舞衣子

発酵研究/料理家

真藤 舞衣子さん

料理家 東京生まれ。会社勤めののち、京都の大徳寺塔頭で1年間生活。その後、フランスへの料理留学、東京での菓子店勤務などを経て独立。和食、フレンチ、パン、スイーツ、発酵食など、手がける料理は幅広く、作りやすくてセンスのいいレシピが常に評判。料理教室、レシピ開発、講演、テレビやラジオ出演など幅広く活躍。「発酵おつまみ」(立東舎)『発酵美人になりませう。』(宝島社)「つくりおき発酵野菜のアレンジごはん」(主婦と生活社)など著書多数。

「発酵あんこ」ってなに?

まずは、発酵あんことはどんなものか、なぜ今注目されているのかを真藤さんに伺いました。
「発酵あんことは、砂糖を一切使わず、小豆と米麹のみで作られたあんこのことです。近年の発酵食品や腸活のブームによって、最近人気が高まっているのかもしれませんね」(真藤・以下同)

「発酵あんこ」の効果とは?

「発酵あんこは、小豆を煮てから米麹、水とともに炊飯器やヨーグルトメーカーなどに入れて保温し、発酵させて作ります。発酵食品なので腸内の善玉菌を増やす効果が期待できるうえ、小豆には食物繊維が豊富なので、便秘改善に効果的。また、発酵させると、麹の酵素による糖化作用によって小豆のでんぷんが糖に代わるので、砂糖を使わずとも自然な甘みが生まれます。砂糖を使ったあんこより糖質が少ないので、ダイエット中にもおすすめです。また、小豆には血中のコレステロールや中性脂肪を低下させたり、血流をよくする効果があると言われるサポニンや、むくみ改善によいカリウム、貧血予防によい鉄分、味覚障害予防や免疫力アップによいとされる亜鉛、代謝を助けるビタミンB群なども多く含まれています。さらに小豆には抗酸化作用の高いアントシアニンも多いので美容効果も期待できます。このように発酵あんこには、女性にうれしいさまざまな効能があるのです」

「発酵あんこ」の摂り方

「甘いものがほしくなったときにそのまま食べてもいいですし、スイーツ作りや料理に使うのもおすすめです。ただ、これだけ食べていればやせるわけではないので、偏った食べ方はNG。バランスよく食事をとったうえで取り入れましょう」

以下から、発酵あんこの作り方をご紹介。粒あんにすることも多いようですが、今回は口当たりがなめらかで上品な仕上がりになる、こしあんの作り方を教えていただきました。発酵あんこを使ったアレンジレシピもチェック!

「発酵あんこ」の作り方

【発酵あんこ】砂糖を使わないのに甘くて美味しい! 作り方と簡単アレンジレシピ3選_2

材料(作りやすい量)


小豆…150g
米麹…150g
塩…少々


作り方


① 小豆はよく洗い、たっぷりの湯で5分ほど茹でて湯を切ってアクを抜く。
※これは小豆の皮に含まれる渋味を取り除く“渋切り”の作業で、おいしいあんこを作る基本となる。
② 鍋に①の小豆と新しい水3カップ(分量外)を入れて火にかける。1時間ほどコトコトと火にかけ、小豆が指で潰せるくらいに柔らかくなるまで煮る。
※圧力鍋の場合は、15分ほどでOK。
③ 炊飯器、またはヨーグルトメーカーに②とほぐした米麹、水を1~1と1/2カップほど(分量外)入れてよく混ぜ合わせる。
※水はひたひたになるくらいの量を加えるのがポイント。水分が少ないと発酵しづらいので注意。
④ ヨーグルトメーカーの場合は、甘酒モードまたは温度で60℃に。炊飯器の場合は、保温モードで蓋を開けたまま布巾をかけて6~8時間保温する。
※途中で何度かかき混ぜて、まんべんなく発酵させる。
⑤ 味見をして甘味を感じたら、塩を加え、フードプロセッサーでなめらかになるまでカクハンする。少し水っぽい場合は、鍋に移して、火にかけ水分をとばす。
※つぶつぶ感が好きな人は、少し粗めにカクハンをする。


