歌もダンスも芝居も完璧にこなし、クールで軽やかに見える永瀬さん。けれど、彼を輝かせるのは外見の美しさだけではない。それは内側に秘めた熱い想い。優しく、強く、潔い、永瀬 廉の自由な人間性に迫る。

永瀬廉 インタビュー

飄々とした姿に潜む、静かな情熱
永瀬 廉
あふれる想いを瞳に託して

流れに身を任せる

たまに、今日みたいなインタビューで“人生の美学”について質問されることがあるのですが、僕はいつもその返事に困ってしまう。だって、僕は美学を持っていないというか、あえて美学を持たないようにしているので。それは「こうじゃなきゃいけない」を自分の中に作りたくないから。どんなに台本を読んで「こう演じよう」と考えても芝居は自分の思い通りにはならない。相手の芝居が変われば自分の芝居も変わるし、監督に違うものを求められることだってある……。そんな芝居と同じで、この世は“やってみないとわからないこと”であふれていると思うんです。だからこそ、芝居も人生も「こうじゃなきゃいけない」と決めつけずいろいろなことに挑戦できる自分でありたいと思います。人生を歩むうえで大切にしていることを聞かれたら僕は「流れに身を任せて漂うこと」と答えます。思いもよらない方向に流されることもあるけれど、そこでは思いもよらない新しい自分にも出会える。そっちのほうが、自分も人生もどんどん豊かになっていく気がします。

いつか辿り着きたい場所

僕、昔から夢や目標がない人間なんですよ。子供の頃も特になりたいものがなくて。小学校で書かされた“将来の夢”という作文も隣の席の子の夢を真似して書いていましたからね(笑)。で、特になりたいものもなくふわりふわりと流れに任せて漂っていたらジャニーズ事務所に辿り着いていた。そんな自分の経験からも思うんです。夢や目標も自分で決めてしまうより、「こっちが向いているよ」と周りが教えてくれる方向に流されたほうが、自分に向いているものと出会えるんじゃないかって。だから、今も僕は自分で具体的な目標や人生計画は立てないようにしています。その時々、与えられたものを大切に目の前にある仕事と真剣に向き合いながら、あっちに流されたり、こっちに流されたり。どこに辿り着くかわからない人生もまたきっと楽しいと思うので。

 

永瀬 廉

1999年1月23日、東京都出身。
2018年、King & Princeのメンバーとしてデビューする。
グループ活動はもちろんのこと、連続テレビ小説 『おかえりモネ』やドラマ『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』、映画『弱虫ペダル』等の話題作に出演。役者としても注目を集めている。

『夕暮れに、手をつなぐ』

『夕暮れに、手をつなぐ』
都会で育った音(永瀬)の前に突然現れた、野性的でチャーミングな空豆(広瀬すず)。ぶつかったり、笑ったり、励ましあいながら夢に向かっていく二人の“愛おしい時間”を描いた青春ラブストーリー。TBS系で毎週火曜22:00〜放送中。

MAQUIA4月号
取材・文/石井美輪 構成/萩原有紀(MAQUIA)

最終更新日:

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