暑さでバテやすい夏は、食欲が落ちて栄養バランスが乱れがち。そんな夏に起きやすい不調を改善する栄養素について管理栄養士の浅野まみこ先生がアドバイス。

夏バテ予防の食事バランスの正解。不足しがちな栄養素は?、寝付けないときの食事は?_1

ダイエットにも美肌にも!
知って役立つ【食事バランス】の正解

教えていただいたのは…
浅野まみこ先生

管理栄養士

浅野まみこ先生

エビータ代表。食育活動やレシピ開発、講演など多方面で活躍。著書は『コンビニ・ダイエット』(講談社)など。

夏バテ予防の食事バランス

Q.夏バテ中に不足しがちな栄養素 BEST3は?

A.たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンCが不足しやすく夏バテが加速
「夏バテ中は食欲が落ち、そうめんやアイスのような冷たくてのどごしがいいものばかり食べがち。食事が糖質に偏るためたんぱく質が不足します。栄養が偏ると代謝に関わるビタミンB群やビタミンCも不足しやすいので、余計に疲れやだるさが加速してしまいます」(浅野先生)

【1位】たんぱく質

【1位】たんぱく質
食事が糖質に偏るとたんぱく質が不足するので意識して摂って。疲労回復によい成分が含まれる鶏胸肉や、疲労回復によいビタミンB1も多い豚肉は効率的な食材。

【2位】ビタミンB群

【2位】ビタミンB群
同じく食事が糖質に偏ると、糖質の代謝に関わるビタミンB1が消費され不足。ビタミンB1は疲労回復効果もあるので不足すると疲れやだるさにつながる。豚肉、うなぎなどに豊富なので不足を感じたら取り入れて。

【3位】ビタミンC

【3位】ビタミンC
ビタミンCは全ての代謝に関わる栄養素。食事量が減ると不足し、またストレスでも消耗する。野菜や果物、いも類などに多い。

Q.こむら返りが頻繁に起きます。足りない栄養素は?

A.電解質=ミネラルが不足。麦茶などで補いましょう

A.電解質=ミネラルが不足。麦茶などで補いましょう

「こむら返り、つまりふくらはぎがつる原因のひとつは脱水症状による電解質不足。 電解質とは血液中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルイオンのことで筋肉の収縮など体の機能を調節する働きがあります。ミネラルが不足しないよう水分をしっかり摂って。ミネラルが多い麦茶が特におすすめ」(浅野先生)

Q.睡眠が浅い、寝付けないときに摂るといい食事は?

A.朝、糖質やたんぱく質を摂って体内時計を正しくリセット

バランスの良い朝食イメージ

「乱れた体内時計を正しい状態にリセットするために、生活リズムを整え、朝食を抜かずに摂って。特に朝に糖質やたんぱく質を摂るとリセットされやすいです。また大豆製品や乳製品、バナナなどに多いトリプトファンを摂ると、夜に眠りを誘うメラトニンに変わり寝つきがスムーズに」(浅野先生)

Q.肩こりが治りませんが摂ると良いものってある?

A.血行を促進するビタミンEが多い食品を

A.血行を促進するビタミンEが多い食品を

「肩こりは血行不良が原因のひとつなので、血行を促すビタミンEを多く含む食品を摂るのが効果的。アーモンドやかぼちゃ、アボカド、卵黄などに豊富です。また、疲労回復を促すクエン酸やビタミンCが多い食品もおすすめ。クエン酸はお酢や梅干し、柑橘類などに、ビタミンCも柑橘類のほか野菜、果物に豊富。そのほか代謝を助けるビタミンB群も補給を」(浅野先生)

Q.冷房で冷えた日に食べるといいものは?

A.温かいもので胃腸を温めて。たんぱく質や鉄も補給を
「冷えたときは、みそ汁などの温かいものを摂って胃腸を温めるのが一番です。また、たんぱく質は摂ったときの熱産生が最も高いので摂りましょう。ごはんを食べるのもいいです。そのほか、鉄が不足していると体が冷えやすいので、赤身肉、まぐろやかつおなどの魚介類、小松菜やほうれん草などのような鉄が多い食品も摂りましょう。鉄の吸収率を高めるビタミンCも一緒に摂るとより効果的」(浅野先生)

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撮影/佐々木美果 スタイリスト&料理製作/竹中紘子 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA)

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