シャッターが切られたその瞬間、どこか挑発的な表情を見せたかと思えば椅子と戯れ、想像を掻き立てるような物憂げな視線を送る。表現する苦しさすら心から楽しみ、観客たちを惑わせる俳優・磯村勇斗さんのインタビューをお届け。

磯村勇斗 インタビュー 色気

惑わせの夜に――
変幻自在な表現者、磯村勇斗

謎めく部分を残すことが
色気に繋がると思う
松方弘樹さんや松田優作さんのような往年の俳優の方って、今見ても格好いいし色気があるなと感じます。それはきっと、当時はネットもSNSもなく、スターと呼ばれる方たちがミステリアスな存在だったからだと思うんです。僕らの時代は情報が溢れていて、本人よりファンの皆さんの方が知っていることも多いじゃないですか。少しは秘めた部分がないと、色っぽさは感じにくいですよね。そういった時代性も色気に影響するのかなと思います。

磯村勇斗さん 1

その仕草、その指先から目が離せない蠱惑の属性

その仕草、その指先から
目が離せない蠱惑(こわく)の属性

磯村勇斗さん 2

誰にも覗けない自分だけの部屋が
心の中にあります
役へのアプローチはノリと感覚。台本をもらったら、まずは読み込んで役の特徴を咀嚼。自分の中にある要素を入れながら膨らましていく作業を経て、現場で最終調整する感じですね。演じる際の表現って、結局はその人が見たものや経験してきたものの中からしか出てこないんですよ。でも監督や共演者の方たちがそれ以上のものを引き出してくれることがあって、そういった爆発力みたいなものが芝居をする上では必要だと思うんです。“普通”を狙うことは簡単だけど、それ以上に何かを爆発させて予期せぬ場所に辿り着きたいっていう願望が僕にはあるので。だから監督との信頼感はすごく大事にしていますし、それの有無が限界を超えられるかどうかを決める気がします。
ただ、僕自身は基本的にすごくオープンな人間なのですが、“ここの扉だけは絶対に開けない”っていう部屋もあるんです。きっと最後のパーソナルエリアを守ることで、外の世界と自分の世界のバランスを取っているのかもしれません。自分の世界を覗いた時にどんな風景が広がっているのかって? 知りたいですよね。でも、教えません。俳優には、秘めた部分もないといけませんから(笑)。

Hayato Isomura

1992年9月11日生まれ、静岡県出身。見るものを強く惹きつける存在感が支持され、映画や舞台などで幅広く活躍。6月21日に最終回を迎えたドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系火曜22時〜)では、父娘でダブル婚活に挑戦する主人公(上野樹里)と18年ぶりに再会を果たしてアプローチを始める幼馴染・不破 颯を演じた。

『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』
「僕が演じる颯は、とにかくフランクで人のパーソナルエリアにスッと入れる男。誰に対しても等距離で仲良くできる部分は自分と少し似ている気がします」。主人公が好意を抱くシングルファーザー(田中 圭)を含めた恋の行方にも注目を。

MAQUIA7月号
撮影/荒木勇人 ヘア&メイク/佐藤友勝 スタイリスト/齋藤良介 取材・文/真島絵麻里 構成/萩原有紀(MAQUIA)

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