毎日何時間も何気なく過ごしている「座る」「立つ」「歩く」の動作が、あなたの不調の原因だとしたら? まずは「座りすぎ」がもたらす体への影響について知りましょう。

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座りすぎ注意報発令!
「座る」「立つ 」「歩く」を見直して不調改善

まず見直すべきポイントがここに!
座る

岡 浩一朗先生

早稲田大学スポーツ科学 学術院教授

岡 浩一朗先生

「座りすぎ」による健康リスクにまつわる研究の第一人者。著書に『「座りすぎ」が寿命を縮める』(大修館書店)など。

じつはその不調、座りすぎが原因かも?

じつはその不調、座りすぎが原因かも?



「筋肉の約70%は下半身に集中していますが、座ったままで動かさないと血流が一気に悪化。循環が滞ることで体は冷え、代謝も低下し、肥満や糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクにもつながります。イギリスでは、仕事中に立ったり歩いたりする女性はデスクワーク中心の女性に比べて総死亡リスクが32%も低くなることが報告されています。また、座り続けていると、それだけで疲労感が高まり、仕事のパフォーマンスに影響することもわかっています」(岡先生、以下同)

 起きている時間の約6割は座っている 

起きている時間の約6割は座っている

成人の1日の覚醒時間における行動割合
Kurita et al.BMJ Open,2019より作成

30分に1回立つだけで体は変わる

30分に1回立つだけで体は変わる



「30分に1回、少なくとも1時間に1回立ち上がって2〜3分動くだけで病気のリスクが軽減されることが明らかになっているほか、食後の血糖値や中性脂肪が低下したという報告も。動くといっても、その場で立ち上がって軽いストレッチや足踏みをする、廊下を歩く程度でOK。何度も立ち上がれない人は、『こそトレ』がおすすめです」

立ち上がってちょっと動けば食後の血糖値も下がる

座位行動の中断が血糖値に及ぼす影響について検討した実験結果
Dunstan et al Diabetes Care,2012より作成

週末のジム通いではリセットできない

週末のジム通いではリセットできない



「運動はもちろん大切ですが、休日にジムなどで体を動かしても、それ以外の時間を座ったまま過ごしていては座りすぎのデメリットを相殺できないことが明らかになっています。大切なのは、“座り続けないこと”。日常生活の中でこまめに立ち上がる習慣をつけることが、不調改善への一番の近道です」

立つ&動くために工夫をする

立つ&動くために工夫をする



□よく使うものは手が届かない位置に置いて取りに行く
□職場等でトイレに行く時は階段で別フロアまで歩いていく
□TVを観る時はCMのたびに立ち上がって家事や足踏み
□読書は1章読み終えるごとに立ち上がってストレッチ
□スマホやスマートウォッチのタイマーで意識づけ

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イラスト/本田佳世 構成・文/国分美由紀 企画/村岡真知子(MAQUIA)

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