ここに紹介するのは、2025年上半期ベストコスメで栄えある賞に輝いたアイテムの、開発の舞台裏。そこには、既存のコスメにはない新たな着眼点で研究、開発に果敢に挑んだ研究者たちの、熱い想いと飽くなき努力のストーリーがあった。

ベスコス「ザ・プロフェッショナル」
受賞コスメ誕生の裏にこの人あり

YOKO KAGOHASHI
籠橋葉子さん
ポーラ化成工業 製品設計開発部エビデンスセンター研究員。理学博士。皮膚の医薬品開発、オートファジーの基礎研究に従事したのち、化粧品の研究開発へ。
ポーラ
ホワイトショット セラムUV

「スグやけ」に初対応。汗かき日本の新・国民的美白UV
日中用美白クリーム。紫外線や環境から肌を守り、汗によるスグやけにも対応。下地&上地機能で透明肌をキープ。SPF50+・PA++++ (医薬部外品)45g ¥7150
“夏が長くなる日本で 透明肌を守り抜きたい。悲願が叶いました”
「かつてないほどの猛暑日が続く日本の環境は、透明肌キープの難敵! 今回、夏とスグやけの関係を見出し、スグやけ防止成分が見つかって皆さんの透明肌に貢献できたのは、研究者冥利につきます」(籠橋さん)
盲点! 夏の「スグやけ」に挑んだUV革命奮闘記
STORY
昨年、「ピンクの美白」で一世を風靡したホワイトショット。美白のためにできることはすでにやり尽くした感が漂う中で、次なる進化を求められた籠橋さん。そのプレッシャーをはねのけ、アイディア、ひたむきさ、コミュ力を総動員。革新的な新美白UVが誕生した。


一般的なブライトニングコスメは、紫外線が肌にあたって炎症が起こり、数日後にメラニン生成が開始される遅延型黒化に対応。

TRPA1は、メラノサイトにあるメラニン生成のスイッチ。UVAを浴びるとオンになる。

夏は「スグやけ」が顕著に。籠橋はさまざまな文献をあたり、その理由が汗なのではないかと目星をつけた。




(右)低Na+状態だと、メラニン生成のスイッチ・TRPA1がなんと約40%も増加することを突き止めた!
(左)TRPA1が増えたメラノサイトはメラニンを増産。スグやけの証拠に。


研究魂を注ぎ込み、まわりからのサポートを得て誕生したこのアイテムは、わが子のように愛しい存在。肌身離さず持ち歩く籠橋だった。
MAQUIA 8月号
撮影/山下みどり イラスト/esk 取材・文/小田ユイコ 企画・構成/髙橋里佳(MAQUIA)
※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。
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