カメラの前にスッと立つだけで場の空気が一変する、ドラマティックな佇まいが印象的な俳優・磯村勇斗。演者としての美学や色気の在り方に触れるインタビューをお届け。

磯村勇斗さんインタビュー! 「いばらの道を選びたい」ストイックさに秘められた思いとは…_1

惑わせの夜に――
変幻自在な表現者、磯村勇斗

予期せぬ場所に辿り着く、爆発力が芝居の醍醐味

楽な道を進むより、
苦しみが糧になる荊の道を選びたい
俳優としての自分に、手応えを感じたことはありません。素晴らしい作品に携われたという感謝はあるけれど、そこに満足せず“もっとできる”と突き進むことに意味がある気がして。僕のモットーに、“楽な道よりも荊の道を選べ”というものがあるんですよ。荊の道は苦しいけれど、その先にはそれ以上に得られるものがあると信じて挑戦を続ける。そこにやりがいを感じるんですよね。
そう考えるようになったのは、今までの過程が影響している気が。役者を志し十代で上京したものの、アルバイトをしながら小劇場を転々とする日々が続いて……。そんな中で今の事務所に声をかけてもらい、芸能界に入ることができた。いわゆる王道の流れではないし、その後も常に壁にぶつかり模索し続けて、気付いたら今に至っていたという感じなんです。ただ、そこで得た経験が糧になったので、自分の歩んだ道程は間違っていなかったと感じています。
これからも楽な道への誘惑はあると思うけれど、たとえ遠回りでも、大きな目標を見据えて苦しい道を選んでいきたい。なぜなら、常に刺激を与えてくれる方向に進まないと自分自身が腐っていく気がするから。その“大きな目標”については……今は隠しておきたいかな。口にした方が早く叶うと言うけれど、自分の中だけに留めておきたいんです。

磯村勇斗さん

Hayato Isomura

1992年9月11日生まれ、静岡県出身。見るものを強く惹きつける存在感が支持され、映画や舞台などで幅広く活躍。現在放送中のドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系火曜22時〜)では、父娘でダブル婚活に挑戦する主人公(上野樹里)と18年ぶりに再会を果たしてアプローチを始める幼馴染・不破 颯を演じている。

『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』
「僕が演じる颯は、とにかくフランクで人のパーソナルエリアにスッと入れる男。誰に対しても等距離で仲良くできる部分は自分と少し似ている気がします」。主人公が好意を抱くシングルファーザー(田中 圭)を含めた恋の行方にも注目を。

MAQUIA7月号
撮影/荒木勇人 ヘア&メイク/佐藤友勝 スタイリスト/齋藤良介 取材・文/真島絵麻里 構成/萩原有紀(MAQUIA)

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