美容やファッションを楽しみながら、自分にも環境にもやさしいアクションを取り入れたい。そんな「サステナビューティLIFE」について、改めて考えます。
明るく、楽しく私たちができることって?
私たちのサステナビューティLIFE
WWFジャパン ブランドコミュニケーション室
山崎絢子さん
外資IT・家電メーカーなどの広報担当を経てWWFジャパン入局。現在はプレス担当として、環境保全や地球温暖化などの啓発に取り組んでいる。
まずはおさらい。
サステナブルって何?
「サステナブルは、sustain(持続する)とable(〜できる)からなる言葉で、“持続可能”という意味。人間社会の文明・経済システムについても使われますが、注目すべきはやはり地球環境の持続可能性。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が“温暖化の主要な原因は人為的なもの”と指摘した通り、地球環境を考えた行動が一人一人に求められています」(山崎さん、以下同)。
SDGs、エコ、エシカル、クリーン…
言葉は色々あるけど、どう違うの?
「“SDGs”は持続可能な開発目標の略称で、17の目標と169のターゲットがあります。“エコ”は自然や生態系への影響が小さいこと。“エシカル”は環境だけでなくフェアトレードや児童労働など人間に対する倫理も問う概念。“グリーン”は陸上の自然環境へのやさしさに着目。“クリーン”は汚染物質を排出しないことを指します」。
もっと身近に
サステナブルを感じるとしたら?
「まずはマイバッグやマイボトルを持ち歩くなど、身近な脱プラから。リデュース(ゴミ削減)・リユース(再利用)・リサイクル(再生)・リフューズ(ゴミの元を拒否)・リペア(修理)の5Rを意識することから始めましょう。自然エネルギーの電力を選ぶのも大きな一歩に」。
気候危機を知る入門に。小西雅子『地球温暖化を解決したい――エネルギーをどう選ぶ?』 (岩波ジュニアスタートブックス/岩波書店)
食の分野でできることって?
「プラ容器不使用のもの、個包装ではないものを選んで。食料を買うときは必要な分だけを手に入れてフードロスを減らす工夫を。水産物を食べるときは、環境に配慮した“MSC”や“ASC”認証のサステナブルシーフードがおすすめ」。
MSC「海のエコラベル」 は、水産資源と環境に配慮し、適切に管理された持続可能な漁業で獲られた天然の水産物の証。
美容の分野では何ができる?
「パッケージの脱プラ、レフィル化や量り売りを頑張っているメーカーを応援しましょう。エコラベルなど環境に配慮した認証マークも判断基準に。石鹸などのパーム油を使った製品は、RSPOという認証マークがついているものを選びましょう」。
RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証マークは、持続可能な生産&流通が認められたパーム油製品の目安に。
ファッション視点で考えると?
「以前『フランス人は10着しか服を持たない』という本がヒットしましたが、好きな服や質の良い服を長く大切に着て、過剰購入を見直すのがいちばん。穴が開いたら修繕する、着ることができなくなった服は人に譲るなどをしてみて」。
MAQUIA 11月号
イラスト/DONA 取材・文/長田杏奈 構成/山下弓子(MAQUIA)