太りやすく、痩せにくくなってくる40代以降。以前と食事内容は変えていないのに、太りやすくなった……などと感じている人も多いのでは? でも、極端な食事制限をすると“老け見え”が進みやすい世代。無理をせず簡単に痩せやすくなる食事のコツって? そんな方法を、管理栄養士の金丸絵里加さんに教えていただきました。

- 40歳を過ぎると痩せにくくなるのはなぜ?
- 【かけるだけ】MCTオイルをかけるだけで簡単ダイエットに!
- MCTオイルを使った簡単レシピ2選
- おすすめMCTオイル
- 【選ぶだけ】ヨーグルトは選び方が大切!
- ビフィズス菌入りヨーグルトを使った簡単レシピ
- おすすめのビフィズス菌入りヨーグルト
- 白米を冷やすだけでダイエット効果が上がる
- 【冷やすだけ】白米を冷やすだけでダイエット効果が上がる
40歳を過ぎると痩せにくくなるのはなぜ?
加齢とともに基礎代謝量や筋肉量が低下。無理な食事制限はやめて“食べて痩せる”方法を取り入れて
まず、40代・50代になると、太りやすく、痩せにくくなる理由を伺いました。
「基礎代謝の量は、10代をピークに徐々に減少していき、特に40代以降になるとさらに減ってしまいます。また、加齢とともに筋肉量も減っていきますが、筋肉量が減ると基礎代謝も低下。そのため、若い頃と同じ食事をしていても、どうしても太りやすくなってしまうのです。また、40代以降は女性ホルモンのエストロゲンが減りますが、エストロゲンには脂質代謝をコントロールする働きがあり、減少すると中性脂肪や、悪玉と言われるLDLコレステロールが増えやすくなるので、これによっても太りやすくなってしまうのです」(金丸先生・以下同)
では、食事で痩せやすくするコツとは?
「ただでさえ筋肉量が減りやすい40代・50代が、極端な食事制限をすると、筋肉量が減って代謝が落ちてしまうので逆効果。この世代は、しっかり食べて栄養を摂ることが大切です。ですから食事制限をせずに、簡単にできるダイエット法がおすすめです」
そこで金丸さんが教えてくれたのが、以下の3つの方法。無理なく簡単に“痩せ体質”になれるから、さっそく試してみて。
【かけるだけ】MCTオイルをかけるだけで簡単ダイエットに!

中鎖脂肪酸がケトン体を増やし、脂肪燃焼体質に変わる!
40代・50代におすすめの、まずひとつめのダイエット方法が、MCTオイルを摂ること。その効果の秘密や、摂り方を教えていただきました。
「MCTオイルのMCTとは、中鎖脂肪酸の英語、Medium Chain Triglycerideの略称です。油に含まれる脂肪酸は分子の鎖の長さによって分類され、炭素数が6以下のものを短鎖脂肪酸、8〜10のものを中鎖脂肪酸、12以上のものを長鎖脂肪酸と言います。一般的な油に含まれるのは長鎖脂肪酸です。この分子の鎖の長さによって消化吸収の経路やスピードが異なり、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸よりも消化・吸収が速いので、脂肪として蓄積されにくいのが特徴です。また、中鎖脂肪酸を摂ると、肝臓ですぐに分解されて“ケトン体”というエネルギー源に変換されます。そして体内のケトン体濃度が増えると、体の“脂肪燃焼工場”であるミトコンドリアが活性化し、体脂肪がどんどん燃える“脂肪燃焼回路”に切り替わるので、痩せやすくなるのです。MCTオイルを摂ることで、腸管ホルモンであるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の分泌が促され、それによって血糖値上昇の抑制や、食欲抑制効果なども期待できます。
MCTオイルは、1日あたりの目安量は小さじ1杯程度です。一気にたくさん飲んだりするとお腹が緩くなることがあるので、納豆や味噌汁にかけたり、飲み物に入れたりして摂るのがおすすめ。無味無臭で味を邪魔しないので摂りやすいです。活動前に摂取すると、活動時にエネルギーとして効率よく使われ、脂肪燃焼効果が促進しやすいので、活動前の朝に摂るのが特におすすめです」
MCTオイルを使った簡単レシピ2選
納豆にかける

