ちょっとした意識や考え方のシフトで実践できるサステナブルな取り組みを、識者に取材。数々のビジネスを手がけつつ、デザイナーやソーシャルアクティビストとしても活動するeriさんのインタビューをお届けします。
明るく、楽しく私たちができることって?
私たちのサステナビューティLIFE
「足るを知る」をおしゃれに発信
eriさん
「足るを知る」生き方を多彩に発信。ものづくりやソーシャルアクションを通してサステナブルを実践。
「生活、経営、社会活動。
3つの軸で生き方に沿う選択を」
「古着を扱う家に生まれたので、常にセカンドハンドやヴィンテージが身近にあり、長く使うことが当たり前で生きてきました」というeriさん。2019年の国連IPPC報告書をきっかけに、気候危機への意識が高まった。「気候危機は、温暖化して地球環境や生態系システムが壊れるだけでなく、人権、ジェンダー、経済にも関わる複合的な社会問題。大量生産、大量消費で権力者や企業の利益のために社会が回ってきた結果です」。
バッドスパイラルから抜け出すために、ライフスタイル、経営、社会活動の3軸からアクションを起こす。
「暮らしの中で、脱プラ、ゴミ削減、電力を再生エネルギーに変えるなどの取り組みを続けています。買い物や交通手段など、いろいろな場面で頭の隅にあるリストでチェック。プラスチック不使用か、動物実験を行っていないか、動物性でないか、リサイクルできるか、輸送コスト、人権・倫理的に推せるか、どんな人がどんな思いで作っているか……。100点満点は難しくても、考えるプロセスが楽しいんです」。
会社の経営では、脱資本主義とビジネスを両立する可能性を模索中。「以前から基本的に洋服は受注生産でした。最近は企画から完成までの様子をシェア。物が生まれる過程を時間をかけて見せることで、“情緒的耐久性”が上がって長く大切に使ってもらえるから」。
Podcast『もしもし世界』では文筆家の佐久間裕美子さんとさまざまな社会問題に切り込み、社会や政治への関心を深める「クイズ!この国の問題が問題」を立ち上げるなど、ソーシャルアクティビストとしても精力的に活動。「どのアクションも真ん中にあるものは一緒。どういう生き方をしたいかが芯にあります」。
提案1
ものを買うときは、
古着やメルカリも選択肢に
「実はファッション産業は、世界2位の環境汚染産業。新しい服を無造作に買わず、古着やときにはメルカリも選択肢に。また、海洋汚染の原因になる合成繊維を避け、コットンよりもリネン、ウールは再生ウールを選ぶなど心がけます」。
提案2
国産ガラスびんにこだわった
精油のロールオンを開発
Epo Essential Oil Factoryとコラボした、森の中の寺院をイメージしたロールオンフレグランスオイル。DEPT フレグランス No.1 テンプル イン ザ ウッズ 10ml ¥8800/DEPT TOKYO
提案3
伝統の大麻布「麻世妙」
のピローケースを愛用
環境にやさしい伝統素材を現代に甦らせた、最高級大麻布‘麻世妙’を使用。夏は涼しく冬は暖かく、使い込むほどにとろりと馴染む。DEPT “majotae”PILLOWCASE ¥11550/DEPT TOKYO
MAQUIA 11月号
撮影/土佐麻理子(人物) 久々江 満(物) 取材・文/長田杏奈 構成/山下弓子(MAQUIA)
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