日本でもおなじみ、イギリス発の「モルトンブラウン」がこの秋新たなフレグランスコレクションを発表。「MAQUIA」11月号の連載『イトーーク』から、来日したマーク・ジョンソン社長とマキア編集長の対談をお届けします。
マキア編集長
伊藤かおり
non-no、MORE編集部を経て’08年からマキアへ。入社以来人物インタビューを中心に取材してきた経験を活かし、美容=人生を誌面づくりのモットーに。
モルトンブラウン
グローバルプレジデント
マーク・ジョンソンさん
リゾート開発会社から'03年USディビジョン入社。経理部長、ゼネラルマネジャーを経て現職に。USディビジョン ゼネラルマネジャーも兼務。
モルトンブラウン
オードパルファン コレクション
全12種 100mL 各¥20000
ブランドが誕生した70年代からインスピレーションを得て創造されたボトルに、10名のパフューマーが独自にブレンディング。香りによってキャップのカラーが変わる。
新たな高みを目指したフレグランスコレクション
伊藤 発表会で、27種のオードパルファンとオードトワレの新フレグランスコレクションを試させて頂きました。
マーク どの香りが好きでしたか?
伊藤 ユニセックスな香りが好きなので「ロシアンレザー」に惹かれました。
マーク 性別は関係なく、自分が好きか嫌いかで選ぶことが大切ですよ。
伊藤 モルトンブラウンといえば、日本ではバス&シャワージェル、ハンドケアといったホームコレクションの印象が強いのですが、そのベースには、フレグランスブランドとしてのフィロソフィーがあるのですね。今回発表会で感銘を受けたのが、“MADE BY INDIVIDUALS, FOR INDIVIDUALS”。フレグランス作りの根底には、個性を大切にすべきという考えがあるということ?
マーク モルトンブラウンは、1970年代にイギリスで誕生したフレグランスブランド。創業当初より流行やマーケティングで香りを開発するのではなく、作り手の個性を重視し、クリエイティブフリーダムを追求してきました。
クリエイションの基本は人と人とのつながり
伊藤 クリエイティブフリーダムとは?
マーク 今回のフレグランスコレクションのストーリーがわかりやすいかと思いますが、さまざまな年代、バックグラウンド、経験を持った才能豊かな10人のパフューマーが、それぞれのフレグランスを担当し、とても革新的で多様なコレクションを創り上げているんです。これは、フレグランス業界にとって類を見ないアプローチ法です。しかし、我々にとってはこれこそがモルトンブラウン。創業時より「既成概念を打ち破る」「今までと違うことに挑戦する」ということをブランドのフィロソフィーとしてきましたから。
伊藤 エリザベス女王陛下より、ROYAL WARRANT(英国王室御用達指定証)を授けられているブランドなだけに、もっと厳格な印象でしたが、わりとパンクな精神(笑)。ブランドとして「これだけは守って欲しい」という最低限のルールはないのですか?
マーク 強いて言うなら、ギャップのある香りであること、ぐらいでしょうか。「ブルーの香りを作って欲しい」とオーダーをすることはあるかもしれないけれど、「この素材を使って」とか、「こういうイメージで」というものをこちらから提案することはなく、クリエイションはすべてパフューマーに任せています。
伊藤 歴史があると冒険しなくなるけれど、伝統もありながらチャレンジしていくその精神が素晴らしいですね。
マーク 今回は、「フィルターを通さない真実を表現する」というブランドビジョンのもとに、パフューマーが集結。“レンズ”をブランドアイコンとしていますが、これは見方によって世界の見え方が変わることを表現したかったのです。
伊藤 とかく日本女性は香り選びが不得意で、人気がある香りに偏りがち。そういう女性たちにマークさんから香り選びのアドバイスをお願いします。
マーク 冒険をして、勇気を持って遊んでみてください。フレグランス選びに正解はないから。感情とフィーリングで選び、香りをまとうことで手にできる自信を感じて。日本女性は、美しいファッションで自分を表現できていると思います。家を出られるときに、意思を持っているのがよくわかります。香りもそれと同じ。ファッションや表現したいイメージはもちろん、シーズンや湿度、さらに気分で選んでいいと思います。
たとえば、シニアパフューマーのカーラ・シャベールさんが手がけたのはこの3種。(右から)ゼラニウム ネフェルトゥム、ピンクペッパー、サイプレス&シーフェンネル。ピンクペッパーは日本女性が好む女性らしい香り!
自分のシグネチャーの香りがわかるサービスを開始
伊藤 深層心理を探るテストから自分のシグネチャーとなる香りが選べる「フレグランスファインダー」を利用するのも手ですよね。(9月から新丸ビル店で実施予定)
マーク はい。「フレグランスファインダー」は、一見香りとは関係がないかと思われるような感覚的な質問を通して隠れた深層心理を解析し、その人をプロファイリングすることで、ふさわしいフレグランスを提案するサービスです。
伊藤 マークさんも試されましたか?
マーク 怖いぐらい正確でした(笑)。
伊藤 日本でも絶対ウケそうです!
マークさんが香りをどのように取り入れているか聞いてみました。「香り選びはムードとフィーリングとエモーション。私は季節や気分で香りを変えています。たとえば、冬は温かみのある香りだったり、ミーティングでストレスがあるときはリラックスさせる香りなど。フレグランスだけでなく、家でもアロマキャンドルやボディローションなどで香りを取り入れています。ベッドに入ったときにいい香りに包まれたいですからね」
MAQUIA11月号
撮影/土佐麻理子 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉
※本記事掲載商品の価格は、本体価格(税抜き)で表示しております。掲載価格には消費税は含まれておりませんので、ご注意ください。
【MAQUIA11月号☆好評発売中】
\アスタリフト版のご購入はこちら/
\アベンヌ版のご購入はこちら/