忙しい毎日で体調を崩しやすいときこそ、食事に取り入れたいのが、【免疫力UP食材】。連載の第5回目は、スーパーでも手軽に手に入る「鯖水煮缶」を使ったスープをお届けします。冷え予防やデトックス効果も期待できる食材を使い、おうちで簡単に南インドのラッサムのスープが作れる、管理栄養士・料理研究家の金丸絵里加さんのレシピは必見!
\【ストレス対策&免疫力UP】/
管理栄養士/料理研究家
金丸絵里加さん
女子栄養大学講師。“おいしい!と顔がほころぶような料理作り”をモットーに、健康にいいおうちごはんを提案。最新のレシピ本は『夫婦ふたりの健康を守る!シニアごはん』(エイムック)。
Q.免疫力アップにおすすめの食材は?
A.鯖水煮缶
【解説】「鯖は、良質のたんぱく質が含まれています。たんぱく質には、免疫細胞そのものを強くする働きがあるうえ、たんぱく質を摂れば、筋肉の衰えも予防できて体温維持にも役立つので、冷えからくる免疫力の低下も防げます。鯖の血合いの部分には鉄が含まれ、これは血液の成分にもなります。血液は細胞に栄養素を運ぶ大事な役割を担っているので、血合いも残さず食べましょう。さらに、鯖には免疫機能や脳の健康の維持に役立つ、必須脂肪酸のオメガ3も多く含まれています。鯖の水煮缶なら、骨ごと食べることができるので、カルシウムも摂ることができます。煮汁ごと使うと、料理にうま味も加わるのでおすすめです」(金丸さん)
鯖水煮とパプリカの
ラッサム風スープ
材料(2人分)
●紫玉ねぎ……1/3個
●梅干し……1個
●エリンギ……大1本
●黄パプリカ……1個
●鯖水煮缶……1缶
●にんにく(みじん切り)……1片
●しょうが(みじん切り)……1/2かけ
●唐辛子(粗く刻む)……1/2本分
●クミンシード……小さじ1
●オリーブ油……大さじ1/2
●トマト水煮缶……100g
●水……2カップ
●塩……小さじ1/3
●こしょう……少々
●パクチー……1枝分
RECIPE
①紫玉ねぎは薄切りにし、梅干しは種を取って粗くたたく。エリンギは長さを半分に切って細切りにカットし、パプリカも細切りにする。
②鍋にオリーブ油を熱し、にんにく、しょうが、唐辛子、クミンシードを入れて炒めて香りが出たら、梅干しを加えてなじむまで炒める。玉ねぎとトマト水煮缶を加え混ぜる。
③水とエリンギを加えて、煮立ったら鯖水缶を缶汁ごと入れます。さらに、パプリカも加えて4~5分煮込む。紫玉ねぎを加えてひと煮し、塩、こしょうで味を調え、器に盛り刻んだパクチーを散らす。
\ココがポイント/
POINT①
「ラッサムは、南インドで日常的に飲まれているスープ。本来は、さわやかな酸味のあるタマリンドという果物を使いますが、このスープではタマリンドの代わりに、梅干しを使っています。梅干しの酸味によって鯖の臭みが抑えられ、食べやすくなるんです」(金丸さん)
POINT②
「鯖水煮缶は、汁ごと加えるのがポイントです。汁ごと使うことで、鯖のうま味が加わり、さらにおいしく仕上がります」(金丸さん)
Comment
にんにくやこしょうなどのスパイスとトマトの酸味がきいた
異国情緒感じる主役級スープ
「トマトベースのスープなので、強力な抗酸化作用をもつリコピンが摂れるほか、黄パプリカにも抗酸化成分のビタミンCやEが多いので、生活習慣病予防にも美肌に効果的です。また、紫玉ねぎにも抗酸化成分が含まれるうえ、普通の玉ねぎと同じく免疫力アップをサポートする効果も期待できます。トッピングに使ったパクチーには、体内の老廃物の排出を促すデトックス作用があり、にんにくや、しょうが、唐辛子、クミンシードと、体を温める香味野菜やスパイスが豊富なので、冷え予防にもつながります」(金丸さん)
レシピ・料理/金丸絵里加 撮影/豊田朋子 フードスタイリング/竹中紘子 撮影協力/UTUWA 取材・文/和田美穂 企画・構成/鈴木里緒(MAQUIA ONLINE)