「MAQUIA」12月号の『神崎 恵の恋させる瞬間美容劇場』では、ドラマティックな自分を演出したい時のメイク&ファッションを提案。年に一度の誕生日や記念日は、美しい非日常感をまとって。
神崎 恵
Megumi Kanzaki
mnuit主宰。美容家としての活動の他、累計118万部を超える著書の執筆をはじめ、雑誌の撮影やトークショー、セミナーなどで全国を飛び回っている。待望の新刊『あの人がいつも色っぽいワケ』(大和書房)が発売になり、さらに多忙を極めている。
ドラマティックを演出したい日
印象的な花びらリップで
非日常メイクに酔いしれる
きゅっと胸を掴むようなドラマティックな空気がある。その空気に触れたとたん、非日常に連れて行かれるような、まるで映画のワンシーンを見ているような、特別な瞬間に立ち会っているような感覚になる。いつもと同じものが、どれもこれも色濃く見え、なんともいえない独特の切なさとときめきを感じさせる。ドラマティックは心に効く。だから、女として生きるなかで、この空気感は自由自在に出し引きできるよういたいと思う。
例えば、生きていると、ここぞというときがある。女として、ここは美しくいたい。それも胸に響くような特別な美しさを、と願う日。そんな日に、このドラマティックな空気を纏うことができたら。小さな細工や駆け引きをするよりずっと心地よく美しく、相手の心をさらうことができるから。
わたしの心をときめかすひととの食事や、大切にしたい記念日、横並びではなく特別なひとに思われたいときや、「わたしを好きになって」と願うひとと会うときがそんな日。そのときには、ドラマティックな空気をつくることにしている。ポイントは美しい非日常感。ただの綺麗で終わらせない、ちょっとした大胆さや不自由さを「美」という形でメイクや服に混ぜていくこと。肌の底まで気がぬけない総レースのブラウスや、歩くことも座ることも意識せずにはいられない、体の曲線にぴったりそうペンシルスカート。ものを手に取ることを難しくさせるように大きく揺れ広がる袖。今回纏っている服もそんな非日常感が美しく織り込まれている。
この空気感をさらに鮮明にするのが、メイク。花びらをくわえたように、どきっとするほど鮮やかなピンクのルージュ。見つめつづけてしまうほど鮮明に主張するアイライン。その堂々とした非日常感を楽しむ姿はこの上なくドラマティック。だからそんな日は、気恥ずかしさや人の目は封印。まるで映画監督になった気分で、そのシーンが圧倒的に美しいものになるよう、服やメイクを選ぶことで心に響く女になる。
躊躇する服ほど、
私にドラマティックを
もたらしてくれる
必要なのは、大胆さ。普段なら、躊躇してしまうような色や素材を纏うこと。そんな日のためにわたしがクローゼットに集めているのは、たった一色で視界が生まれ変わったように見える鮮明な色の服。そして肌が透ける繊細な総レース。さらに、袖や肩先に華を添える構築的なデザインのものや、歩くのも座るのも緊張するような潔く特別な白い服。そんな非日常を盛り上げるアイテム......お店や雑誌でときめくけれど、着ていく場所がないからと諦めがちな服こそ、ドラマティックに効いてくれる。
メイクもどきどきしてしまうくらい鮮明なルージュや、きらめきをちりばめたように輝くアイカラーを楽しむことにしている。
MAQUIA12月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/菊地泰久〈vale.〉 ヘア/工藤由佳〈Un ami〉 スタイリスト/黒崎 彩〈Linx〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)
【MAQUIA12月号☆好評発売中】