納豆にMCTオイルを混ぜて摂る簡単な方法。納豆から代謝アップに欠かせないタンパク質や、腸内環境の改善によい食物繊維や納豆菌、代謝を助けるビタミンB群などを摂ることもできます。朝食にぴったり。
【材料(1人分)】
納豆……1パック
刻み小ねぎ……適宜
MCTオイル……小さじ1
※MCTオイルはプラスチック容器を変形させることがあるので、納豆のパックにそのまま入れるのでなく、陶器やガラスなどの器に移してから混ぜましょう。
【作り方】
⒈納豆を器に入れ、付属のたれとMCTオイルを加えて混ぜ、好みで小ねぎをのせる。
具だくさん味噌汁にかける

味噌汁にMCTオイルを加えるのも手軽な方法。味噌汁も具だくさんにすることで、食物繊維やビタミン・ミネラルを補うこともできます。豆腐など、タンパク質食材も何かしら加えると◎。体も温まり、1日の脂肪燃焼効果がアップ。
【材料(1人分)】
絹ごし豆腐……50g(もしくは1/8丁)
乾燥わかめ……1g
えのきたけ……1/4束
オクラ……3本
にんじん……1/6本
だし汁……1カップ
味噌……大さじ2~3
MCTオイル……小さじ1
【作り方】
⒈にんじんは薄切りに、えのきたけは3㎝程度の長さに切り、オクラは斜め半分に切る。
⒉ 鍋にだし汁とにんじん、えのきたけを入れて中火にかけ、煮立ったら、食べやすい大きさに切った豆腐とオクラ、乾燥わかめを入れて2分ほど煮て火を通し、味噌を溶き入れて火を止め器に盛る。最後にMCTオイルを回し入れる。
おすすめMCTオイル

希少性の高いココナッツのみを100%使用したMCTオイル。品質管理を徹底し、国際規格ISO9001取得工場での安心の国内充填。化学溶剤を使わず、食品添加物・保存料無添加。仙台勝山館 MCTオイル 360g ¥2400/勝山ネクステージ

MCTオイルとして日本で初めての機能性表示食品。BMIが高め(BMI23以上30未満)の方が、1日2gを継続摂取することで、脂肪代謝に関与する作用で、日常活動時の脂肪の燃焼を高めこと、体脂肪や内臓脂肪、ウエスト周囲径を減らすことが確認されている。日清MCTオイルHC〈化粧箱入り〉 90g ¥1035(編集部調べ)/日清オイリオ
【選ぶだけ】ヨーグルトは選び方が大切!

ビフィズス菌入りヨーグルトなら、短鎖脂肪酸の効果で脂肪の蓄積予防が期待できる
金丸さんおすすめの2つめの方法が、ビフィズス菌を摂ること。
「その理由は、ビフィズス菌を摂ることで腸内で短鎖脂肪酸が増えるからです。短鎖脂肪酸は、大腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑制し、腸内環境を整える働きや、免疫機能の強化やミネラルの吸収促進などのほか、脂肪の蓄積を抑えたり、コレステロールの合成を抑えたりといったダイエットにもよい効果があり、最近、注目されています。短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、プロピオン酸などがありますが、このうち酢酸には、基礎代謝を向上させる作用があり、太りにくい体作りやダイエット効果も期待されています。
そしてビフィズス菌は、水溶性食物繊維やオリゴ糖を分解して、短鎖脂肪酸を産生します。短鎖脂肪酸を効率よく増やすには、ビフィズス菌と、そのエサになる水溶性食物繊維(さつま芋、バナナ、りんご、ごぼうなど)やオリゴ糖(はちみつ、玉ねぎ、大豆など)を一緒に摂るのがポイントです。ビフィズス菌というとヨーグルトのイメージがありますが、すべてのヨーグルトに入っているわけではないので、パッケージなどを確認してビフィズス菌が入ったヨーグルトを選んで摂るのがおすすめです」
ビフィズス菌入りヨーグルトを使った簡単レシピ
焼きいもヨーグルト