保存期間


冷蔵庫で4日ほど、冷凍庫で1カ月ほど保存可能。冷凍する場合は、小分けにしてジッパー付き保存袋に入れて冷凍すると便利。

【発酵あんこ】砂糖を使わないのに甘くて美味しい! 作り方と簡単アレンジレシピ3選_3

(左)作り方の工程③の保温容器に入れたところ、(右)作り方の工程④の8時間後の状態

「発酵あんこ」アレンジレシピ3選

発酵あんことかぼちゃ、ナッツ、レーズンのサラダ

発酵あんことカボチャ、ナッツ、レーズンのサラダ

発酵あんことかぼちゃ、レーズンの自然な甘みに、ナッツの歯応えがアクセントになったほっこりと優しい味わいのサラダ。小豆とかぼちゃから食物繊維をしっかりとることができます。かぼちゃには、抗酸化作用の高いβ-カロテン、ビタミンC・Eが多いので美容効果が大。ナッツからもビタミン・ミネラル・良質の脂質をとることができます。毎日の副菜におすすめ。


材料


かぼちゃ…150g
発酵あんこ…30g
ミックスナッツ…20g
レーズン…10g
オリーブオイル…大さじ1
ビネガー(純米酢またはワインビネガーを好みで)…小さじ1
塩、こしょう…適量


作り方


① かぼちゃは一口大に切って蒸す、または電子レンジで3分ほど加熱する。
② ボウルに発酵あんこ、オリーブオイル、ビネガー、塩こしょうをよく混ぜ、①とミックスナッツ、レーズンを入れてさっと和える。

発酵あんこの蒸しパン

【発酵あんこ】砂糖を使わないのに甘くて美味しい! 作り方と簡単アレンジレシピ3選_5

小麦粉を使わず、米粉を使った蒸しパン。グルテンフリーで砂糖も不使用なので、一般的な蒸しパンより食感も味わいも軽く、するすると食べやすいのが魅力。ダイエット中のおやつにぴったり。甘さが控えめなので、中華料理の花巻のようなイメージで食事パンとしても活用できます。


材料


発酵あんこ…100g
米粉…100g
ベーキングパウダー…小さじ1
牛乳…50ml
卵…1個
みりん…大さじ1
米油…20g


作り方


① ボウルに牛乳と発酵あんこを入れてよく溶かし、卵を入れてよく混ぜ合わせる。さらにみりん、米油を入れて混ぜ合わせる。
② ①に米粉とベーキングパウダーをふるい入れて、よく混ぜ合わせて容器に入れる。
③ 蒸し器に入れて、20分ほど蒸しあげる。

発酵あんこの水羊羹

【発酵あんこ】砂糖を使わないのに甘くて美味しい! 作り方と簡単アレンジレシピ3選_6

発酵あんこときび砂糖、アガーで作った優しい甘さの水羊羹。アガーは、カラギーナンという海藻やローカストビーンガムというマメ科の種子の抽出物からできた凝固剤。透明感が高くて口当たりがよく、ゼラチンより固まる時間が早いのが特徴。ほんのりとした自然な甘みがある癒される味わい。


材料


発酵あんこ…150g
きび砂糖…30g
水…500ml
アガー…10g


作り方


① 鍋にアガーときび砂糖を入れ、混ぜ合わせておく。
② ①に水を入れよく混ぜ、発酵あんこを入れて溶かして加熱する。沸騰直前で火を弱めて1分ほど練り上げたら、容器に入れて冷蔵庫で冷やし固める。
③ 小分けにしていただく。

撮影/佐藤顕子 スタイリスト/竹中紘子 取材・文/和田美穂 構成/福島美歩(MAQUIA ONLINE)

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