睡眠トラブルの原因は人によってさまざま。“苦手タイプ”をチェックして、自分に合った対策で眠りの質を向上させて。本格的な暑さが来る前に、Let's スリープトレーニング!

眠り下手(ベタ)にはタイプがあった
#スリトレで夏の快眠テクニック

スリープトレーナー
ヒラノマリさん
睡眠メソッド「#スリトレ」に基づきアスリートに睡眠を指導。著書に『#スリトレ すぐに試せるぐっすり睡眠法』(虹有社)など。
深部体温を下げる工夫を
深部体温が苦手タイプ
就寝前になっても深部体温が
下げられず寝つけないタイプ
「深部体温とは、内臓や脳などの体内温度のことで、日中は高く、夜に下がることで入眠する仕組み。寝つく前に手足の血流を増やすことで放熱し、深部体温を下げることができます。ところが夜遅くまで仕事をしていたりすると、脳の温度が下がらず寝つきが悪く。冷え性で手足からうまく放熱できず、深部体温を下げられない人もこのタイプ。以下の工夫がよい寝つきのきっかけに」
多く当てはまったらこのタイプ
□考え事をしてしまって眠れないときがある
□疲れているのに夜、頭が冴えている感じがする
□冷え性で手足が冷たい
□お風呂はシャワーだけで湯船に浸からない
□筋肉量が多く、ガタイがいい
冷え性の人はふくらはぎを温めて
「足が冷えて寝つけない人は靴下でなくレッグウォーマーをつけて寝ましょう。靴下だと足の裏がふさがるので放熱が妨げられ、深部体温がうまく下がりません。でもレッグウォーマーなら、足首やふくらはぎは温まり、足の裏から放熱できるので、最適」

表側は綿、肌側は吸放湿性に優れたシルクを使用。ゆったりと楽な履き心地。【綿シルク】ロング丈ウォーマー(直営店限定) ¥2530/グンゼ
寝るギリギリまで仕事している人は
おでこを冷やして
「夜遅くまで仕事をしていると脳の温度が上がってしまい寝つきが悪くなりがち。対策としては、寝る前に市販の冷却シートをおでこに貼るのがおすすめ。頭の下に氷枕を敷くと首まで冷えてしまいますが、冷却シートならおでこを適度に冷やせます」

ピタッとおでこに密着する冷却シート。熱さまシート 大人用 16枚入り ¥847(編集部調べ)/小林製薬
お風呂はほの暗&40℃のお湯で10〜15分
「湯船に浸かると深部体温が上がり、その後徐々に下がって皮膚温との差が縮まり、就寝のタイミングでスムーズに入眠できます。良質な睡眠のためには40℃のお湯に15分浸かるのが理想的。メラトニンの分泌を高めるため、照明は脱衣所だけつけるなど、なるべくほの暗い環境を心がけて。入浴は就寝の90分前に終えましょう」

AVA血管を冷やして深部体温を下げる
「手のひら、頬、足の裏の3箇所には深部体温に効く体温調節専門の血管=AVA血管があります。深部体温を下げるには、ここを12〜15℃で冷やすのがポイント。保冷剤を薄手のハンカチで巻くとそれくらいの温度になるので寝る前、3箇所のどこかに当てて冷やしましょう。市販の手のひらを冷やすグッズも便利」

内蔵された冷却ゲルが密着し、深部体温を手のひらからクールダウン。冷凍庫で冷やして使用。暑さ対策にも。おやすみクールハンド ¥3278/サイプラス
Q ジメジメして眠れないときは
A ペットボトル除湿器で湿気を取り除いて
「湿度が高い梅雨時などは、深部体温が下がりにくく、睡眠の質が低下。そこでおすすめはペットボトル除湿器。2ℓのペットボトルに水を八分目程まで入れ冷凍庫で凍らせて。これをボウルに入れ、タオルを敷いて寝室に置くだけ。湿気が冷やされてペットボトルに結露し、適度に除湿できます」

Q クーラーの正解は
A 室温26℃をキープし、長袖・長ズボンで睡眠を
「睡眠時のクーラーは、部屋の温度が26℃になるように設定するのが正解。夏は熱中症を防ぐため、クーラーをつけて寝るのがおすすめ。そして夏も長袖・長ズボンのスリープウェアで寝るほうが深部体温が下がりやすく快眠できます」

ヒラノマリさん監修のスリープウェア。血行促進が期待できるNO(一酸化窒素)を生成する素材を配合。ガーゼ素材なので暑い季節も快適。睡眠時の動きを阻害しない設計。CORE SLEEP スリープウェア ¥17900/帝人アクシア
MAQUIA 7月号
イラスト/みみかん 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA)
※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。
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