水溶性食物繊維が含まれるさつまいもに、ビフィズス菌入りヨーグルトをかけた簡単おやつ。シナモンパウダーには体の温め効果が。さつまいもの自然な甘さとヨーグルトの酸味、シナモンパウダーのスパイシーな風味がマッチした上品な味わい。
【材料(1人分)】
焼きいも(市販品)……1/4本
ビフィズス菌入りヨーグルト(プレーン)……100g
シナモンパウダー……適宜
【作り方】
⒈ 焼きいもを食べやすい大きさに切って器に盛り、ヨーグルトをかけ、上からシナモンパウダーをかける。
おすすめのビフィズス菌入りヨーグルト

大腸まで届くビフィズス菌BB536を配合した、特定保健用食品のプレーンヨーグルト。酸味を抑えたまろやかな味わいで、おなかの調子を整える。ビヒダスプレーンヨーグルト 400g¥260(メーカー希望小売価格)/森永乳業

「ビフィズス菌SP株」と雪印メグミルク独自の乳酸菌「ガセリ菌SP株」を使用したプレーンヨーグルト。腸内環境の改善に役立つ特定保健用食品。ナチュレ 恵 megumi 400g オープン価格/雪印メグミルク
白米を冷やすだけでダイエット効果が上がる
レジスタントスターチは、血糖値の急上昇を抑制し、腸内環境の改善効果も
3つめのおすすめが、冷やご飯を摂ること。
「ご飯は、冷めていく過程で“レジスタントスターチ”と呼ばれる難消化性でんぷんが形成(増殖)されます。食事から摂ったでんぷんは、小腸で完全に消化・吸収されて、体のエネルギー源になると考えられてきましたが、近年の研究で、消化酵素で分解されずに大腸まで届く難消化性のものもあることが明らかになりました。これがレジスタントスターチです。小腸で消化・吸収されないので、食物繊維と同じ機能を持つことで注目されています。
レジスタントスターチは、全粒粉など精製度の低い穀物や、未熟バナナ、生じゃがいもなどにも含まれるほか、炊き立てご飯のように糊化(でんぷんが水とともに熱を加えられることにより糊状になること)したでんぷんを冷却、放置したときにも形成されます。つまり、冷やご飯はレジスタントスターチです。レジスタントスターチは血糖値の上昇を緩やかにする効果があると言われていることから、温かいご飯より、冷やご飯のほうが太りにくいのです。また、レジスタントスターチは、発酵性食物繊維でもあります。発酵性食物繊維とは、腸内でビフィズス菌などの善玉菌の餌になって発酵し、善玉菌に短鎖脂肪酸を作らせることで、腸内を悪玉菌が増えにくい弱酸性に保ち、腸内環境の改善にも役立つ食物繊維です。
こういった効果によって、レジスタントスターチは太りにくく、便秘によるぽっこりお腹の解消もサポートしてくれるのです。おにぎりを作って冷まして食べるのもいいですし、とろろいも、冷やしたじゃがいも(ポテトサラダ)などでもレジスタントスターチを摂ることができます」
以下の、レジスタントスターチが摂れる簡単レシピもおすすめ!
【冷やすだけ】白米を冷やすだけでダイエット効果が上がる
ライスサラダ

冷やご飯をおいしく食べることができるカレー風味のライスサラダ。短鎖脂肪酸を増やす水溶性食物繊維が含まれるアボカドや、脂肪燃焼効果が期待できるMCTオイルも使用。ツナからはタンパク質を摂ることができます。
【材料(1人分)】
ご飯……150g
ミニトマト……3個
アボカド……1/4個
黄パプリカ……1/4個
ツナ缶……小1缶
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プレーンヨーグルト……小さじ4
粒マスタード・ポン酢しょうゆ・MCTオイル……各小さじ1
MCTオイル……各小さじ2
カレー粉……小さじ1/2
塩……少々
【作り方】
1. ミニトマトは2~4等分に切り、アボカドは黄パプリカは7~8㎜角に切る。
2. ボウルにAを入れてよく混ぜ、冷ましたご飯も加えて混ぜる。なじんだら1と、軽く缶汁を切ったツナを加えて混ぜ、器に盛る。
レシピ・料理・スタイリング/金丸絵里加 撮影/佐々木美果 取材・文/和田美穂 企画・構成/有住美慧(MAQUIA)
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